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【世界の建築設計会社】KPFが手掛ける個人的に好きな建築3選

お久しぶりです。建築写真家のゴトウリョウスケです。
異動などもあり本業がここのところ忙しく、なかなか写真の活動やnoteの更新ができていませんが、個人的に好きなものをまとめるくらいならできるなと思い【世界の建築設計会社】シリーズを始めてみます。まず第一弾はKPFです。

KPFとは

Zayed International Airport, UAE

コーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツ(Kohn Pedersen Fox Associates、以下KPF)は、1976年にA. Eugene KohnWilliam PedersenSheldon Foxの3名によって設立された、世界的に著名な建築設計事務所。
本社はニューヨークに位置し、ロンドン、サンフランシスコ、上海、香港、深圳、ソウル、ベルリン、シンガポールと世界各地にオフィスを展開し多岐にわたるプロジェクトを手掛けている。

KPFの建築

International Commerce Centre, Hong Kong

KPFのデザインは、ポストモダン建築を基調としつつ様々な建築様式を取り入れており、特に超高層ビルの設計で高い評価を得ている。都市空間との調和を重視し、洗練されたデザインと高度な技術力を駆使した構造設計が特徴。単なる機能的な建築物にとどまらず、その土地の文化や歴史、周辺環境を深く考慮し、人々の生活を豊かにする建築物を創造することを目指している。

個人的に好きなKPFのプロジェクト

KPFが手掛けたプロジェクトのうち、個人的に好きなプロジェクトを5つ紹介する。

1. 六本木ヒルズ森タワー(日本、東京都)

Roppongi Hills, Tokyo

日本を代表する巨大再開発プロジェクトのシンボルである「六本木ヒルズ森タワー」387室のグランドハイアット東京、最上階には森美術館を中心とする文化施設群、1フロア約4,500㎡のオフィススペース、200以上のショップやレストランを地上54階のスペースに擁しつつ、最高レベルの耐震・制震性能を誇り、独自のエネルギープラントも備えていることから停電も起きないという正に「最強のビル」。

所在地:日本国東京都港区六本木
発注者:森ビル株式会社
施 工:大林・鹿島JV
用 途:複合施設(事務所、住宅、ホテル、店舗、美術館、映画館 他)
階 数:地上54階・地下6階、高さ238m
竣工年:2003年

2. ハドソンヤード

Hudson Yards, NY

「ハドソンヤード」は、ニューヨーク・マンハッタン西側に位置する大規模な再開発プロジェクトで、総工費約250億ドルをかけたアメリカ最大級の民間不動産開発。高層オフィスビル、ラグジュアリー住宅、商業施設「The Shops & Restaurants」、文化施設「The Shed」、展望台「Edge」などが集結し、近未来的な都市空間を創出。特に、特徴的な階段構造「Vessel」や、持続可能な都市設計が魅力で、ニューヨークの新たなランドマークとして注目を集めている。KPFが手掛けたマスタープランでは全体で16棟の超高層ビルが立つことになる。着工は2012年で2016年に1棟目の「10 Hudson Yards」が竣工。2022年に竣工した「50 Hudson Yards」には日本の三井不動産が90%出資している。

所在地:アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市
発注者:The Related Companies L.P. & Oxford Properties Group Inc.
施 工:Tutor Perini Building Corp.
用 途:複合施設(オフィス、公共空間、住宅、商業施設 他)
階 数:地上52階、高さ273m(10 Hudson Yards)
竣工年:2016年(10 Hudson Yards)

3. チャンギ空港第5ターミナル

Changi Airport Terminal 5, Singapore

「チャンギ空港第5ターミナル」は2025年上期着工予定のプロジェクトで2030年頃の完成を目指している。チャンギ空港には現在第1〜第4ターミナルまであるが、この滑走路3本を擁する第5ターミナルの完成によって年間旅客取扱能力は+5,000万人/年となり、合計で1億4,000万人/年に超拡大する。
新型コロナウイルスの教訓を活かし、第5ターミナルは必要に応じてそれぞれ小規模なサブターミナルとして小分けして運用することも可能にする設計を施している。

所在地:シンガポール
発注者:Changi Airport Group
施 工:未定
用 途:空港施設
階 数:不明
竣工年:2030頃

KPFの手掛ける建築の魅力

KPFは、世界各地で数多くのランドマークとなる建築を手掛けている。その象徴的な存在感は、ガラスやメタルを巧みに融合させた特徴的なファサードデザインによるものだと個人的には思っている。さらに、LEED認証の取得など、持続可能性を重視した設計にも力を入れており、見た目の美しさだけでなく、機能性や環境への配慮も徹底されている点も高ポイント。デザインとサステナビリティを両立させた、まさに"イケてる"建築を生み出す集団だ。

ゴトウ リョウスケ | GOTO Ryosuke
2000年、神奈川県生まれ。建築写真家/会社員。
大学在学中にフリーランスのフォトグラファーとして活動を始め、建築や都市を舞台にした写真を撮影。2023年3月には建築ファサードの幾何学的な模様に注目した写真展「 #キカガクケンチク展 」を吉祥寺で開催。現在は建設会社で勤務する傍ら、旅する建築写真家として活動中。
Instagram:https://www.instagram.com/ezlo_00

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