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○ 詩音

29
からだの奥から来たことばを連ねてみています。
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#雨

○雨あびてもゆる

○雨あびてもゆる

くろいなまずの
ごむびきの
あまぐつ
草に ぬぎすてて

露に濡れたる
あしうらに
きっ、と踏みしむ青草の

むうむうと草の呼吸はたちあがり

露に濡れたる
てあしや草や、
枝やてあしや葉脈や

ないまぜになるみどりのにくの

むせて鳴くよな喉のおと

すずなりのしずく肩に落ち耳殻にとりつき

そのしゃん、

しゃん、とつめたく

はねとぶようにわらい

(ああ、
そのらんぼうで気高い、
みどりの

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○20190707

○20190707

あめのふるひ 
ちんでんするくうき
わたぶとんのようにせまく
こきゅうきにのしかかる

あさい、あさい
浅くて鉛
Rクニテキョウブガ鉛

闇迫り
浅くて鉛

雨夜の粒子
方舟の一室
深く沈み
浅くて鉛

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