シェア
f34
2021年12月25日 17:35
あめあがり深夜このあおくふくらんだ木々の葉をくちびるにはんでわたしはこの未熟にかたまった喉をよぞらにひらきわが内部のきらめきであるとかガラスくずなんかをいっさいがっさいおおやけにしてだれのものでもないなにかおおいなるもののいちぶとしてせいめいの祝福のうたをうたうまぼろしをみるそういうふうに不可分に所属し不可分にあなたを愛することができたなら
2021年12月13日 23:22
このえだにこのえだに花を幹が欲しているこの枝にそそぎこまれることを痩せたなりにあまいこの土壌で綿ぶとんのようなひびを過ごすならかりかりと細るやなぎの枝がそらのすべてをうめつくすだろう小骨のごときそのとげをくる日もくる日ものどもとにさしたててけれどもそれをねんごろに私はかき抱くポーズをとるのだろう荒波を渡る舟の決定的な櫂!と眼をつむりさけぶのだろうこのえだに
2021年12月5日 22:27
お酒にほろよい夜道を帰るくうきは凍りほほも凍り喉は冴え耳先はとがる「眠らない街」といわれる場所もあるけれどこの街は眠る夜には眼をとじことばをとじてあおいシーツで夢をみる家の子は家におかえり と棟々にあかいあかりをともす見上げれば金銀の星ぼし幾光年のしろい光その空にのどをむけて鎮静のくうきを肺の房におろせばきみの声がおもわれきみの掌