「Cascadeur」がもたらす3Dアニメーションの新たな可能性
こんにちは、こんばんはezuです。
画像生成AIに魅せられ数か月、時代は画像生成AIではなく動画生成AIにどんどん移り変わっています。(オイテカナイデェ…( ;∀;))
私が興味を持っていた時期はanimatediffやEbsynth Utilityなどを使用して動画を作成することが主流でした。
しかし生成した動画は背景がガチャついたり、人物の服が何度も変わるなど安定した動画を生成することはできませんでした。(なんだかなぁ…)
その後animatediffがアップデートされましたが、興味はそそらず…。
アニメーションを作りたいけど画像生成AIだと微妙だなぁと悩んでいたところ「cascadeur」なるモーションを作るツールを発見しました。
調べていくうちにどうやら凄いソフトであるらしく、似たような機能があるMMDやblenderと初心者ながら比べてみた結果「あら、これは凄い!」となりました。
最近stable video diffusionが世間で話題になっていますが、私の心はすでにcascadeurです。(あばよっ!!)
今回はそんなCascadeurというツールがどのようなツールでどのようなところが優れているのかについてザックリと話していきます!
「cascadeur」ってどんなツール?
「cascadeur」は、ヒューマノイド(人物)やその他のキャラクター(恐竜やロボットなど)の3Dキーフレームアニメーションを作成するためのソフトウェアです。
物理ベースのアニメーションエンジンとディープラーニングツールを組み合わせることで、リアルで自然なアニメーションを簡単に作成することができます。
具体的には
歩く
ジャンプ
刀を振る
などの人物の動作全般を作成できます。(人物以外も作成できるよ!)
何が凄いのか?
cascadeurには他のツールにはない独自の機能があります。
物理ベースのアニメーションエンジン
「cascadeur」のアニメーションエンジンは、物理法則に基づいて動作します。これにより、重力や衝撃などの影響を受けた自然なアニメーションを作成できます。
例えば、キャラクターがジャンプしたときに、重力の影響で上昇し、着地したときに衝撃で揺れるようなアニメーションを作成することができます。
簡単に言うとリアルに近いモーションを簡単に作成出来るということです。(これが本当に凄い!!)
言葉だけでは全然感動が伝わらないと思うので公式の動画を見てください!
ディープラーニングツール
これはアニメーションの自動生成機能で、複雑なアニメーションを簡単に作成することができます。
例えば「モーションキャプチャデータからアニメーションの自動生成する機能(mocap)」があります。(この機能はUEにもある機能らしいのでcascadeurのみの機能ではありません)
例えば、キャラクターが剣を振り回すアニメーションを作成する場合、通常であれば、フレームごとにキーフレームを設定する必要があります。
キーフレームとは、アニメーションにおいて特定の時点でのオブジェクトやキャラクターの位置、姿勢、表情などの状態を固定するためのマーカーのことです。
しかし、cascadeurはディープラーニングツールを用いることで、剣の振り方をモーションキャプチャしたデータから自動的にアニメーションを生成することができます。
これにより、複雑なアニメーションを簡単に作成することができます。
Auto posing mode(オートポージングモード)
キャラクターのポーズを自動的に予測し、設定する機能です。
この機能はcascadeur独自の機能でより素早くポーズを取らせることが出来ます。
例えば歩きのモーションを作成する場合、骨盤を下げて足を前後に動かして手を動かして胴体の位置を…とたくさんの関節を動かしてポーズを作る必要があります。
しかしcascadeurでは「足がこう動くなら、手はこうかな?」みたいな感じで予測して動いてくれます。
足が逆なのは私が間違えただけですが、手に関してはどちらも一切手を付けていません。しかしcascadeurの画像を見ると良い感じに手も動いてくれています。
ちなみに左のblenderで作成したこのポーズはIKが(おそらく)設定されていないモデルなので
重心を下げる
左足を前に出す
左足の膝を曲げる
右足を後ろに出す
膝を曲げる
という工程で作成しました。
cascadeurの場合
重心を下げる
右足を前に出す
左足を前に出す
という工程で作成しました。
これに手や胴体などを作成するとなると、その差はどんどん広がっていきます。
他にも
tween machine
secondary motion
spring secondary motion
など、おそらくcascadeurにしかない機能がいくつかありどれもリアルな表現をするのに重要な機能です。
詳しく説明できるほどまだ使いこなせてないので、おいおいこれらに関する記事も書くかもしれません。
そんな感じでcascadeurはモーションを作ることに特化したツールです。
価格
これに関しては似たようなソフトを複数調べるのが面倒だったのでbirdにお願いしました。
その他の気になる部分についても採点してもらいました。
間違えてる部分もあるかもしれないので参考程度に。
blenderは完全無料ですがcascadeurに関しては制限・条件付きで無料になります。
その他にも一部有料版でないと使えない機能があります。
一旦試しに使ってみる程度なら無料版で十分ですし、ちょっとしたモーションも無料版で足りてしまうかもしれません。
有料版に関して、年間払いだと一度購入してしまえば永久ライセンスになります。つまり翌年から買わなくても永久的に使用出来ます。
しかしアップデートはされません。期間外で追加された新機能を使用したい場合は再度購入する必要があります。
ロードマップ
今後どのようにアップデートされていくのかが結構気になるポイントだと思います。
これに関してcascadeurはロードマップを公開してくれていますのでそちらで確認できます。
今確認できる中で一番の目玉はパッと見た感じ「四足歩行モデルにauto posing modeの適応」かなと思います。
今まで人物モデルのみ対応していたので四足歩行モデルも対応されるのは結構嬉しいかと思います。
また、ここには記載されていませんが、バージョン2023.2で追加されたaudioの機能について現在オーディオも一緒にエクスポートできるように開発を進めているらしいです。
今後どのように発展していくのかすごく楽しみですね!
残念な点
まだまだこれからどんどんアップデートされていくはずなのでそのうち解消されていくと思いますが「この機能あったらいいな」というポイントがあります。
それは「服や髪」に関することです。
cascadeurにはまだ服を認識して足を貫通しないように自動で曲がってくれる機能や、ジャンプしたら髪の毛がファサッとなってくれる機能はありません。
他のツール同様手動で動かすことは出来ますが、効率的とは言えません。ブレンダーと併用すればこの問題は解決しますが、cascadeur1つで済むようになると凄く便利なツールに進化すると思います。
まとめ
ということで今回はcascadeurというツールを紹介しました。
日本語版が無いこともあり日本では全然話題になっておらず使ってる人もあまりいないツールかと思います。
しかし間違いなく便利な機能を複数搭載してるツールだと思いますので、使えるようになっておくと良いかもしれません。
公式のyoutubeチャンネルで使い方を解説してくれていますので気になった方はそちらもご覧ください。