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躁鬱ADHDの家づくり2020

こちらの記事は、人生の備忘録として書いたものです。

現行で家づくりをされる方の参考になる記事ではないので、ご了承ください。


基本情報

ハウスメーカーも住宅設備メーカーも日々進化していると思うので、ご参考までに記載しておきます。


家について

契約した年月:土地2020年10月・建物2020年11月
完成した年月:2021年7月
ハウスメーカー:積水ハウス
建物:約30坪/2階建て/シャーウッド(木造)


施主について

夫:28歳会社員。すべての決定権を持っているが、こだわりは少なめ。
妻(わたし):25歳会社員。叶えたい理想が多く、主に調べもの担当。
家族構成:夫婦ふたり暮らし。DINKs(Double Income No Kids)。将来にわたって両親の同居なし。


家づくりを始めるまで

今思うと完全に躁の波が来ていたのだと思います。
ただしこの時は自分が双極性障害とは知りませんでした。


暇だった

2019年の夏前に結婚を決め、2020年2月の入籍と挙式に向けて、かつてないほどの過集中を発揮しました。
そして挙式が終わると、日本はコロナ禍に突入。

平穏な新婚生活に幸せいっぱいでしたが、常に予定が詰まっていた日常との落差に、気づけば「何かしたい」という欲望がうずいていました。

そして2020年5月、唐突に「あ、今、家だ!」と思いついて走り出したのです。


夫の説得

わたしに暴走癖があることを理解している夫は、最初は「家を買おう!」をまともに取り合ってくれませんでした。
わたしとしても、そんな夫の反応は想定内です。それでも止まれない。躁だから。

勢いのままに、ひとりで住宅展示場へ足を運んだり、気になる工務店の営業さんとコンタクトを取って打ち合わせし、そのすべてを夫に報告。
そして、知り合った営業さんから説かれる「今建てるメリット」を自分でも改めて徹底的に調べ、夫を説得する材料にしていきました。

徐々に夫は住宅展示場デートに応じてくれるようになり、わたしは日々アップデートする情報や理想を夫に語り続け、段階を踏んで夫も家づくりに協力的になってくれました。


マンション、建売、注文住宅

我が家は比較的すんなり注文住宅に決まりました。

なぜなら、賃貸で同棲していたときによく話していた「もっとこういう家だったらいいのに」がほとんど間取りの話だったから。
子どもを持たない選択をしている我々が求めるような間取りって、マンションにも建売にも無いんですよね。

駅近であることと価格、そして耐震性に重きを置けば、マンションも充分選択肢になり得ます。
未だにマンションも素敵だよね、と思うことはたくさんあります。

ですが、間取りの自由度や、足音を気にして生活しなくても良いこと、いずれ猫を飼うかもしれないことを考えると、欲しいのは「耐震性に信頼のあるハウスメーカーで建てる注文住宅」でした。


土地の契約まで

我が家は「いつまでに家を建てたい」などは特に決めていませんでした。
強いて言えば「良い条件の土地が見つかったら」と考えていました。


土地の条件

土地の条件はかなり多いので、箇条書きでざっくりご紹介します。

  • ハザードマップ上で各種災害の危険が一切ない

  • 周囲に草木が茂り放題の家がない

  • 建蔽率が高め(庭を作りたくないため)

  • 大通りが近く、かつ大通りに面していない

  • 線路から離れており、踏切の音が聞こえない

  • 駅までの道のり

    • 徒歩10分程度までOK

    • 道が平坦で歩道が広い

      • なだらかな坂も絶対にNG

    • スーパーやコンビニがある

  • 新宿駅まで電車+徒歩で1時間以内

  • できれば、綺麗に区画が整理された分譲地


理想の土地が現れた

土地決めって、ハウスメーカーを決めるより何倍も勇気がいります。

理想だと思っても、あとからもっと素敵な土地が現れるかもしれない。
でも、いつまでも迷っていたら、さっさと誰かに買われてしまう。

我が家の土地は少し特殊で、建売業者が抱えている分譲地でした。
家を建てるにも様々な申請が必要だそうで、ほんの少しの期間だけ土地として売りに出していたのです。

条件も価格も良い。先ほど挙げた条件はすべてクリアしている。
だけど、数日以内に決めなければ建売としての申請が進んでしまう。
本当に今決めていいのだろうか。まだ土地探しを始めて1ヶ月も経っていないのに。


我が家が購入に踏み切るきっかけになったのは、「夜に現地へ行ったこと」でした。
休日の昼間には、積水ハウスの担当さんと訪れていた土地です。
ですが、持ち帰り検討にしてからも仕事も手につかないくらいソワソワしてしまい、衝動的に業後に現地へ。
すると、昼間ではわからなかったものが、夜に行くことで見えてきたのです。

駅からの道は、ほぼ大通りを進むだけ。夜でも周囲が明るくて安心です。
最後だけ大通りから一本入った道を少し進むのですが、大通りの喧騒が断絶されたように静かで、心地よい場所でした。
そのまま30分ほど滞在しましたが、居心地が良く、家を建てるならここだなと確信したのです。


ハウスメーカー決め

めでたく土地が決まれば、急いでハウスメーカーを決めなければなりません。


検討したハウスメーカー

見学したハウスメーカーは積水ハウス、住友林業、三井ホーム、スウェーデンハウス、ヘーベルハウス、パナソニックホームズ、ミサワホーム、一条工務店、アイ工務店。

そこから本格的に検討に進んだのは、積水ハウスとスウェーデンハウス。
夫婦ともにどちらも気に入っていましたが、どちらかと言われれば夫は積水ハウス希望、わたしはスウェーデンハウス希望でした。


積水ハウス vs スウェーデンハウス

積水ハウスとスウェーデンハウスには、ほぼ同じ間取りで見積もりを出してもらいました。

すると、スウェーデンホーム側に難点がひとつ。
我が家は2階にバスルームを作ったのですが、スウェーデンハウスではバスルームの部分だけ1階の天井を掘り下げる必要がある、という制約があると判明したのです。

また、建物価格自体は積水ハウスのほうが値が張るのですが、外壁のメンテナンス性は積水ハウスが圧倒的に優れていました。

夫婦でとことん話し合った結果、我が家は積水ハウスに決定。
でもスウェーデンハウスも大好きだったので、お断りの電話をしたあとに号泣しちゃいました。自分でもびっくり。


建物のこだわり

注文住宅の醍醐味!
建物は間取りから内装まで、こだわり尽くしました。


間取りの要望

まずは間取りの要望から。
もちろん全て叶えました。

  • LDK20帖で長方形

    • L字のリビングもよく見かけますが、絶対に綺麗な長方形にしたかった

  • 自分の部屋はなし

    • 一人になりたいことがないし、リビングを最強に快適な空間にする予定だし、暮らさない空間を作っても掃除の手間が増えるだけ

    • 代わりに、リビングに面したちいさな書斎をつくる

  • 玄関とお手洗いの距離をなるべく近く

  • 寝室とお手洗いの距離もなるべく近く

  • 寝室 - WIC - ランドリールーム - サニタリールーム の回遊動線をつくる

    • 洗濯物は絶対に畳まない

    • 何をするにもとにかく歩数を削減したい


住宅設備の要望

とにかく家事楽重視!
家に家事をさせるくらいのつもりで家を建てました。

  • キッチン

    • 絶対にLIXILのリシェルSI。ショールームでシエルブルーの面材に一目惚れ

    • 絶対にIH。五徳の掃除は一生したくない

    • 食洗器はフロントオープン。我が家はミーレの60cm

  • リビング

    • ロボット掃除機の基地を想定して腰高の棚とコンセントを準備

    • シャッターとカーテンはIoTで勝手に開閉。わたしが太陽嫌いなので、こうでもしないとシャッターすら上げない

  • お風呂

    • TOTOのおそうじ浴槽と床ワイパー洗浄を導入

  • トイレ

    • 1階はネオレストで自動開閉、自動洗浄

    • 2階は災害時を考慮し、タンクあり


内装の要望

インテリアコーディネーターさんからの提案はほぼありませんでした。
あらかじめ「こだわり激強の施主なので気を付けろ」と営業さんから共有されていたに違いありません。

でも穏やかで明るくて、なぜかわたしを娘のように可愛がってくれる素敵なインテリアコーディネーターさんで、大好きでした。

内装は画像付きでご紹介します。


キッチン

LIXILのリシェルSIで、面材はシエルブルー。
マットな質感で、見る度にうっとりしちゃいます。

カップボードをホワイトにしたのも地味にこだわり
キッチン横にはおうち型のニッチ


玄関洗面

Panasonicのシーラインで、面材はブルーグレーオーク柄。
名古屋モザイクのタイルもお気に入りです。

左手はトイレ、右手はリビングへの入口


書斎

壁紙は1面だけ水色に。
デスクは永大のラスティックブルー。

デスクはかなり奥行きがあります


リビング

テレビボードは、書斎デスクと同じで永大のラスティックブルー。

リビングシアターにもなっています。
ウーファー以外はKEFで、フロントはLS50Meta、センターはQ250C、リアは埋め込み型のCi160QR。
ウーファーはAudioengineのS8です。

HM側でスピーカーまで設置してくれました
天井の埋め込みスピーカー


寝室

ホワイト×グレーをテーマに。
ホワイトの壁紙は、写真だとわかりづらいですがステッチ風の模様があり、とってもお気に入りです。

我が家で唯一がっつり模様入りの壁紙


WIC

やわらかいピンクの壁紙にしました。
奥に見えるのはランドリールームです。

窓なしで日焼けの心配も不要


サニタリー

床はLaura Ashley。
洗面台はLIXILのルミシスで、面材はエクリュピンクです。

窓にはピンク系のロールスクリーンを設置


バスルーム

TOTOのサザナです。
壁はパティオベージュ、床はほっカラリ床のラグ調ベージュで、浴槽は人大のジュエリーホワイト。
鏡は大きすぎてもお掃除が大変だし、汚れたら気軽に交換したいので、別途自分でマグネット式のものを購入して貼っています。

1618サイズの浴室


2階トイレ

WICやサニタリールームに合わせて、あたたかみのあるピンクでまとめました。

ペーパーホルダーはカワジュン


家づくりの感想

この記事は家系ブログ(家づくりの参考になるようなもの)ではないので、小並感レベルでさらっといきます。


家づくりは楽しい

実際にやってみて一番の感想は、「家づくりは楽しい!」です。

わたしのような庶民にとっては、人生で一度きりの、人生で一番お金をかけたイベントになります。
物理的にも、こんなに大きな成果物が手元に残るイベントなんてなかなかないでしょう。

完成した家に住んでからも、感動の日々です。

思い描いたものが実際に目の前に存在していて、コンセントやらドアの取っ手やら、隅々まで、細部にいたるまで、自分の趣味嗜好が反映されているのです。

躁状態や過集中がなければここまで全力を注ぐこともなかったと思うので、今では「双極性障害とADHDとASDの最大の成果」だと捉えています。


後悔ポイント

20代半ばで家を建ててしまって後悔していないのか、気になりますよね。

住んで3年以上経ちますが、後悔ポイントはほぼ無いです。

しいていえば、ランドリールームいっぱいに洗濯物を吊るしたら、WICからランドリールームを通ってサニタリールームへ抜ける際にちょっと屈まないといけないことくらいでしょうか。


家づくり期間中は仕事以外の時間をすべて家づくりに充てるくらいの勢いで過ごしていました。

重視したのは、「要望はすべて明文化しておくこと」と「可能な限り実物を見て選ぶこと」。

同じメーカーでも複数のショールームへ足を運んだり、同じショールームにも検討が進んだタイミングで複数回足を運んだりしました。

また、後悔の芽を摘んでおくために、家系ブログも読み漁りました。
住んでみないとなかなか気づけないようなことや、自分にはない視点を補うのに非常に役立ちます。

思いつくことは全てやりきったので、「もっと調べればよかった」「この視点が欠けていた」といった後悔のしようが無い、と言ったほうが正しいかもしれませんね。


予定外だったこと

後悔ポイントはありませんが、家づくり中には想定していなかった出来事が起こりました。


ひとつ目は、猫を飼ったこと。

家を建てる前から猫を飼いたいという話は時折していたのですが、ペット未経験同士の夫婦なので、なかなか踏み切れずにいました。
「将来的に飼うことがあるのか」すら予想できないほど、命の重みに慎重になっていたのです。

結局、2023年の半ばに可愛い子猫をお迎えしました。

実際に飼うことになった時に家関連で頭に浮かんだのは、「リビングのカーテンをもっと安物にしておけばよかった」ですね。
我が家のリビングのカーテンはドレープだけでも16万円ほど。レースカーテンにもそこそこお金をかけています。
そのうえ、リビングはカーテンレールをIoT化しています。猫が飛びついて耐荷重量を超えて壊れたら…。

「-猫の命さえ無事なら、何をされても仕方ない!」と覚悟してお迎えしましたが、幸いなことに、飼い始めて1年半が経ってもカーテンや壁にいたずらされたことはありません。
でも、飼うことが決まっていたらもう少し安物にしただろうな~と思います。


ふたつ目の想定外の出来事は、まさに今、休職していること。

しっかり35年ローンを組んで建てているので、基本的には共働きの前提で考えていました。

我が家は、3人のFPさんにそれぞれシビアな条件でライフプランを見積もってもらったうえで家を建てたので、現状は特に焦りもありません。

とはいえ、家のローンのために早く調子を取り戻さないと!という意識はあります。


まとめ

繰り返しになりますが、家づくりって本当に楽しいです。

大きなお金を動かすことになるので、気軽に周りへおすすめすることはできませんが、建てることが決まった方には全力で楽しんでいただきたい!


わたしは家を建ててから躁鬱ADHDが発覚しましたが、休職になってしまったことで「家を建てなければ…」と思ったことはありません。

むしろ、こだわり抜いた家を建てることができて、「双極性障害とADHDがあってよかった」とすら思っています。

これからも、そんなふうに思い続けることができますように。

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