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言葉の旬。 2016.12.21
大阪は晴れ。MEBICの5週連続講座が終わった。ホテルから見上げる空。
いつの間にか、言葉の人である。いやいや、ずっとそうだったと言うべきか。子どもの頃から、作文は得意だったが、大学を中退し、家業を手伝い、公務員になり損ね、紆余曲折を経てコピーライターになったのが、30歳。天職と思った。作文で暮らせるなんてね。
その後、なんの因果か、モノから始まりすべてに関わるプロデューサー稼業となっても、あらゆるプロセスで「言葉化」が大きな推進力となる事例をたくさん見てきた。企画書、会議、そして表現。言霊と言うけれど、ぼんやりしたイメージ、微細な感覚、未踏のアイデアが、言葉を纏うとたちまち命を宿す。これは近頃、今更ながら身に染みている事実だ。
もう随分前、知人が僕にこう言った。「人工知能が発達すれば、シーンに合わせたコピーを考えてくれるんじゃないか」。面白い指摘だったが、即座に違うと思った。言葉を紡ぐ作業はマニュアル化はできない。語感の変遷に加えて、シーンに合う組み合わせ、そのタイミング。そこにはきっと旬があって、言葉化とは、その旬をすくい取る知恵のことなのだ。
大阪から福岡に戻り、そのままひろかわ新編集へ。今回は商品開発のレクチャーを。
・林間に立つウバユリ。枯れてはいない。命を蓄えているのだもの。