見出し画像

○20180205

何もかもをわるくちにしたわたしは
固く古びたレーズンの姿
きたなくしおれたレーズンの背骨
何もかもをわるくちにして嘆くひとの声をあびれば
吸い殻のごとく黄色の唾液にまみれてにごる夕方

走りだしたいような、こごみたいような鉛の防具
化学薬品で即席にうすいハッピータイム
どうでもよいことにあたかも嘆息するような表情
時計の針にはたくさんの髪の毛がからまっている
ああ、万事が年中無休で休す

その時 ぱっと

青くうつくしい
おおきな布をわたしはひろげ
その遥か 見えぬ先の世界までとどく
ひろいひろい布のふち
そこにある単純で質実な太いかがり糸のことを
ただいっしんに空想するのだ



20180205_f34

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集