音楽素人のライブ後記 vol.08
aiko
Live Tour Love Like Pop vol.21
@さいたまスーパーアリーナ
2019.2.10
(6か月ぶり5回目)
さて今回は、
ライブヤリチンこと、
aikoのライブに参戦。
私もジャンキーなので
がっつり書くよ。
※ネタバレ注意
とはいえね、
aikoのライブレポは、
本物のジャンキーさん達が、
ありったけの愛を込めて書いている。
それに比べ私は、
俄かジャンキーだ。
ライブは数回程度しか行ってないし、
ファンクラブにも入っていない。
おこがましい気持ちもあるけれど
本物のジャンキーさん達に、
最大限のリスペクトを持って、
精一杯書きます。
それでも良ければ、
この先も読んでください。
※ネタバレ注意
来た人は分かると思うけど、
1曲目から、ね。
凄かった。
リリースに伴うLLPの場合は、
アルバムの1曲目が多かったりする。
でも今回はアリーナツアー。
そして20周年記念。
座席にはザイロバンドがあるから、
いきなりアッパーチューンかな。
なんて事をみんな考えていたはず。
でもこの曲が来るなんて、
誰も予想していなかったのでは。
M1. カブトムシ
はぁ。
やられた。
やられたね。
イントロが鳴った瞬間の、
会場のどよめき。
1曲目からカブトムシとは。
しかも紅白と同じ衣装で、
同じ演目。
ずるい。
始めからそんな特別感出されたら、
感情が追い付かない。
3万人の静寂の中に響く、
あの、
「忘れる」のロングトーン。
最高だったなあ。
早くもクライマックスの気分。
これは吉兆だ。
プレミアライブの幕開けに違いない。
期待値を高めるには、
十分すぎる選曲だった。
M2:ハナガサイタ
静かな余韻の中、
一転して、
最新アルバムのリード曲へ。
ザイロバンドが一斉に点灯し、
一気に会場の熱が上がる。
この曲はアレンジが本当に攻めている。
特にギターが1曲通して、
ここまで主張する曲は今までないのでは。
aikoバンドの進化を感じる曲だ。
緊張感のあるイントロから、
綺麗なAメロに入るところも良い。
それを引き立てたのが、
カブトムシというのも贅沢。
M3:雲は白リンゴは赤
はい。
来ました。
王道のライブ曲。
20周年にふさわしい曲だね。
「島やん」が産みだした、
4ビート・ホーンセクションのイントロ。
いつ聴いても最高だ。
M4:冷凍便
目立つ曲では無いかもしれないけれど、
最近のaikoを象徴する曲の1つ。
あれだけ歌詞を詰め込みながら、
ジャジーなサウンドを壊さずに、
aikoの世界観を表現できるなんて。
20年の賜物である。
なんて感心していたら、
「あたしの楽しみにしてるラジオ
水曜日の午前1時にやるの」
と替え歌にするaiko。
まさか。
いや、まさかね。
M5:冷たい嘘
好きな曲だから、
ライブで聴けて凄く嬉しかった。
何度も上下動するメロディが、
病みつきになる。
ずっと揺れていたい。
M6:かばん
これも嬉しかった。
ライブで聴くのは初めてだったから。
久しく聴いてなかったけど、
良い曲だなあ。
シンプルなメロディなのに、
細かく音程をずらす歌い方によって、
個性が飛び抜ける。
aiko節が詰まった、
15年経っても色褪せない名曲だ。
M7:三国駅
「かばん」から「三国駅」。
「夢の中のまっずぐな道」を代表する、
2曲のリレーだ。
最後に少しだけAメロをなぞってから、
「芽吹いた日々と2人の~」
とロングトーンで歌うところが、
たまらなく好き。
生で聴けるなんて、
これまた贅沢。
M8:染まる夢
MCを挟んで、
「歌います」の一言から、
「あからさま」と歌い出した。
罪悪感の歌だ。
曲調も相まって、
ふわふわした気持ちになる。
ライブ映えする曲だね。
長さも短いし。
それにしても、
変なリズムに、
変なメロディ。
なのにグルーブが出せる。
不思議だ。
M9:心日和
うさぎダンスが観れた!
恥じらいながら踊るaiko、
可愛い。
43歳でも、
まだうさぎ似合うねんなaiko。
M10:恋人
「カブトムシ」
で始まった前半戦を、
そのカップリングだった、
「恋人」で締める。
粋なセトリ。
アウトロでaikoは一旦掃けて、
衣装替えへ。
演者は
中央にある、
円形のサブステージへ。
さあ、
ここから中盤戦。
M11:Do you think about me?
「ねえ、知ってる?」
歌いだした瞬間、
思わず鳥肌が立った。
嘘だと思った。
一瞬で涙が込み上げてくる。
まさか、
まさか、
この曲が聴けるなんて。
インディーズ時代の曲で、
ジャンキーにとっても、
かなりのレア曲。
何より私の、
青春の1曲だ。
今回のツアーでも、
やっていない日もあるみたい。
これは奇跡だ。
来て良かった。
一言一言、
一音一音、
身を尽くして、
聴き入った。
歌ってくれて、
ありがとうaiko。
M12:桜の時
前の曲が終わっても、
感情の整理がつかなかったけれど、
aikoがゆるめのMCを挟んでくれたから、
少し落ち着いた。
キーボードのイントロが始まると、
すぐに会場が一体となり、
手拍子が鳴る。
どの季節に聴いても、
素敵な曲。
とりわけ今日は、
アコースティック調のアレンジが、
まだ少し遠い春を想起させるようで、
とても良かった。
M13:あたしの向こう
弾き語りで歌い始めたから、
最初なんの曲か分からなかった。
さすがに途中でバンドが入るのでは?
と思っていたら、
やっぱり。
この曲でじっとさせて、
手も振らせないなんて、
意地悪すぎるもん。
MC
「冷凍便」の歌詞は、
やっぱりフリだった。
南海キャンディーズの山ちゃんが、
客席に来ていた。
aikoが話しかけると、
ピンスポが当たる。
中央サブステージの目の前。
手を振る山ちゃん。
もちろん、
それだけじゃ終わらない。
お決まりの掛け声。
「男子!」
「イェーイ!」
「女子!」
「イェーイ!」
云々からの、
「赤メガネ!」
「イェーイ!」
1回目は聞こえなかったけど、
みんなが気を遣った2回目は、
山ちゃんの肉声が聞こえた。
でも今日はまだ終わらなかった。
もう1回掛け声を始めるaiko。
「赤メガネ!」のところで、
山ちゃんに走って近づき、
手招きする。
そしてマイクフォロー。
これは!
まさか!
「お~はようございま~す!」
うわっ!
やった!
aiko爆笑。
3万人も爆笑。
またひとつ、
奇跡に立ち会ってしまった。
会場のボルテージも一気に上がり、
次の曲へ。
M14:ストロー
良い流れのまま、
良い曲が来た。
この曲を最初に聴いた時は、
嬉しかったなあ。
20年経っても、
まだこんなに良い曲が作れるんだって。
個人的には、
毎回ライブでやってほしい。
それぐらい好きな曲の1つ。
M15:ドライブモード
立て続けに、
最新アルバムから1曲。
変な表現だけど、
シンプルにaikoっぽい曲だ。
王道の構成で、
どこか懐かしさもあるメロディ。
初心者でも、
ジャンキーでも、
安心してノレる感じが良い。
去年のALOHAでもやってたし、
最近の定番になりつつあるのかな。
なんて少し冷静に聴いていたけど…
M16:ひまわりになったら
わあ。
マジか。
思わず呟いた。
今日は本当に凄い。
この曲もやるなんて。
ジャンキーにはたまらない、
インディーズ時代の超名曲。
スクリーンには同時に、
20年を振り返る映像が、
映し出されていく。
この演出も、
ジャンキー冥利に尽きる。
何より、
aikoの歌声には、
ありったけの感謝の想いが、
詰まっていた。
痛いほどに伝わってきた。
20年経っても、
この曲を歌える幸せを、
噛みしめているように見えた。
これ以上何を望めばいいんだろう。
そう想ってしまうほど、
心が満たされてしまった。
M17:夢見る隙間
ああ。
満たされたはずなのに、
欲しがってしまう。
イントロのキメで、
身体ごとぶち抜かれる。
緩急と強弱のメリハリが、
快楽の沼へと引きずり込む。
「夢見る隙間も残ってない」
本当にそんな気分だ。
なんというパワー。
その勢いのまま、
アンコール前の最後の曲が始まる。
M18:ホーム
くうぅ。
納得のラスト。
このタイミングで「ホーム」は、
絶妙すぎる。
ワクワクしたり、
淋しくなったり、
ライブで体験する様々な感情が、
この曲には詰まっている気がする。
特にAメロ・Bメロが、
美しくて、
切なくて、
aikoの声質に、
ぴったりとはまっているから、
ぐっと心を掴まれてしまう。
ここまでの18曲をハイライトするには、
持ってこいの曲だ。
完璧なセトリ。
でもまだ、
ライブが終わらないなんて。
この先にどんな景色があろうと、
もっとaikoを好きになる。
そんな想いで、
明転を待っていた。
En1:メドレー
ナキ・ムシ~今度までには~
プラマイ~えりあし~
嘆きのキス~あした~
恋のスーパーボール~花火~
Loveletter~二人
aikoのライブ名物メドレーを、
アンコールに取っていたとは。
贅の極み。
いつもながら、
こんなに多くの曲を
聞かせくれるメドレーは、
aiko以外のライブでは無いと思う。
しかも、
ツアーごとにセトリが違うだけでなく、
ツアーの中でも、
日によってセトリが異なる。
全体のセトリも、
メドレーのセトリもだ。
aikoバンドの、
プロ意識と、
エンターテイナーとしての気概に、
圧倒されるばかりだ。
曲の感想は長くなるから省くけど、
曲名を見ればわかるよね。
En2:キスする前に
お洒落。
センスある。
メドレーの後に、
アンコールの2曲目に、
キスする前に。
すごく良い選曲。
メドレーの余韻と、
この曲が漂わす色香とが、
妙にしっくりくる。
好きな曲のまだ知らない顔を見れて、
終始にやついてしまっていた。
En3:be master of life
終わる。
ついに終わる。
フィナーレにふさわしい曲。
最後にして、
最大の見せ場がやってくる。
今日のaikoは、
神がかっていた。
とにかく走っては歌い、
走っては歌う。
ここまでも、
ずっと走っているのに、
まだ走る。
圧巻だったのは、
大サビだ。
「私は何があっても生きる」
の後に、
100m近い花道を、
全力疾走。
メインステージに辿り着くと、
大きく一歩を踏み下ろしたのを合図に、
「だ・か・ら」
と歌いだす。
そのまま、
ステージに倒れこみながらも、
必死に力を振り絞り、
全身全霊で歌い上げる。
呼吸は全く乱れていない。
そして歌いきった瞬間、
大きく息を吐き、
張りつめていた身体を、
弛緩させた。
誰が見ても分かるぐらい、
全ての力と心を、
尽くしていた。
どれだけの努力と、
強い想いがあれば、
あのパフォーマンスができるのだろう。
このシーンは、
今でも一番に思い出すハイライトだ。
3万人の期待を、
aikoが越えた瞬間。
完璧だ。
完璧なライブだ。
完璧な20年だ。
バンドメンバーと共にお辞儀をし、
帰ろうとするaiko。
と思ったら、
鳴りやまない拍手と、
名前を呼ぶ声に対し、
「ちょっと待ってな、相談してくる」
だって。
思わず笑ってしまった。
自称ライブヤリチンのことだけある。
まだヤリたいのか。
まだヤレるのか。
今日は、
桁違いのプレミアライブだ。
WEn1:予告
WEn2:愛の病
WEn3:ジェット
気まぐれで3曲もやってくれる、
尽くし過ぎなaiko。
本当にありがとうaiko。
他に言葉が見つからない。
本編が終わったからか、
選曲も含めて何となく、
20周年という看板を下ろして、
純粋にライブを楽しんでいる印象を受けた。
もうこの時には、
ステージと観客席との垣根は無くなり、
aikoと一緒に、
歌って、
踊って、
今を楽しむだけ。
1つの巨大な、
至福の空間が出来上がっていた。
ずっとこの瞬間が続けばいいのに。
でもそうはいかない。
だから代わりに、
何年経っても、
aikoがステージに立てるように、
ファンで居続けようと想った。
同じことを、
3万人も想っていたはず。
ひとたび、
こんな世界を知ってしまったら、
もう戻れない。
初心者からジャンキーまで、
aikoをもっと好きになる場所。
何度も通って、
汗と涙を流したくなる場所。
何より、
aikoが一番輝く場所。
それがー?
ライブ!!