【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」㉔有限会社希望農場・佐々木大輔さん~好きなことを仕事にできる人は少数。「好きな仕事にどう変換するか」の発想で可能性を広げたい~
もがきながらも新たなチャレンジをしているひとを紹介する「この人、エーゾ」。今回ご紹介するのは、佐々木大輔さん。中標津町の農家の長男として生まれ幼少期から”後継ぎ”を意識するも、業界の様々な慣例や常識にはとらわれず農家、生産物、地域の価値の向上に向け、新たな取り組みや挑戦をしています。
農家の長男として生まれ育ち、後継ぎの葛藤。
北海道の東部に位置し、北海道の中では比較的雪が少ない地域といわれている中標津町。大自然を存分に感じることができ、酪農が盛んな町として有名である一方で、羽田空港と新千歳空港の2路線に就航している根室中標津空港を有しており交通アクセスも良好な町です。そして空港から車で約15分のところには、佐々木さんが経営する有限会社希望農場があります。
農家の長男として生まれ、生まれた瞬間から将来は”後継ぎ”といわれていた佐々木さん。広大な自然の中で育ち、中学生くらいまでは「自分は将来農家を継ぐんだろうな~」となんとなく思っていたといいますが、ある日突然「農家なんてやりたくない!」という感情に変わったといいます。
「小さい頃はとにかく外で遊ぶ毎日で、友達と自転車で何キロも走って。本当は、野球をやりたかったけど人数が集まらなくて、剣道をずっとやっていました。当時はまだJRがあり、親には農業系の高校への進学を進められたんですが、片道1時間くらいはかかるので通いたくなくて。農業系の大学に行くということにして、高校は普通科に行きました(笑)ただ、その頃は世の中のこともわからず、後継ぎ以外の選択肢もなくて」と話します。
今は大人になって時代も変わりつつあって、職業選択の自由とか夢に向かって羽ばたくことの大切さとかが浸透しつつあると思いますが、「そもそも世の中にどんな職業があって、職業選択の自由というけど、そもそも選択肢がない子どもたちも多いかも」と感じるといいます。
佐々木さんは高校卒業後、農家以外の仕事にも興味を持ち、一時期は就職活動もしましたが、世の中にどんな仕事があるのかを知る機会が少なかったため、農家以外の仕事のイメージが湧かず、結果、北海道立農業大学校の2次募集を受験。見事合格し、実家を出て2年間の全寮制の学生生活が始まったといいます。
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