琥珀色 6 ezory 2020年3月3日 08:29 浜辺で琥珀を拾っていた時期がある、 一度目は、鉱物に詳しい方に教わった。 石炭の破片が漂着する場所には、小指の爪の半分ほどの琥珀も混ざっていることがあるのだ。講師料はラーメン一杯だった。 それからたまに、一人で探すようになった。三十分くらいやれば一個は見つかる。収穫物は洗って小瓶に貯めた。 中身が三分の一くらいになった時、私は結婚してその土地を離れた。 まだ手元にある小瓶を、たまに日に透かす。 価値は特にないけれど、柔らかな、本当の琥珀色が見える。 #短文バトル ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #短文バトル 6