トレイルデザイン-Stone Staircase
(2020.12.20)加筆
Trail Structure Working with Native Stone Webinar
アメリカのトレイルでは実に見事な石階段が見られます。今回は自然石で作る階段「Stone Staircase(石階段)」の作り方を、NYNJ の webinar から見ていきたいと思います。
Native Stone
まず、Native Stone(自然石)を使うことの利点を抑えておきましょう。
■自然石を使うメリット
・どこにでもある
・タダ
・耐久性がある
・持続可能
・トレイルに運ぶのが近い
素材として Timber(木材)もよく使われますが、木材はコストがかかること、荷揚げする必要がある、耐用年数が(石より)短い、といった点は自然石の方が優れています。ただし、自然石による施工にも短所があります。
■自然石を使うデメリット
・重い
・施工に時間がかかる
・不規則な施工になるため難しい
・採取できないこともある
・影響の大きい場所で石を切り出す必要がある(安全性・ダメージ)
なお、動画では直線的なまっ平な石が使われています。当然ながら自然の状態でこのような石はありません。では、どうするのかというと、大きい石を切り出しているのです。場合によっては火薬を使って破壊したりすることもあるようです。この辺りの自然石の扱い方は、日本人からするとちょっと乱暴に感じるかもしれませんが、石工の技術はとても高いように感じます。もちろん、自然石を上手に組んでいるケースもあります。
Stone Staircase
では、石階段の基本的な構造を見ていきましょう。石階段は大きく分けて「Base Step」、「Gargoyle」、「Step」3つの要素で構成されています。
・Base Step
・Gargoyle(Scree)
・Step
■Step
「Step」は文字通りで踏面になる部分です。施工のポイントとしては、上下のステップが重なるように置くことです(オーバーラップさせる)。また、ステップは両サイドのガーゴイルと接するようにします。階段のサイズは下記を基準としましょう。
高さ 150~200mm(6~8ich)
長さ 280mm~450(11~18inch)
幅 450mm~(18inch~)
■Gargoyle
Gargoyle は階段の構造を支える役割とともに、利用者の踏み外し防止の役割もあります(Screeとも呼ばれているようです)。また、これにより流水による階段脇の土壌の浸食も防げるのだと思います。
施工のポイントはガーゴイルは少なくとも、上下のガーゴイルとスッテプとの3点が接するようにすることです。
■Base Step
一番下のステップの下は砂利などで保護します。他のステップと同じように石を使っても良いですが、その場合は地面に埋めて段差がないようにしましょう。これにより、水や降りてくる利用者の衝撃による侵食を防止することができます。
ポイント
石を扱う時のポイントの一つとして、埋めるときは中央をちょっと深く掘ることです。そうすると、石の周辺の端っこで支える形になるので石が安定します。逆に平にしてしまうと、ちょっと出っ張りがあるだけでシーソーのようにテコの力が働いて、石が不安定になってしまいます。
その他
動画ではこの他にも石を使った構造物の説明がありますので、興味がある方は見てみてはいかがでしょうか。
Steppingstone
Stone Tuenpike
Water Bar
Rock Culvert
Retaining Wall
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