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○ 詩音

29
からだの奥から来たことばを連ねてみています。
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2021年11月の記事一覧

○きみといきる

○きみといきる

結局

これは
にくのかたまり



をげんどうりょくとした
にくのかたまり

こぎれいにまとめた薄皮をひんむけば

生き欲のにくが

機構にもとづき咀嚼をし
法規にのっとり排泄し

痒かったり
垢がつもったり
充血し
勃起したりしている

かたわら
まんぷくなのになおたべつづけたり
ぶらんとねそべって
らちもなく起毛になぐさめられていたり
する

そのどらっとしたかたまりとかたまりが

ふたつ

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○ラブレター

○ラブレター

あおいろのりんとすずやかな

もしくは

きんいろのひそやかであまい
そういうこまかであわい
つぶのようなものが
くうきに濃ゆくまざりだすと

あなたの藍のTシャツのむねの
ぬくぬくといいにおいであることや

ぽってりとまるいほほの
あたたかに密着するこの手ゆびのかんかくや

なにもかもが

そこにことばはなくて
たとえこの眼が見えなくても
ただ
そこに感じるあたたかないぶきのかたまりの

そのな

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○きみにふれたい

○きみにふれたい

きみに
ふれたい

ももいろにそまるてゆびに

そのほおっぺたに

かなしみにまるまったその背に
悦びのこきゅうに

きみに
ふれたい

きみのその
あおい深いぬかるみに

ぼくというこのかたまり
ぼくのてのひらのひろかり
そこに満ちるあつい流動の前駆

その蒸気が

きみに届いたときにぼくは

ぼくのりんかくはるうるうときみへとけだし
きみをただやわらかにまねきいれる膜になる

からだふたつは

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