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Metashape standard 版でも地形情報を出力する裏ワザ【山岳DX2】

前回は、Metashape standard 版でオルソ画像を出力する方法をご紹介しました。しかしオルソ画像を出力しただけでは、そこがどのような地形なのかを窺い知ることが出来ず、物足りなさを感じた方もいるのではないでしょうか。せっかく3次元モデルを作ったのですから、オルソ画像だけでなく地形情報も出力したいところです。

地形情報を出力したい!

SfM-MVS ソフトウェアを代表する agisoft の「Metashape」ですが、廉価版であるstandard 版には残念なことに DEM や DSM 、等高線といった地形情報を出力する機能はついていません。そのため、そういった地形情報を出力するには3Dモデルを出力してから CloudCompare などの別ソフトに取り込んで点群データを作成してから DEM や等高線を出力する、もしくは Metashape professional 版Autodesk などの高度(&高価)なソフトウェアを使う必要があります。

しかし、実はちょっとした工夫をすれば Metashape standard 版でも簡易的な地形情報を出力することができますので、今回はその方法をご紹介します。


オクルージョンマップの出力

前回と同じデータを使用しますが、今回はここから「オクルージョンマップ(※)」利用することで、地形情報を出力します。

※オクルージョンマップは、モデルのどの部分が、どれくらいの強さの間接照明を受けるか、を設定するために使用されます。間接光は環境光と反射から発生し、裂け目や折り目のようなモデルの急な凹部では間接光をあまり受けません。

https://docs.unity3d.com/ja/2018.4/Manual/StandardShaderMaterialParameterOcclusionMap.html


①まずは前回と同様にモデルを複製します。


②そして複製したモデルで「ワークフロー」からテクスチャーを作り直します。

その際、「テスチャの種類」を「オクルージョンマップ」に変更し、「マッピングモード:」を「オルソ画像」にします。

処理が終了すると、何やら白っぽいモデルが出来上がります。


③次にそのテクスチャーをエクスポートします。その際、なぜか分かりませんが、上部のメニューバーの「ファイル→エクスポート」からでないとテクスチャーをエクスポートできない仕様になっているようです。

そこから先は前回と同様です。ファイルの種類を「.png」して、「アルファチャンネルを書き込む」にチェックをいれておきます。すると背景が透明になって使い勝手が良いでしょう。


④こうして出力されたとテクスチャー画像を開いて見ると、オクルージョンマップがオルソ画像のようになっています。

拡大して見ると、段差や傾斜、凹凸のあるところが影のような表現になっているので、なんとなく地形を判別することができます。


⑤このオクルージョンマップをそのまま利用してもよいのですが、このままだとそこが土なのか岩なのか、植生があるのかなどの属性が分かりませんね。そこで前回作成したオルソ画像と組み合わせみてみましょう。例えば、オクルージョンマップの上に透過させたオルソ画像を重ね合わせてみます。

オルソ画像を上にして 不透明度50% 合成モードは通常

オクルージョンマップをその下に

こうすると、ただのオルソ画像よりも地形情報が判読しやすいオルソ画像が出来上がります。あとはお好みに合わせて色や合成モード、パラメーターを調整して自分好みをオルソ画像を試してみましょう。


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