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ジャズ行脚 18/47 @千葉
新年明けてもおめでたいと思わないが、今年もよろしくお願いします。
昨年の頻度には及ばずともジャズ旅行は継続予定。
1月の3連休使ってダラダラ関東回っていた。
今回はその一部、松戸(千葉)のジャズ行脚。
・松戸駅周辺散策
JR松戸駅の東口に出てみたらそこは空中回廊のように張り巡らされた歩道橋の上だった。
「どこへ行くにもとりあえず歩道橋渡ってね」という松戸市さんからのメッセージは理解できたが、出た場所がよくなかったのかそもそも歩道橋から降りる階段すら見つからず、結局イトーヨーカドーに突撃して店内のエスカレータ利用して地上に脱出するという、ちょっとしたオノボリを発動してしまった。
まあそれはいいとして、お昼時に松戸中華そば 富田食堂さんを訪問。
当地の人気店のようで行列に並ぶことになったが回転率は良く、すぐ座席に着くことができた。
つけ麺旨い。薬味の柚が良い香りを出していた。
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食後の胃腸を動かすために松戸中央公園に向かった。
地図上はそこまで遠くないはずなのに公園に向かう道が見当たらねえ。探し当てた最短ルートがこれ(↓)。
心臓破りの階段。季節外れのオールスター感謝祭。
走るのはそこそこ得意だけど登るのは苦手っす、、、
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ちなみに車道から進むルートは地獄坂と呼ぶらしい。
どっちも地獄だよ。
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松戸中央公園に到着。
寒空のなかテニスコートで汗を流す団体あり。
近年では珍しく軟式球の使用が認められているのであろう、広場でキャッチボールしている二人組あり。
子供たちがのびのびと遊べる広大なスペースが確保されている良い公園。
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園内の樹木の多くが剪定されていたのが妙に気になった。
景観のため?
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・松戸市民劇場(ジャズ鑑賞)
駅の西口から徒歩数分のところにある松戸市民劇場を訪問。
Swing Smile Jazz Orchestraさんの単独ライブを鑑賞しにきた。
2023年に発足した新進気鋭のビッグバンドさんで、記念すべき初の定期演奏会とのこと。この場を借りて、開催おめでとうございます。
バンドリーダさんが前口上で『松戸市民の希望の星になりたい』と仰っていたのが格好良かった。
演奏者に負けず劣らず観客も相当の気合の入りようで、キャパ300人ほどの会場が開演前から超満員。座席を取れなかった70名ほどが無念にも退場されていた。
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さて演奏について、1部がどちらかというと映画/ミュージカル音楽系、2部がそれ以外の王道ジャズといった構成であった。
▶第1部
1曲目のOn The Sunny Side of The Street以降は、「慕情」「浪路はるかに」など知らない曲が次々と登場。たぶん年配の方にはなじみのある曲たちなのだろう、少々世代ギャップに嵌った。
前半が終わり休憩に入ったころには曲を思い返すよりも挿入元の映画の内容のほうが気になっちゃったりしていたが、音楽にとどまらない発見を求めるのがジャズ行脚の醍醐味でもあるので、これでよいのである。
1部の最後に演奏された「愛情物語(To Love Again)」の始まりが妙に聞き覚えのメロだなあと思ったら、原曲がフレデリク・ショパンのノクターンらしく、その形式どおりクラシック×ジャズでスクラムを組んだ興味深い曲であった。ちなみにショパンと分かった瞬間、子犬のワルツを弾けるようになりたいと思って結局断念したガキの頃の自分を思い起こしてしまったのである。ピアノが得意な人、尊敬する。
▶第2部
Shiny Stockingsが素晴らしかった。
ジャズを愛する皆様にはベタと言われてしまうが敢えてここで推したい。
どこが好きかといえば、Count Baieらしいミディアムテンポで聴きやすさを追究されたメロディであること、トゥッティを含め音量のメリハリがあってノリやすいこと。特に後半部分にあるTpソロのシェイク込みのパワフルな演奏→落ち着いたピアノソロ→静かな全合奏→賑やかに大合奏というジェットコースターのような落差のあるメロディの繋がりが最高。
このほかは、Sammy Nesticoが手掛けたMarguerite(Marguariteとどっちがが正しいスペルかわからん)、Hay Burner(Heyではないよ)など。
ついにBasie Straight Aheadのアルバム収録曲のうちジャズ行脚で聴いていないのはMagic Fleaだけとなった。学バンでしかお目にかかれなそうだなあ。
▶ほか
演奏の合間に発する司会者(バンドリーダ)の語りがとにかく雄弁。
各曲の背景や作曲者の生い立ちだけでなく、当時のジャズプレイヤーどうしの昔の会話/やり取りといった小ネタなど、ネットで調べ齧った程度では仕入れられないようなエピソードトークも盛りだくさん。
私もジャズ好きなら、もっといろんな書籍を読み漁って学んだ方がいいのかもと考え出した瞬間であった。
あと、こういうのを一般的になんて呼んだらいいのか分からないのだが、オヤジギャグ(失礼)よりも1段グレードの高い、いわゆる”紳士の笑い”というか、とにかく各コマの最後を必ず笑いで落とす話芸が素晴らしかった。例えば、無料で鑑賞できる今回の初ライブが喜ばしいことに満席となり 感”無量”(”無料”だけに)とか。いや、これはオヤジギャグか・・・
全体的にリズムセクション(特に、よくホーン隊に音をかき消されがちなPf、Gt)の音が常にハッキリ聞こえたのが特徴的だった。
普段リズム隊の人間である私は、ジャズ業界先輩方の演奏から学びを得るため縁の下のパートを集中して見聞きする癖があるため、これまでよりも神経をつかわずリラックスして聴けたことの喜びがあった。
ビッグバンドの性質上どうしてもホーン隊の影に隠れる印象の強いリズム隊だが、実際にはどのパートも重要な役割を持つ&大変格好の良い楽器なので音楽やジャズを始めたい人はぜひ関心を持って同楽器に手を伸ばしてもらいたい。なんなら他の音楽ジャンルでも食っていけるし。
結成1年と思えないベテランのような安定感のある素敵な演奏。
ご盛会でした。
Swing Smile Jazz Orchestraさんありがとうございました。
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以上
(次回 ジャズ行脚 19/47 @長崎 に続く)