レッテルが貼られて誕生 ①
私は誕生する前にレッテルを既に貼られていました。
子宮発育不全の妊娠だったために
帝王切開で出産しなければ
母か子どものどちらかが死亡してしまう。
なので、私は6月17日帝王切開で生まれる予定になっていました。
北海道は6月14日〜16日北海道神宮祭が開かれ
当時は学校もお休みだったり、半日だったりしました。
母が出産する個人病院も3日間は休院だったのでした。
個人病院は帝王切開をするときに局所麻酔をしますが
それは、外部の麻酔科医に依頼をしなければなりません。
だから、お祭りが終わって17日が予定日になっていたのでした。
しかし、私は13日に陣痛を起こしたのでした。
16日の朝、私は産声もなくこの世に誕生したのです。
母が私を確認したのは、それから更に3日後
この時、母は「子どもは死んだ」そう思っていました。
それはそうです、だって帝王切開しなければ
どちらかが死ぬと言われていたからです。
しかし、私は生きていました。
「あなたは、自然分娩では産めない身体です」
母はそうレッテルを貼られました。
そして、母はそのレッテルを信じていました。
私はレッテルが貼られていることも知らずに
自分の力を信じて、これからの人生に希望を持って
生まれてきました。
医師の診断が間違っていると言いたいわけでも
子宮発育不全の人に自然分娩を勧めたいわけでもありません。
レッテルは絶対ではないと言いたいのと
レッテルを信用しきっている周りの人たちによって
私の誕生は「おめでとう!!」という状況には残念ながら
ならなかったのでした。
私はレッテルを剥がして
人の命の可能性や強さを証明したのに
レッテルはそれすらも気づくことを奪ってしまったのでした。
その後、私は幾度となく
そのレッテルを剥がし、命の可能性や強さを証明しようとしましたが
その度に、レッテルが貼られていき
とうとう私はレッテル通りの人間になってしまったのでした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続き
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