近自然登山道工法について知りたければこれを読んでください。
近自然工法について語る時に欠かせない人物がいます。それは福留脩文(ふくどめしゅうぶん)大先生です。福留先生は1980年代にスイスで近自然工法に出会います。一度、破壊された自然を取り戻すには多くの年月が必要です。これを土木技術を使って自然の発展を阻害する障害を取り除いて、その成長を助けるのが近自然工法です。スイスでは主に河川工事に取り入られていました。福留先生は日本でも近自然河川工法を普及させるため、西日本科学技術研究所を立ち上げたのでした。
1995年頃、福留先生が屋久島で近自然河川工法の講演を行なった時、会場にいた人が「これは登山道に使える」と考えたことで、登山道との関わりが始まりました。屋久島で登山道整備を手がけた後、北海道大雪山の愛山渓(2006.8AR日記、2007.8AR日記)や山梨県の瑞牆山などで近自然登山道の施工が試験的に行われました。その後、各地で取り入れられ、試行錯誤を繰り返しながら徐々にノウハウが蓄積されてきました。
山を歩くときは、景色だけでなく、足元の登山道にも注目してみてはいかがでしょうか?一見、人の手が加わったと思えない所。そこは、近自然登山道かもしれません。ということで、近自然登山道工法に関する資料を集めました。
近自然登山道工法
著者:福留 脩文
発行日:2003年7月