アディロンダック山岳会について知りたければ。
皆さんは Adirondack Mountain Club をご存知でしょうか?おそらくほとんどの人が知らないでしょう。今年、たまたま注目される機会がありましたが、それまで私も知りませんでしたし、今でも良く分かっていません。ただ、日本の「山岳会」とはだいぶ違うようだ、ということはなんとなく分かります。
しかし、おそらく、たぶん、 Adirondack Mountain Club が特別な存在というわけではなく、アメリカには各地にこのような団体が存在しているのだと思います。
Adirondack
せっかくなのでアディロンダックのエピソードを。時は1800年代、アメリカ西部ではヨセミテやイエローストンが国立公園になろうとしていた頃、東部でも自然保護の動きが起きていました。当時のニューヨークはヨーロッパからの移民が増え、人々は癒しの場を求めていました。そこで、ゴミ捨て場だった場所を埋め立て公園を作りました。それが、その後の都市公園のモデルともなったセントラルパークです。
そんな中、ニューヨーク北部のアディロンダック山地も開拓の危機に見舞われてました。アディロンダック山地を守るため、1872年にニューヨーク州立公園委員会が発足され、山地を州立公園にするための調査が始められました。その結果、自然保護のためだけでなくハドソン川の水の確保のためにも、この山地を守る必要があることが判明したのです。しかし木材業者からの反発が強く、すぐに実現には至りませんでした。
1880年代になると、ハドソン川の水位が実際に低下し始めました。そして、1885年、ニューヨーク州知事は29万hにおよぶ「森林保全地域」の設立に合意。1891年には念願の「州立公園」に格上げされ、翌年の1892年にはその面積が121万hに広げられました。
そして1922年には、「Adirondack Mountain Club」が設立され、100年経った今でも活動を続けられ、会員数は30,000人を超えています。
アディロンダック公園と保護林の展開
著者:伊藤 太一
発行日:1993年
アディロンダック山地国立公園設置提案の意義
著者:伊藤 太一
発行日:1994年
Motivations of Trail Volunteers of the Adirondack Mountain Club
著者:Tasuku Kamei, Tetsuya Aikoh and Robert L Ryan
発行日:2016年
山岳性自然公園における登山道整備ボランティアの活動意識
ー大雪山とアディロンダックを事例としてー
著者:亀井 佑矩
発行日:2017年
登山者の意識と山岳性公園の持続可能な利用と管理運営
著者:愛甲 哲也
発行日:2018年
登山道の荒廃に登山者は何ができるか
~日本山岳遺産サミット特別講演より~
著者:日本山岳基金
発行日:2020年