異風者と風雅人。 2020.2.14
あんたは、いひゅうかねー。これは、生前の祖母が、小学生の頃まで、僕に向かってよく言っていた言葉。佐賀弁である。標準語に直せば、あなたは変わってるね。ということだ。いひゅうかが異風かで、いひゅうもんが異風者だと知ったのは、ずいぶん後だった。
子どもの頃は、自分を普通だと思っていたが、その後徐々に祖母評を自覚する羽目になる。偏屈で孤立している訳でもなく、いたずらが過剰だったり、知能指数と成績のバランスがまったく取れていなかったり。いつの間にか親戚中でそんな位置づけになってしまった。でも、当てる漢字を知って、少し嬉しく、誇らしくなった。異風者、いい表現じゃないか。
40歳を超えて、福岡県のはずれにある過疎の村に移住した頃、この近隣で使われる言葉に風雅人というのを知った。僕が好む個性派の多くが、地元ではそう呼ばれていたのだ。僕も、酔狂な移住を「あんたも風雅人やな」などと言われてにやついたものだ。異風者、風雅人。どちらも僕にとっては尊称だ。これからもこの道を行く。しかし、そんなに変わってる?