私が出来上がるまで(スカウトされた)41
私が地獄の家庭環境から這い上がっていく過程で、この大学へ進学したことがひとつの転機だったように思います。
ビアガーデンでは高校時代楽しかったファミレスでのサークル感のある青春を超えるほどの楽しいバイト生活でした。
チケット売りは女子大生ばかりです。
そして、フロアの黒服は男子大学生ばかり。
恋が芽生えます。
黒服のリーダーのOくんがカッコよくて好きになりました。
リーダーということでしっかりして見えたのもありますが、とにかく私は面食い。
お顔もよく見えてました。
何より高身長。
背の高い人は何故か子供の頃から目を引いてしまいます。
自分が子供の頃背が高かったのがコンプレックスでもあったからだと思います。
Oくんは理工学部を専攻し勉強もそこそこ良くできたかと思います。
そして、音楽もしてました。
バンドを組んでいてボーカルをしていたのです。
ボーカルと言えばバンドの花形。
カッコ良さ倍増です。
ひとつ引っかかるのはその音楽がハードロックだったこと。
私は全く興味がありません。
むしろ避けているジャンルです。
大学時代は海外アーチストの曲ばかり聴いていました。
その中にはハードロックはないのです。
しかし、そこは問題ないです。
とにかくステキに見えました。
バイト仲間とはみんな仲が良く、バラバラの学校の仲間だけど、毎晩バイト終わりにビルの下に入っているケンタッキーでなんだかんだ談笑して帰っていました。
毎日学校へ通うよりこのバイトが楽しくて仕方なかったのです。
そのうち、Oくんとはよく目が合い、お互いに意識しているのに気がつきます。
バイト仲間でよく遊びにもいきました。
そこでどんどんOくんとも距離が近くなり、どのように告られたのかは覚えてないのですが、飲み会の後、Oくんとタクシーに乗って2人になった時に、なんと揺れにかまけて初キスしてきたのです。
お酒が入っての初キスだったのです。
Oくんの気の弱さを感じます。
それから私たちは付き合っていきました。
このビアガーデンのバイトは春から秋口までしかありません。
秋になると次の春まで仕事はなくなります。
私は秋には泉の広場の近くのカフェでバイトを始めました。
このバイトの時にまた幸運が舞い込むのです。
バイト終わりにOくんと泉の広場で待ち合わせていた時に、男性に声をかけられたのです。
ナンパかな?と思っていたら、この人はプロのカメラマンで、私の写真を撮って雑誌に載せてもいいかと、スカウトしてきたのです。
始めはアルバイト雑誌のアルバイトニュースにカフェでバイトしてる女子大生として顔写真で紹介されました。
名前も学校名もすべて実名で。
始めはカメラマンかどうか疑ったのですが、彼氏も横にいたので変なことはできないだろうと信じたのです。
これで終わりかと思ってました。
しかし、ここからが私はラッキーが続きます。
次々と雑誌掲載させてと依頼してくるのです。