唯一無二の人生を生きる
去年の10月、小児がん学会の家族会で登壇させていただいた時に
みなさんから「わかる、わかる!そう思って首が痛くなるくらい縦に振ってました」と言ってもらいました。
私自身も子どもを亡くした親御さんのお話を聞いているときに
心中は「わかるわぁ〜、おんなじだわ」の連続です。
でも、本当に同じなんだろうか?
似たような経験はしているけれど、正確には同じではないと思います。
共感力は大切だけど、それぞれの経験は一つも同じことがない
ということも、大切だと思いました。
それに初めて気がついたのは、グリーフケアを学んだ時でした。
お話を聞く立場だった時に、「あぁ、私とおんなじだ」その心の言葉が
お相手の言葉に隠れているたくさんのことを感じることが難しくさせるのでした。
また、逆に
自分のお話を聞いてもらうときに
みんなも同じだろうからわかってくれるだろうとか
同じだから話しても仕方がないという思いから
話を聞いてもらうことの利点を効果的に使えないのでした。
そういう意味で「唯一無二の人生」を自分が生きているという
自覚が大切だと思うようになったのでした。
グリーフケアで学んだ後、次に私は「唯一無二の存在」だと
気付かされることになりました。
ホメオパシーを受けることになった私は、事前に送られた問診票を書くことになりました。
パソコンで入力したのですが、3日かかりました。
入力に時間がかかったこともありますが
自分がお腹にいる時から現在までのことを事細かく思い出すことに
時間がかかったのでした。
完成した問診票は私にとって宝物級の存在です。
そこには、私の歴史、人生の歩みが記されていました。
それを、何度も何度も読み返したくなるほど
自分が愛おしくなり、驚き、感動しました。
私と同じ人生を生きている人はいない、私は唯一無二の存在で人生を生きている
ということの証明を自らしていたと気がついたのでした。
そして、私の苦手なあの人も私が産んだ子どもたちも
唯一無二の存在なんだと気がついた私は
どんな人も愛おしく、尊重すべき存在であると心から思えるようになりました。
これを読んでくれているあなたは、唯一無二の存在です。