見出し画像

キャリアコンサルタントという仕事

いまキャリアコンサルタントを目指して勉強しているのだけれども、そもそもキャリアコンサルタントってどんな仕事なの?って知らない人が多いよね。

厚生省によれば、キャリアコンサルタントとは「キャリアコンサルティングを行う専門家で、企業、需給調整機関(ハローワーク等)、教育機関、若者自立支援機関など幅広い分野で活躍しています」と説明されています(引用)。

つまり、働く人の職業の選択や職業生活設計、そして職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行う人なのです。

キャリアコンサルタントがいまいち世の中に浸透していないのはデータでも裏付けられていて、「令和5年度の能力開発基本調査」によると、次のような調査結果が得られているようです。

キャリアコンサルティングを行うしくみの導入状況

厚生省:令和5年能力開発基本調査(24ページ)

57.9%の事業所が「キャリアコンサルティングを行う仕組みがない」らしい。
ただ、厚生省もただ手をこまねいているだけでなく、さまざま告知や周知活動などの手を打って、年々キャリアコンサルタントを行う仕組みの導入状況は改善しているようです(令和5年は令和4年よりやや下がってしまいましたが汗…)。

厚生省:令和5年能力開発基本調査(24ページ)

キャリアコンサルタントを導入している産業は「金融業・保険業」が多く、次に「複合サービス※」が高い。
※複合サービス:郵便局、共同組合(農林水産業協同組合及び事業協同組合)

一方「生活関連サービス、娯楽業」や「製造業」が低いようです。

厚生省:令和5年能力開発基本調査(25ページ)

事業所としてもキャリアコンサルタントを行うのは「労働者からの求めがあったら」というのが49.8%と「1年に1回、3年に1回など、定期的に実施する」とほぼ拮抗しています。ちょっと消極的ですね。

厚生省:令和5年能力開発基本調査(26ページ)

それから、「キャリアコンサルタントを行う上で問題がある」と答えた事業所はなんと、「正社員」では 73.6%、「正社員以外」で65.3%なんです(あくまでも事業所がそう考える、という答えね)。

厚生省:令和5年能力開発基本調査(27ページ)


なるほど、じゃあその問題点はなに?という回答は「労働者からのキャリアに関する相談件数が少ない」!!
おいおい日本の世の中の労働者よ、そんなに今のキャリアに満足しているのかい(笑)。

厚生省:令和5年能力開発基本調査(28ページ)

そして気になるのは「キャリアに関する相談を行ってもその効果が見えにくい」正社員37.4%、正社員以外33.6%。

なぜか…
その答えはここにあると思います。
「キャリアコンサルティングを行うしくみがある事業所のうち、事業所で相談を受けているのはキャリアコンサルタントであるか」

厚生省:令和5年能力開発基本調査(28ページ)

74.1%が「そうでない」。先ほどのキャリアコンサルタントを行う実施時期において「人事評価のタイミング」というのが比較的高率だったのを考えると…

それって上司との面談やん(泣)

キャリアコンサルタントはちゃんとしたスキルが認められた国家資格。
世の中にキャリアコンサルタントの資格をもつ上司がそんなにいるとは思えない。
つまり素人によるキャリアコンサルタントが平然となされているのではないでしょうか…(爆)

「キャリアに関する相談を行ってもその効果が見えにくい」正社員37.4%、正社員以外33.6%.…

そりゃそうなるわな…

ここは事業所も認めていて「キャリアコンサルタント等相談を受けることのできる人材を内部で育成することが難しい」とあきらめムード。

厚生省:令和5年能力開発基本調査(29ページ)

と、ここまで書きましたが、少し明るい話題も提供しよう。

「キャリアコンサルティングを行った効果は」という質問に対しては「労働者の意欲が高まった」とのこと。

厚生省:令和5年能力開発基本調査(27ページ)

企業の経営者の皆さん、キャリアコンサルタントをぜひよろしくお願いいたします。


いいなと思ったら応援しよう!