見出し画像

移植後の再発と娘の反応

       



向かった先は、骨髄移植を受けた病院でした。
触診、採血、細胞診を受けて待合室のソファーで待機。
細胞診の痛みで泣き疲れた娘は、眠ってしまいました。

結果が出るまでの間、私はあらゆる状況を考えては
どうするかをシュミレーションしていました。
これは、今までの経験から学んだ知恵です。

命に関わる病気の場合
「ゆっくり考えて、いいですからね」
先ず、そうは言われません。

究極の選択を「今、ここで決めて下さい」
ほぼ、このパターンです。
生きるか死ぬかの状況であれば、あるほど
即決!を迫られるのが医療現場です。

検査結果は、即入院でした。
細胞診の結果、腫瘍は癌でした。

急性リンパ性白血病で固形腫瘍?!
一体どういうことなんだろうか?
残された治療はあるのだろうか?
そんな風に、色々と頭を巡らせていた私は
「どうしますか?」
と言われ一瞬で現実に引き戻されました。

この病院は、骨髄移植を主体に行われている都合上
面会時間や面会方法が厳密に管理されていました。
癌だと判明した以上、長期戦は避けられない
娘や家族に、ある程の自由さがある環境が欲しいと思い
一番長く入院していた、別の病院に入院することに
決めました。

娘は半年後、小学校に入学する年齢になっていました。
移植後、身長も伸びて、髪の毛も伸びて
どこから見ても、ごく普通の女の子になっていました。
私は、正直そのことが嬉しかったのでした。
しかし、予想していた未来は消え
どうなってしまうのか予測のつかない未来に
不安しかありませんでした。

がっかりするだろうな
そう思いながら、娘に入院することを話すと、反応は意外なものでした
娘「どこの病院?」
私「〇〇ちゃんと遊んだ病院」
娘「〇〇ちゃんに会えるかな〜♪」

入院中は、朝起きてから寝るまで
お友達と一緒に遊んで、笑って小児病棟のみんなとは
大家族のような関係だったことを思い出しました。

そして、再発する度に湧いてくる、無力感や罪悪感
娘の楽しみにしている様子が
私の気持ちを軽くしてくれたのでした。








最後まで読んでくださって、ありがとうございます。またの訪問をお待ちしています : )