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○ひかる
あめあがり深夜
この
あおくふくらんだ木々の葉を
くちびるにはんで
わたしは
この未熟にかたまった喉を
よぞらにひらき
わが内部の
きらめきであるとか
ガラスくずなんかを
いっさいがっさい
おおやけにして
だれのものでもない
なにかおおいなるもののいちぶ
として
せいめいの
祝福のうたをうたう
まぼろしをみる
そういうふうに不可分に所属し
不可分にあなたを愛することができたなら
私は
なにをおそれ
何からにげだすことがあるだろう
このくろい幹に身を寄せ
その脈をこのはだに感じ
ひととき
そのからだのぶぶんとなって
そのあかしをきいたならば
わたしは
何に絶望し
うたれ
なくことがあるだろう
いまここに
このむしやくすのきの葉と
同様にしがみつき
それでもなお
止まず
このうたをうたい
それでもなお
止まず
この愛をしようと
あおく星で澄むよるに
この身もまた
あおく染め
2009_f34