ジャズ行脚 17/47 @山口
山口観光だし秋芳洞行ったんだろ〜?とか思った貴方は不正解です。往年の旅行客のルートを追随しようなんて思いはございません。ジャズ会場までの道中で図らずも巡り合った場所を語ることこそ、私の記事の付加価値になると勝手に思っている(ハート少なめなやつの記事なんて価値ないだろとかいうツッコミはおっ、お控えください)。
というわけで、基本的にはジャズ/ビッグバンドに関心のある方か、スマホ/PCを利き手じゃないほうでいじれるほどにヒマ、なんなら足で触る余裕すらありますという方のみ、このページをスクロールすることをお勧めします。そうでない方でもお付き合いいただけるのであればご期待に添えたいと思っておりますが、あくまで思うだけです。
・山口駅周辺 散策
山口駅まで来るのにバスやら電車やら乗り継いだが特に面白いイベントはなかったのでほほ省く。
唯一、電車で車窓からうっとり外の景色を眺めていたら撮り鉄さん達に激写されてしまい(自意識過剰)、私のキメ顔写真(自意識過剰)がSNSやブログにブロードキャストされる可能性がある点だけ幸先怪しかった。個人情報はやっぱ出したくねえからね。
まずは駅の出口から北にまっすぐ進む。
米屋町商店街に入ってみた。
写真だとシャッターだらけに見えるが実際には多数の店が営業していた。なんか地元の高校生が農産物の出店もしていた。大変だよな土曜日なのに。
全体的に見た感じ、店舗側は元気。しかし客足がイマイチ追いついていない様相。訪問した時間帯が早すぎたか、天候不良によるものと思うことにする。
主にマダムとか紳士にウケそうな店舗が並んでいた。客も年配者が多め。後から現地行って分かったことだが、若い人たちはどちらかというと娯楽施設の多い湯田温泉エリアの方で楽しんでいる模様。
次は昼飯。汁なし担々麺 階杉さん。
山口駅から県庁を結ぶ道路上で唯一、昼食・軽食に適した食事処に思えた。
大盛りにすれば良かったなあと後悔しつつも、味は最高に美味かった。1辛~5辛で調整できるので万人にウケると思う。
そういえば益田でも食べた気が。中国地方って汁なし担々麺に強いのかね。
担々麺屋からさらに奥に進むと今度は市を代表する文化施設たちがお出迎えしてくれる。しかし結果はこうなった。
調査不足もいいとこで出鼻をくじかれたが、博物館の近くにあったモニュメントと噴水のコラボがなかなかに迫力あっておもろかったのでヨシとする。
・山口県庁(ジャズ行脚)
念のため言っておくがもちろん県庁の職場にズカズカ乗り込んだわけではない。
訪問したのは職員さんが普段利用しないであろう旧舎(旧庁舎棟、旧議会棟)のみである。それぞれに資料館があり、さらに後者はジャズのライブ会場もある。
まず旧庁舎棟。
旧議会棟と合わせて、正式には山口県政資料館と呼ぶらしい。バックの山々とのコントラストで映える、美しい建造物であった。
館内の一定の区画が一般客向けに開放されており、山口県の特産、芸術(ものづくり)などの展示物を無料で見学することができる。
学校の地理や歴史で列島単位に学ぶことはあっても山口に特化して勉強することはないので良い機会になった。
個人的には大内人形のまん丸とした工芸品が可愛くて好き。写真は無いのでググってください。
続いて旧議会棟。
こちらがジャズライブ会場なのだが、同時にペルー展というものが開かれていた。日本人がペルーに移住し始めて125周年を祝うチャリティバザーであった。山口県にはペルー山口学校があるらしく、支援元であるペルー協会、およびジャズ実行委員会の共催により毎年この場所でジャズライブが開かれているとのこと。
ペルーといえばフジモリ大統領とクラウディオ・ピサーロしか知らない。
こういった背景を不勉強のまま来てしまい申し訳ない気持ちだった。
演奏会の時間がやってきた。運営の方から丁重にお出迎えいただき、無事チケットも入手。
夢交流ホールと呼ばれる国指定の重要文化財での開催。内装が美しい。壇上で演奏できるのなんか良いな。
そして、立ち見客が出てくるほどの超満員。
今回鑑賞させていただいたのはStar Dust Big Bandさん。
リーダ曰くメンバーの新陳代謝が激しいバンドだそう。新しい人員が加入したり若返りが進むのはバンド存続においてとても良いこと。一方、メンバーの離脱が発生するほどパートを揃えるのに苦労しやすい。という旨を、ポジティブな説明の隙間に現れる僅かな声色から、感じ取った。特にホーンセクションとか常に同じ数いないとだから大変だよね。
演奏について、特に印象に残った曲は2つ。
1曲目はNice ‘n’ Easy。
センター英語じゃ絶対出てこない、万が一出題されたら『今年の英語は難化した』と一部の受験失敗組が騒ぎ出しそうなほど不思議なスペリング(‘n’)の題名が特徴で、おそらくandの意なんだろうが、詳しい由来はどなたか英語得意な方にお任せします。
この曲は私も中学時代1度だけ演奏したことがあるが、他のバンド(少なくとも学バン)が披露しているのを見た記憶はなく、知名度で言えばマイナーな印象だったので、ここで聴けたのは貴重だった。
Moonlight Serenadeほど遅くなくThe Queen Beeほど速くはない中間のテンポ感で、個人的にあまり類を見かけないこの独特な速度(考え直したら普通にSatin Dollとかいっぱいあったわ。すいません)が好き。あとメインのメロディと、ゆったりした曲調の中で爆発するTpソロが猛烈に好き。つまり全部好きなのである。当然俺のために演奏してくれたわけないけど、なんだか当時のモノクロ調の思い出に塗り絵をしてくれたような、そんな美しさを表現いただいたStar Dustさんに感謝したい。特にTpソロは本当に素晴らしかったです。
印象に残った2曲目はBlack Orpheus。
知らない曲だったから、というのが建前の理由なのだが、この曲はStar Dustさんの思い入れの非常に強い1曲だったようで、そのエピソードを聞いてから曲を聴くと一層思いが伝わり、当ライブの中で最も心を動かされた瞬間でもあった。
なんかこのBlack Orpheusを通じて思ったことだが、こういうビッグバンド(に限らず、音楽全般)の演奏会って、各曲に対する思い入れとか情をもっとMCでアピールしてもいい気がした。音楽も芸術の一つだし、こういう思いで選曲しました、とか1つでもエピソードがあるだけで、利き手側はその状況や情景、メッセージを思い浮かべながら曲の視聴に強く入り込める(たとえば画家だって、『なんか知らんけど適当に描いたっす 見てください』なんて発する人はいない、、と思いたい)。なんか良い知見を得た。
曲はボサノバ調でちょっとだけ哀愁の漂うメロディラインであった。ドラムとか超リズム難しそうな曲だったのに最後まで難なく叩き切っててマジですげえってなった。子供みたいなコメントですみません。まあとにかく、1部のトリに相応しきクールでワンダフォーな1曲で、この演奏会でこの曲を演奏するための、今までStar Dustさんが積み上げた思いが鮮明に伝わりました。
その他全体通しで言えるのは、夢交流ホールとビッグバンドの相性の良さ。
特に、ライトに照らされて輝く金管楽器、ソロで壇上や中央に来たときに壁や議席に映るシルエットに対して、音楽を超えた一種の芸術作品のような印象を受けた。楽器が照らされて輝く瞬間はまさに”スターダスト”であった。
Star Dust Big Bandさんありがとうございました。
素敵なクリスマスプレゼントになりました。
また来年も盛会となりますように。
・湯田温泉街 散策
帰路の便まで余裕があったので湯田温泉の街並みも拝見することにした。
県道を挟むようにホテルや商店やらが立ち並び、活気がうかがえた。
まず向かったのは、旅行雑誌に必ず登場する狐のあしあとさん。足湯が有名だがカフェもあるらしい。しかし残念ながら定員オーバーで入場規制があったのでウィンドウショッピングして終わり。
どうしても足湯に入りたくなってしまったEasy Minor君は他の足湯を探す。ざっと見渡した感じフリーで入浴できるのは4箇所。途中で手湯とかいうのも見つけた。冬のこの時期は手も悴むのでありがたいですね。
どの足湯スペースに行ってもだいたい満員だったのだが、何度かぐるぐるするうちに『湯の香通り』にある足湯をようやく確保。この足湯は唯一車の通れない小路にあり、割と人通りも少ない場所なので落ち着いて入れる。ぼっちの方か他人に聞かれたくない話をしたいときにオススメ。
久々に長距離歩いたので一気に疲れが取れた。
終わり
(次回 ジャズ行脚 18/47 @未定 へ続く)