トレイルデザイン-Let's Design Trails !
トレイルデザインとはなんぞや?
まずこちらの図をご覧下さい。ここにとある「山」があります。あなたはある日、ひょんなことからこの山にトレイルを作る事業に携わることになりました。あなたはこの山にどのようなトレイルを作りますか?自分の好きなようにして構いません。ちょっと考えてみて下さい。
直登トレイル
例えば「最短距離で山頂にたどり着きたい」と思った方はこんな感じに、山頂へ直登するトレイルを描いたかもしれません。距離も短いので、予算が抑えられ、自然破壊も最小限で済みます。
スイッチバックトレイル
でも「直登はちょっとキツい・・・」という方は、このようにスイッチバックさせるトレイルを描いたかもしれません。
お花畑トレイル
「ただ、山に登るだけではつまらない。せっかくだからお花畑の写真も撮りたい」という方は、ちょっと距離は長くなりますが、お花畑を通るトレイルにするかもしれません。
ラウンドトレイル
「同じ道を帰るのはつまらない」と、行きと帰りで違う道を使うラウンドタイプのトレイルというのもありでしょう。また、この方がすれ違いが少なく快適に歩けるかもしれません
ハイキングトレイル
そもそも山頂に立つ必要があるのでしょうか?「山頂には興味ありません。お花畑をのんびりハイキングしたい」という方もいるかもしれません。また、この方が予算も少なくて済みそうでし、維持管理も楽そうです。
多目的トレイル
「山はみんなの物だ!」と、いろいろな人が楽しめるように、山頂コース・お花畑コース・森の散策コースと、いくつかのコースを用意するのもいいかもしれません。でも、ちょっと予算が膨らみそうですね。
サスティナブルトレイル
さあ、これがトレイルデザインです。どんなトレイルを作りたいか?訪れた人にどんな体験をして欲しいか?どんなユーザー向けのトレイルにするのか?予算はいくらあるのか?考えるべき事はたくさんあります。
もちろん”正しい答え”はありません。百人いれば百通りのトレイルができあがると思います。どんなトレイルを目指すのかによって答えは変わってきます。
このトレイルデザイン実践ガイドで目指す方向性は決まっています。それは「サスティナブル」なトレイルです。つまり「持続可能な」トレイルです。トレイルの持続可能性とはいったいどういうことでしょうか?この「サスティナブル」という視点からこの山のトレイルをデザインすると、例えばこのようなトレイルが考えられます。
サスティナブルトレイル
なぜこのようなトレイルになるのか?この「トレイルデザイン実践ガイド」を読んで頂くと、その答えが見えてくると思います。
アメリカを中心として世界中でこの「サスティナブルトレイル」という考え方が広く知られ、実践されています。例えばアメリカでは3大ロングトレイル(AT 3,498km、PCT 4,260km、CDT 5,100km)があるくらい、長大なトレイルが作られ維持管理され続けています。なぜそんなことが可能なのでしょうか?その答えの一つがサスティナブルトレイルです。
例えばアメリカのトレイルについては今まで、”予算”や”システム”、”ボランティア”、”カルチャー”などについてはよく語られてきました。この「トレイルデザイン実践ガイド」では、今まで日本ではあまり語られることのなかったサスティナブルトレイルという考えについて紹介していきたいと思います。