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○ 詩音

29
からだの奥から来たことばを連ねてみています。
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2022年5月の記事一覧

○20211006

○20211006

よこしまなこころを 
あるがままとおりすぎ

白い磁器のような
たいらかな日々

しろいうつわにあそぶ
ちいさな鳥のように

音はとまり
風が窓辺の布をゆらし

鳥はてん、てんと
拍子をふんで

嬉しくて踊る
嬉しくて踊る

20211006_f34

○20191118

○20191118

街は破片でいっぱいだ
からだは破片でいっぱいだ
風がつよくて、ちりぢりになる
耳を塞いでしゃがむけれども
尖ったかけらはここにあり
暮らしのルールは遠くラジオの向こうでくぐもっている

生存確認、生存確認
生存確率、適合確率

街には破片がいっぱいだ
積もる話もあるようだ
からだは破片でいっぱいだ
風がつよくてちりぢりになる

20191118_f34

○雨あびてもゆる

○雨あびてもゆる

くろいなまずの
ごむびきの
あまぐつ
草に ぬぎすてて

露に濡れたる
あしうらに
きっ、と踏みしむ青草の

むうむうと草の呼吸はたちあがり

露に濡れたる
てあしや草や、
枝やてあしや葉脈や

ないまぜになるみどりのにくの

むせて鳴くよな喉のおと

すずなりのしずく肩に落ち耳殻にとりつき

そのしゃん、

しゃん、とつめたく

はねとぶようにわらい

(ああ、
そのらんぼうで気高い、
みどりの

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