トレイルデザイン-Appendix A
(2021/1/24)「Appalachian Mountain Club」追加
Associations
アメリカのトレイルについて調べていると、各地に「○○○ Trail Association」等といったトレイルを管理する団体があることが分かります。例えば日本の場合、登山道や自然公園は自治体や山岳会が維持管理してきたことが多いわけですが、昨今はその仕組みを継続することが難しくなっています。そのような状況で、日本の山岳コミュティや自然公園コミュニティはどうしていくべきなのでしょうか?
トレイルデザイン実践ガイドでは主に「サスティナブルトレイル」に代表される物理的でテクニカルなハード面について紹介してきました。しかし、それだけでは「真のサスティナブルトレイル(True Trail Sustainability)」は実現できません。「社会(Socially)」、つまりトレイルや公園を管理運営していく仕組みや哲学、考え方といったソフト面も学んでいく必要があります。そのヒントが各地の Trail Association にあるのではないでしょうか。ここで、主だった団体をいくつか紹介しておきます。
三大ロングトレイル
■Appalachian Trail Conservancy
■Pacific Crest Trail Association
■Continental Divide Trail Coalition
各地域
■Appalachian Mountain Club
■North Country Trail Association
■California State Parks
■VOLUNTEERS FOR OUTDOOR COLORADO
■New York-New Jersey Trail Conference
■Washington Trail Association
■Florida Trail Association
その他
■Professional TrailBuilders Association
■The Student Conservation Association
■American Trails
■American Hiking Society
Our Work
こういった団体の活動を見ていると、その運営方針や理念、活動目的に共通したものがあることが分かります。たとえば前述の「Washington Trail Association」の”Our Work(私たちの仕事)"というところには次のように書かれています。
OUR WORK
Empowering Hikers
Protecting Trails
Connecting the Next Generation
これを見た時に思い出されたのが「日本山岳遺産基金」です。日本山岳基金の活動の目的の方向性が、同じような内容となっているのです。つまり「山を守り」「人を育て」そしてそれを「次の世代に引き継ぐ」ことです。
日本山岳遺産基金
美しい山を次世代に―
日本の山々が持つ豊かな自然・文化を次世代に継承していくために設立した基金です。「次世代育成」「山岳環境保全」「安全登山啓発」の3つをテーマに活動を展開しています。
日本山岳遺産基金では、毎年”日本山岳遺産”として山岳保全などに取り組む地域や団体を認定し、助成金を出しています。資金難に苦しむ各地の団体にとっては少しでもお金が入るのはありがたいことです。また何よりも、あまり世間に知られることのなかった自分たちの活動が、外から認められることは大変な励みになると思います。
しかし助成金といってもわずかなものですし、継続的なものではないので、根本的な問題解決にはなりません。しかし、これをきっかけに各地で山を守る人々のことを知り、支援してれる人が増えてくれればと思います。
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