音楽素人のライブ後記 vol.14
POP ART TOWN
1st Album「SWEET! SWEET? SWEET!」
release party! 東京編
〜ONE MAN LIVE!!〜
@新宿SAMURAI
2019.11.29
(1年ぶり2回目)
キラキラ系POPミュージックバンド、
PAT。
結成以来初のワンマン。
まずは、
おめでとうございます!
150キャパとはいえ、
ちゃんとソールドさせるあたり、
素晴らしいです。
客層は若い人が多くて、
男女比も同じぐらい。
PATの真骨頂であるキャッチ―さが、
刺さるべき層に刺さっている顕れですね。
せっかくのワンマンなので、
全曲レポ、
行きます!
※ちなみに前回のレポはこちら▼
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M1:Sweet night
リリースパーティらしく、
アルバムのリード曲でスタート。
PAT御用達のディスコビートに、
派手なDTMのリフが映える、
らしさと新しさが融合したナンバー。
バッキングは比較的王道ながら、
要所要所でアタック強めのベースが、
とても良いです。
1曲目だからか、
ボーカルのなるおさんは、
少し喉が開いていない印象を受けましたが、
ご愛嬌。
後のMCで判明しましたが、
初のワンマンに
感極まってたようですね。
とはいえ曲のクオリティが高いので、
多少の粗も目を瞑れます。
フロアの熱は早くも高まって、
今夜がSweet nightになることは、
もう約束されてしまいました。
M2:tulle
アルバムどおりの2曲目、
tulle。
PATの曲は、
A→B→サビというJ-POP定番の構成が、
比較的多いですね。
先のSweet nightもそうですし、
この曲もそうです。
ただこの曲は少しだけアレンジを加えていて、
大サビ前にCメロが登場します。
この部分、
好きです。
ビート感を削り、
ドライブ感を押し出すことで、
景色の見え方を上手に変えながら、
大サビにもしっかりアプローチしていく。
そんなCメロですが、
今日のライブ、
良いグルーブ出てました。
なるおさんの声も戻ってきて、
バッキングの息も合い、
ようやくPATの音が聴けたと思える場面でした。
M3:熱帯ロマンス
アルバムの流れのまま3曲目へ。
ライブで盛り上がりやすい、
アップテンポなピコピコ曲ですね。
勢いのまま駆け抜けたけど、
せっかくのワンマンなので、
振り付けとか、
シンガロングとか、
どんどん挟んでも良かったかも。
サビの「熱帯夜」のところとか、
定番を作れそうだし。
ただ演奏するだけでなく、
初めてライブに来た人でも楽しめる工夫は、
この曲に限らず、
もっともっとやるべきでしたね。
そこは全体的に少し、
もったいなかったところです。
M4:チャイナタウン
1年前にリリースしたシングルの、
カップリングですね。
こういう売れ線のアレンジを、
さっと取り入れちゃうあたり、
器用なバンドです。
どんなセットリストにも合いそうですし、
長尺の時は特に重宝しそう。
ただ、
この小気味良さ、
単調なリズムだからこそ、
ドラムの切れ味が求められます。
残念ながらまだ、
フィルが目立つ曲になると、
物足りなさを感じる部分はありますね。
そこは今後の成長に期待です。
M5:FRIDAY NIGHT
まさにFRIDAY NIGHTの今日にピッタリの曲。
聴きやすくて、
手も振りやすい。
お客さんと一緒に育てたい、
ライブ定番曲の1つですね。
なるおさんのファルセットが良く響いていて、
印象的でした。
「踊ってる 踊ってる」のところは、
特に綺麗でしたね。
やっぱり場数を踏んでいる曲ほど、
久しぶりに聴くと、
発見が多くて嬉しいです。
M6:Summer time
MCを挟んで、
季節外しの名曲へ。
イントロで勝ち確です。
何の勝負か分かりませんが笑
でもガッツポーズしたくなるイントロって、
ありませんか?
その1つです。
グルーブの基本は、
ブレイクとキメ、
そして緩急。
これぐらい分かりやすく取り入れると、
ライブ映えもしますね。
ただ良い曲なんですけど、
歌うのが難しそうで。
なるおさんのキーだと、
サビがずっとミックスボイス気味で、
響きが出しづらそうです。
曲によってボーカルに波があるのは、
メロディラインにも問題があるのかもしれません。
ボーカルを常に引き立たせる、
メロディの方程式さえ見つけてしまえば、
PATは無敵になると思っています(笑)
M7:ドラマ
これも良い曲。
好みのアレンジです。
そして1年前のお披露目と比べて、
大分良くなっていました。
ドラマは特に、
Aメロが重要だと思っていて。
ここがもたついたり、
急かしたりしてしまうと、
全体から浮いてしまうんですよね。
この日は5人各々のリズム感が、
かなり調和していたので、
違和感もあまりなく聴けました。
でももっと上にいけますね。
好きだからこそ、
高い質を求めてしまいます。
M8:ノスタルジア
1st mini album、
「Variety」からの1曲。
ラップ調の曲に、
ノスタルジアというタイトルが付くところは、
世代ですね。
詞の絶妙な語感と、
それを支えるアンビエントなアレンジ。
ライブでも曲の良さが、
ちゃんと引き立っていました。
湿った世界観を、
造作なく表現できてしまうのは、
ただただ才能ですね。
M9:E-21
PATはダンサブルなイメージが、
先行していますが、
ミディアムな楽曲も良いんですよね。
本当に。
初期だと「City」とか、
最近だと「Petrichor」とか。
どれもすごく良いです。
そしてライブでも映えます。
特にこの日の「E-21」。
ライブ全般を通しても、
TOP3に入るパフォーマンスでした。
リズム隊が安定していたので、
泣きのサウンドも、
押しつけがましくなりません。
終始心地よい。
なるおさんの歌声にも、
説得力がありました。
こういう楽曲の幅の広さが、
PATの魅力に繋がっている気がしますね。
最高でした。
M10:City
ライブの中盤。
引き続きミディアムコースです。
この「City」。
単純そうで、
奥が深い曲です。
残念ながらまだ、
自分たちの曲にできていない感じですね。
メロが上下するので、
歌うのは大変。
あとドラム。
8ビートのリズムが、
崩れやすくなってしまう。
難易度高めです。
難しさを自覚して演奏しないと、
気付かないまま崩れていきます。
でも好きな曲なので、
臆せずチャレンジしてほしいですね。
M11:night music
なるおさんが、
初めて作詞作曲した1曲。
この日は
ベース・ドラムを抜いた、
ライブアレンジでした。
基本どの曲もメロディが良いので、
リズム隊が消えても、
十分聴きごたえがあります。
個人的には、
キーボードだけでも良かった気がしますが、
とはいえ完成度は高かったです。
1つボーカルに注文をするならば、
サビの「好きだよ」の部分と、
すぐ後のブレスは、
意識して情感を込めてほしいです。
そこがピークになるように、
Aメロから助走をつけていければ、
もっと愛される曲になると思います。
M12:Lonely Lonely
初恋をモチーフにした、
大人な冬のラブソング。
今のPATの名刺代わりとも言える、
1曲ですね。
ネオソウル、
ファンク、
AORといった、
流行りのシティポップ要素を、
PATならではのサウンドに再解釈して、
唯一無二のPOPSに仕上がっています。
パフォーマンスも良かったですね。
演者全員、
この曲を愛していることが、
伝わってくるようなライブでした。
M13:Petrichor
「SWEET! SWEET? SWEET!」の中で、
私が一番好きな曲です。
今日最も、
ライブで聴きたかった曲。
この曲の良い所、
書き尽くせないけれど、
1つ挙げるなら、
やっぱりベースかな。
ゆうださんのベース。
至高。
サビの後の間奏とか、
本当にたまらん。
ゆうださんのベースは、
PATのバッキングで一番安定していると思うし、
ライブでのグルーブ感は、
シンプルに痺れます。
ああ、
思い出すだけで、
またライブ行きたくなりますね。
M14:1LDK
PATの印象を変えるような、
ある意味、
新境地に挑戦したとも言える1曲。
不思議な曲ですね。
キラキラポップど真ん中なのに、
エアポケットがたくさんある感じ。
1番のA・Bメロはなるおさんが、
他はDr.のこーやさんが作曲したところも、
心地良い違和感に繋がっている気がします。
何より、
みんなで縦揺れできるイントロが、
ライブにぴったりでした。
M15:ノンフィクション
PATを語るうえで欠かせない、
初期からの代表曲。
満を持して今回のアルバムで、
再録されました。
でもライブを観て感じたのは、
まだまだ伸びしろがあるなと。
序盤から中盤にかけての、
不規則なリズム。
音色の掛け合いと押し引き。
乱高下するメロディ。
油断すると、
すぐずれます。
このテンポの曲を、
自由に乗りこなすようになってほしいですね。
そうすれば一気に、
次のステージへと駆け上がれるはずです。
M16:スターゲイザー
この曲が本編のラストとは、
意外でしたね。
でも、
大正解でした。
単調なリズムなのが、
逆に良かったんですかね。
グルーブが際立っていました。
それからなるおさん。
これ結構サビで高音続くんですけど、
響きも切れなかったし、
一音一音の繋がりも綺麗でしたね。
Twitterの感想を見ても、
この曲に触れている人がちらほらいたので、
やはり印象的だったのでしょう。
と思っていたら、
公式アカウントからも、
ライブ映像が公開されましたね。
すごく良いので、
ぜひ観てください。
個人的にはこの曲、
アウトロが好きです。
最後にもう1度ギアを入れていく感じ。
これライブの最後にやるなら、
ちょっと長めに引っ張りたくなる、
アウトロのやつです。
ぜひ今度はそういう遊びも、
期待したいですね。
En1:ビビデバビブ
アンコール1曲目。
MCで久しぶりにやります、
と言っていました。
定番曲じゃないんですね。
ファン投票で、
「ライブで盛り上がる曲」を聞いたら、
絶対上位に来そうな曲なのに。
シンガロングできて、
ダンサロングもできる、
パワーチューン。
ここから、
500人、
1000人、
10000人と増えていって、
みんなで歌う日が来たらいいなと、
心から思います。
En2:DOWN TOWN
初のワンマンの最後、
選んだのはこの曲でした。
メロウでジャジーなトラックが、
エンディング感を引き立てます。
そして1つ、
言わせてください。
イントロでみんなが左右に踊るやつ、
めっちゃいい。
観てない人には伝わらないけど、
あれは良かった。
なぜか2番以降やらなくなったけど、
最後まで絶対やるべき。
そしてお客さんにもやらせるべき。
細かいところかもしれないど、
観客にも楽しさが伝わるような仕掛けと、
観客と演者が一体になるような試みは、
どんどんやった方が良いです。
絶対に。
PATは曲が本当に良いからこそ、
曲の力をさらに押し上げるライブ力は、
もっともっと鍛えてほしいですね。
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というわけで、
全曲レポでした。
驚いたことに、
実はリリースした曲、
全部披露しているんですね。
まさかの全曲ワンマン。
でも中だるみとかは、
全くありませんでした。
それはひとえに、
曲の良さと、
メロディのキャッチ―さ、
アレンジの幅の広さに、
長けているからでしょう。
そしてどんな楽曲でも、
PATっぽいなと思わせてしまう、
何かがあります。
これは凄いことです。
だからこそ、
もっと大きなハコで、
もっと多くのファンと一緒に、
PATを観たいですね。
少しでもこれをきっかけに、
PATに興味を持つ人が増えればいいなと、
思っています。
ぜひ聴いてみて、
ライブに足を運んでみてください!
ではまた!