未だに残る焼肉屋の特別感

焼肉、それは私にとって御馳走です。
焼肉屋に行くと決まればワクワクし、食べ終わって家に帰るまで楽しい気分でいられる、まるで小学生のころの遠足のようなをイベントになります。
この焼肉屋に対して抱く特別な感覚は、小さい頃の我が家のいつものパターンが大きく影響していそうです。
小さい頃、焼肉屋といえば「一番カルビ」。唐辛子の看板が印象的な焼肉屋です。家族の誕生日には決まって「一番カルビ」でした。これが我が家のいつものパターン。
小さいころは、お子様セットだけを頼んでいました。お子様セットのごはんは、クマの顔の蓋がついている三段の容器の中に入っています。一段目にプリン。二段目に焼いて食べるピーマン・トウモロコシ・ソーセージ(あとなにかあった気もしますが、、)。三段目に二色そぼろどんぶりという組み合わせです。一段一段開けるたびに大好きなものが出てくる、お子様セットに対して、虜になったのは私だけではないはずです。少なくとも兄貴もその一人でした。中でも私は、この二色そぼろどんぶりが大好きで、飽きることなく美味しく食べていました。今でも食べたいです。
お子様セットの本当の楽しみは、おもちゃ。店員さんが箱いっぱいに入っているおもちゃを持ってきて、その中から一つ選ぶスタイルです。ただ、そこに入っているおもちゃは、マクドナルドのハッピーセットとは違い、安っぽいものが多いです。それでも、このおもちゃが楽しみでした。たくさんあるおもちゃの中から、一つ選んでもらうことができる特権を獲得した私は、今日は何があるんだ??と、おもちゃをかき分けながら、真剣に選んでいました。
家族7人、いくら誕生だからといって子供だからといって、安い外食ではないはずです。決まって誕生日に、「一番カルビ」に行くのには訳があります。それは、誕生日の人がケーキをもらうことができ、店員さんがポラロイドカメラで写真を撮ってくれる特典がついていることです。いまではスマホが普及して、簡単に自撮りをすることができますが、その当時は誰かに撮ってもらうことが一般的でした。そして、その場で写真が出来上がるというこのサービスは、小さいころの私にも誕生日の思い出としても抜群でした。親にとって「一番カルビ」は、お財布にやややさしく、子供もはしゃいで喜んで、思い出も写真に残せる、誕生日にうってつけの場所だったのだと思います。

今では、誕生日のお祝いで焼肉屋に行くことはなくなりました。焼肉屋に行ってもお子様セットも注文しません。「一番カルビ」も少なくなり、他の焼肉屋で食べることが多くなりました。場所も注文するものも変わりましたが、焼肉屋に抱くこの特別な感覚は変わりません。行くと決まればワクワクし、食べ終わって家に帰るまで楽しい気分でいられるのは、家族との思い出が詰まった場所なのだからだと思います。

最後まで、読んでいただきありがとうございました。

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