
○きみにふれたい
きみに
ふれたい
ももいろにそまるてゆびに
そのほおっぺたに
かなしみにまるまったその背に
悦びのこきゅうに
きみに
ふれたい
きみのその
あおい深いぬかるみに
ぼくというこのかたまり
ぼくのてのひらのひろかり
そこに満ちるあつい流動の前駆
その蒸気が
きみに届いたときにぼくは
ぼくのりんかくはるうるうときみへとけだし
きみをただやわらかにまねきいれる膜になる
からだふたつは
やがてひとつらなりの奔流となって
うちゅうのきらぼしのはじまりのような
おとのないしずかなくうかんで
くろくかたいいすにすわるときも
やわらかな葉ざぶとんのよるも
くつくつと
はなを合わせ
炭酸のように
わらいあうのだ
2009_f34