娘のいない世界で PART2
「娘のいない世界で 」URL
https://note.com/f1043/n/nd65ed3ca9053
娘が生まれた意味
娘が病気になった意味
娘が亡くなった意味
私がこれから生きていく意味が知りたい。
自分に問いかけ、もがき、苦しんでいた時
私はスピリチュアルの著書をたくさん読み
カウンセリングの講座に参加し
答えを見つけるために必死で頑張っていました。
答えらしきものは沢山ありました。
アドバイスも沢山受けました。
でも、どれもしっくり来ないし
心は全く楽にはなりませんでした。
ある日、ママ友から「これ読んでみない?」
そう言って一冊の本を渡されました。
泣きたい気持ち、怒りたい気持ちは
人が心に受けた傷から回復する為の大切な感情である
そうのようなことが書かれていました。
そして、心の中にあるさまざまな感情や思考を
安心できる人達に聞いてもらう事は
心が回復するのに、とても有効だと言うことでした。
幸いにも、その著者が地元で活動をしていて
ママ友と一緒に参加できる事になったのでした。
私にとっては、この辛さから開放されるのならば
なんだって構わないと思っていました。
そこには、数人の人がいて
時間を公平に分け合って、話を聞き合うことをしていました。
私の順番が来ました。
「本当に、よく頑張ってきたね」
そう言われた瞬間、私は涙が止まらなくなってしまいました。
「泣きたかったら、ずっと泣いていていいからね」
そのようなことを言われました。
娘が癌になった時、再発した時、骨髄移植をした時
亡くなった時、そして今
私はずっと「頑張らなきゃ、泣いてる暇はない
私が泣いたらみんなが悲しむ、泣いても解決しない」
そう言って泣くことを自ら止めてきました。
どんなに辛くても、悲しくても
歯を食いしばって頑張って生きてきました。
そんな私の存在に気が付き
私に「よく頑張ってきたね」と言葉を
かけてくれた人は一人もいませんでした。
親だから当たり前、母親だから我慢する
親なんだから責任持ってやりなさい
そう叱咤激励する人ばかりでした。
だから、本当の気持ちには蓋をして
平気な顔をして、お母さんと言う役割を演じてきました。
お母さんだって、人間だよね
私は母親だけど、一人の人間だし、女性だから感情もある。
一度の人生に夢や希望もあった。
それが、突然起きた娘の病気がきっかけで
周りの家族や医療従事者、社会は母親という理由で
私から人間性を奪い
私は、奪われることを受け入れてしまったのです。
そんな私が置かれている状況を
分かってくれる人が居たんだと思ったら
安心して涙が出てきたのでした。
泣くだけ泣いたら、とても心が軽く感じられました。
帰り道、今まで見えていた世界が変わって見えました。
ライラックの鮮やかなブルー、甘い香り
真っ青な空に白い雲
太陽の暖かさ、電車の音、頬に当たる風
なんて美しく、快いのだろう
私は生きている・・・そう感じたのでした。
娘が亡くなった、あの日に止まった時計の針が
また動き出した瞬間でした。