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ジャズ行脚 12/47 @鳥取🐪

ジャズ行脚もついに4分の1まできました。
初回が9月の上旬だったのでおよそ3か月で12県辿ったことになります。
あまりにも高頻度での旅行が続き、正直なところ財布事情が厳しくなってきたので来年からは少しペース落とそうかなと思っている次第ですが、インターバルが大きすぎると行脚らしさがなくなってしまうので難儀な課題です。まあ各都道府県のビッグバンドのスケジュールにまんま依存するので、一概にどういう頻度が妥当なのかは断定できませんが。

今回は岡山県以来の中国地方旅です。
本記事・第12回は鳥取県、次回も中国地方のとある県を巡遊します。


・鳥取駅⇒鳥取砂丘

まず特急列車を乗り継いで鳥取駅からスタート。
景色が本当に奇麗。写真撮り損ねましたけど山々に霧が立ち込めていて美しい景色でした。

まずは鳥取砂丘へ。
事前に停留所No.を調べたから良かったものの、思いのほかバス停の数が多くて調査無しでいったらちょっと迷ってたかもしれません。
砂丘活きのバスは土日だと少し便数が増えるみたいで、観光客にとっては大変助かりますね。

ディグダのせいで出番ない人(初代)

砂丘に到着。
外国人観光客が多かったです。

地理的に乾燥地帯ではないので砂漠ではなくデカい砂浜という認識ですが、やはりこういう壮大な景色やラクダさん見るとCaravanを聴きたくなる。
当日は12度と涼しい気温でした。ただし風を遮ってくれる建物がないからか風は強めだったので、人によっては気温以上に寒く感じるかもしれません。とにかく開放感は抜群でした。

雨降らないで良かった

砂丘入口付近に落書き禁止の看板あり。時代が時代なのでインスタ映え目的で落書きする人いそうですよね。
甲子園の高校球児みたく砂を持ち帰ることも禁止なのでこちらも留意。
観光は1人2人でも観光地はみんなで作るものですから、やはりルールは守りたい。観光の際の約束事はこちら

今回訪れたのは砂丘とお土産屋さんだけでしたが、他にも食事処、カフェ、眺望テラスなど楽しめる箇所は多いです。営業してなかったけど『タカハマカフェ』さんの二十世紀梨シェイクという商品がめちゃくちゃ気になった。

お土産屋さんで買った乳団子がめちゃくちゃ美味しかったです。帰宅後に関係各所へばら撒いた。いつも職場では叱られてばっかですけどこのときだけは褒められた。

顔ハメ怖すぎやろ

・鳥取駅⇒米子駅(皆生温泉)

鳥取砂丘から帰還してすぐに特急列車(スーパーおき)で米子駅へ。
今回の旅行は特急列車の乗り継ぎが多く、時間どおりの列車に乗るために観光地をキッチリ移動し続けるのが大変でした。
直前に気づいて九死に一生を得ましたが、鳥取砂丘のバスを1本でも逃したら残りの計画が全滅になるところだったのです。もちろん、そんな無茶なケツカッチンプランを企てた俺が悪いのです。

特急列車に乗車している間、停車する駅周辺の観光地とか名産とかを事細かに紹介してくれる車内アナウンスが良かった。結構勉強になりました。

趣を感じる案内札
宍道湖だったと思う

およそ2時間ほどかけて米子駅に到着。
今回のジャズ会場はこちらです。
開催まで3hほど残されており、先に米子市民センターに訪問してライブの当日券を買おうと思ったら、まさかの当日券窓口が営業時間外。入口のスタッフに訊いてみるとどうやら開始時間ギリギリまで開かない模様。残りの座席数がどれだけ残ってるかも分からないので早めに買いたい、しかし残り時間で観光もしたい、というジレンマ。

やむなく当日券の購入は後に回し、米子観光にシフト。
境港(さかいみなと)の水木しげるロードか皆生温泉(かいけおんせん)で最後まで迷いましたが、チケット購入のことが脳裏にちらついた結果、行き帰りの便数の多さを優先して皆生温泉を選びました。

命よりも時刻表のほうが大事

路線バスに乗車し、米子駅⇒皆生温泉観光センターまで移動。
なぜか一般道路がめちゃくちゃ混雑していて到着時刻が大幅に遅れてしまった。なんかイベントか渋滞かあったんですかねえ。

主張の激しすぎる蛍光色

皆生温泉エリアに到着。
日帰り温泉としては調べた限り7箇所くらいありましたが、温泉の写真のインパクトから「皆生グランドホテル 天水」を訪問。しかし運の悪いことに当日は来訪者でいっぱいでこれ以上日帰り客の受け入れはしていませんでした。無念。

これはもしかして他の温泉も同じように日帰り客は受け入れてないのか?と心配した矢先、1区画ほど東に所在する「汐の湯」さんの駐車場から出入りする車が多かったことに気づき、こっちなら日帰り温泉できるかもと移動してみたら予想大当たり。無事に入浴成功。ここの機転の良さは我ながら優れていた。

「汐の湯」さんはバスタオルつきでも¥1,000くらいで、浴場はそこそこ大きく、露天風呂は日本海を臨んで涼しい風を浴びながら湯船に浸かれ、適度にアツアツなサウナで十一月場所の大相撲を鑑賞でき、休憩場も非常に奇麗に整っており、この料金にしてはかなり良い環境の温泉でした。
ライブチケットの売り切れのことがどうしても気になり多少カラスの行水になった感は否めませんけど十分リフレッシュできました。ホテルに併設された温泉であるため宿泊客と日帰り客でごった返しでしたが入浴できないほどではないです。おすすめ。

・皆生温泉→米子市文化センター(ジャズ観賞)

入浴後は米子駅行きのバスに飛び乗り、間髪入れずホテルのチェックインを済ませ、軽装に必要のない手荷物を全て投げ飛ばしたのち、猛ダッシュで米子市文化センターへ。宿泊料の安さに目がくらんで駅から遠いホテルを選んでしまった結果、実質中距離走になってしまっていた。

館内に入ってみると既に入場待ちの観光客であふれかえっていました。米子市を代表するレインボー・ジャズ・オーケストラさんのライブだったので来客は多いだろうなとは思ってましたが、それにしてももの凄い数でした。
でも幸い売り切れはなかった。物腰の柔らかいおばちゃんから1枚購入。よかったー。
もう冬に差し掛かろうとしてるのに1人だけおかしなくらい汗かいてたのでギャッツビー2枚使った。汗といっても冷や汗の方です。

YEEEEEAH

53回目の定期演奏会ですって。すごいですよね。メンバーがバンドの存続に尽力していることもあるでしょうが、それだけ地域で愛されている証拠なのだと思います。
とにかく自分よりも年上のバンドの演奏を聴けることは大変喜ばしいこと。

今回の演奏会は2部構成、第1部はDuke Ellington、第2部はドラマ・アニメ特集でした。これまで聴いてきたジャズのほとんどがCount Basie系統だったのでDuke Ellingtonのシリーズが拝聴できたのは素直に嬉しかった。

印象に残った曲はPerdido
作曲者はプエルトリコの人です。直訳すると"失われた”らしく、一見悲哀の曲みたいな感じがするのですが、短調さや重々しい曲調ではなく寧ろ軽快で可愛らしさすら感じるナンバーです。調べてみればアメリカ南部の道路名が由来だそうなんで(出典:wikiの参考文献 24.11.30時点)、どっちかというと喜劇的な曲なんじゃねえかと予想してます。
まーとにかく、本演奏では序盤から中盤かけて披露されたトランペットとサックスの掛け合いが素晴らしかったのと、最後のTpシェイクが圧巻でした(個人的MVPシーンです)。
この曲はアップテンポ版だったりコンボバージョンで披露されるケースも多い印象で、今回初めてほぼ原曲そのままのテンポ感をビッグバンド形式で聴けるという貴重な機会でした。私も学生時代に何度も演奏してきた曲で思い入れも強かったので聴けたのが本当に嬉しかった。生音の感動はやはり格別です。

もう一曲印象に残ったのはAmad(アマド)です。
Perdidoに比べたら知名度は低いと思います。演奏されてるの今まで見たことないし、私も名前は知ってましたがどんな曲かまでは認識してませんでした。

メロディは物悲しさを感じるマイナー調です。雰囲気はアラビア風というか、そっちらへんの地域で浸透していそうな曲調に感じ取りました。
キーは全然違いますがCaravanと似たような不協和音っぽいコードが終始使われている気がして(⚫︎7♭9みたいなやつ)、こういう曲調の音聴くと服の袖から急に冷風が入り込む感覚が得られるというか、鳥肌が立って感動するというか、上手い比喩できませんでしたけど兎に角めちゃくちゃ好きなんです。すげーかっこいい曲でした。

でレインボージャズオーケストラさんの演奏そのものにフォーカスすると、なんと演奏と一緒にダンサーさんが前方で踊りを披露してくださいました。曲の雰囲気に合ったエキゾチックな衣装と艶やかなダンスが素敵でした。ソロの間はいったん下手(しもて)にはけ、テーマに戻ると再度登場する、といったメリハリある演出もよかったと思います。後のインタビュー聞いた限りこの曲はダンサーさんからのリクエストだったようで、それだけ完成度の高さを感じたのも納得です。
他にも振り付けの曲はありましたがAmadのインパクトは強かった。

紹介のついでに原曲も置いときます。↓

2部のドラマ・アニメ特集も有名どころが勢揃いで楽しかったです。
noteの記事が膨大になるので曲単位では言及しませんが、ジャズに明るくない方やお子さんでも十分に楽しめるようなセットリストに感じましたね。ビッグバンドなりのアレンジが入っても『あの曲じゃん!』っていう視点で鑑賞を楽しめる、これも音楽の醍醐味だと思います。
ジャズはそもそも触れる環境のない人には中々関心を持たれにくいコンテンツ(*1)でしょうから、こういう入りで興味持ってもらえるなら大変素敵なことですし、そういう機会を提供いただいたレインボーさんには感謝しかありません。

(*1)自己紹介でジャズ好きを公言しても誰からも掘り下げてもらえないことが多いので、新卒のキミは少し広めに『音楽が好き』と言いましょう。
まあ掘り下げられたら結局同じなんですけどね。

最後はみんなで東京ブギウギ唄って終了。
心温まる素晴らしい演奏会でした。レインボージャズオーケストラさんありがとうございました。

鳥だけに

この日は朝から夕方までまるで食事している余裕が無かったので最後は自分へのご褒美。
すし弁慶さんで握り寿司を平らげる。目の前で大将がでっかい包丁で魚をビシビシ捌いていて貫禄ありました。美味かった。

ホテルの浴場で貴重品入れのパスワードを2度も忘れるというアクシデントに見舞われたものの、砂丘、温泉、ジャズと要所は全てクリアしてトータルで見れば大成功、幸せな1日でした。
翌日のジャズ行脚に備えるべく、入浴後はベッドに吸い寄せられるように就寝。
あー楽しかった。

以上
(次回 ジャズ行脚 13/47 @島根 に続く)