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令和の川瀬智子再評価の流れを更に焚き付けて何としても本人を呼び戻したいオタク
今、川瀬智子がY2Kや00年代リバイバルの流れを得て再注目を浴びている。
と言うか今までTommyを知らなかった層がレトロウェーブや80sエレクトロを掘り返した際にTommy february6を見つけて沼るという現象も起きているらしい
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キッカケとなったのは3年前の2021年に
デフスターレコーズ時代の過去のミュージックビデオがYouTubeに一挙公開されたのが大きく影響してると思われる
その後TikTokでアニメ版「paradise kiss」の主題歌となったTommy february6の「lonely in gorgeous」の音源が海外を中心に大ブレイクしている。
日本でも平成レトロのブームから始まり00年代のファッションや音楽シーンを見直し取り入れる流れの中で
Y2Kファッションに身を包んだTikTokの回転界隈
(自分のファッションコーディネートを紹介するためカメラに向かってクルクル回転するショート動画を投稿する界隈)を中心に
銀魂の主題歌であるTommy heavenly6の「Pray」や、ソウルイーターの主題歌「PAPER MOON」の音源が10代のY2Kファッションを好む若者を中心に多く使用されているのが見受けられ
つい最近は映画『下妻物語』が公開20周年を迎えた事で、聖地下妻ジャスコでのイベントや
渋谷PARCOでのリバイバル上映イベント等もあり
主題歌「Hey my Friend」を担当したTommy heavenly6が話題に上がると同時に
Tommy heavenly6のスモーキーメイクやゴシックかわいいファッションスタイルがY2Kギャルや地雷系、ゴスロリ好きに再注目されてる。
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また、昨年DojaCatがXに突然Tommy heavenly6のMV「Wait till I can dream」をポストしたり
TWICEのナヨンがTommy february6のルックを完コピする形でカムバックするなど
このTommy再評価現象は世界的かつ確実に波紋を広げているらしい
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そんな現状を今、川瀬智子さん本人はどう感じているのか
当の本人はというと、2021年にMILKFED.とのコラボグッズを最後に発売したっきり、そこから年々ツイートの数も減り
ついに2023年の年始を最後に更新が途絶えてしまっている。
(その時はまだTwitterなのでXではなくTwitterと表記しておきます)
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Tommy本人が自分自身を「引っ込み思案」「引きこもり」「めんどくさがり」と称している上に
インタビューやTwitterではたびたび自身が社会情勢にコンディションが左右されやすい繊細な部分があると心情を明かしており
2011年の東日本大震災の時も、10周年のタイミングと重なったのに、震災のムードに引っ張られて作品が作りづらくなったと話し
2019年のコロナウイルス流行時もライブをやろうと考えていたのが白紙になり、そのまま心が折れてしまったと語っていたので
何か行動を起こすにしても、たびたびそのタイミングを社会情勢に邪魔され足を引っ張られていたために
すっかりやる気を失なって表に出てこなくなってしまったのかもしれない。
そんなTommyを、どうしたら再び現代に呼び戻す事ができるのだろうか。
ファンとしては、この、川瀬智子再評価の流れに乗って、何としてもTommyに返り咲いてほしい気持ちがあり、そのために何が出来るのかを考える日々である。
と、言う訳で
少しでも川瀬智子再評価の流れを焚き付ける燃料になればと、今回Tommyに関するnoteを書く事にした。
ブリグリ川瀬智子およびTommy february6/Tommy heavenly6とはどのような存在か、彼女が日本の音楽業界や青文字系ファッションシーン、カワイイカルチャーに残した功績を時系列に解説したいと思う。
⚫︎90年代、ブリグリとしてデビュー
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川瀬智子さんはthe brilliant greenというバンドのボーカルとして90年代にデビュー(97年にメジャーデビュー)し
98年に「There will be love there -愛のある場所-」をヒットさせ、そこからHEY!HEY!HEY!の常連と言えるほどTVなどでも露出を増やして90年代後半を代表するバンドとしてヒット曲を世に送り出してきた。
99年から2000年代前半にはファッション雑誌「Olive」や「zipper」「CUTiE」など原宿を中心とする青文字系ファッション雑誌の表紙を多く飾り
彼女のファッションセンスの良さは瞬く間に世間の女子の憧れとなり
音楽だけでなくファッションアイコンとしても注目を集めた。
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Tommyの時代を先取る先見の明と、その中から可愛いものだけを選び抜くセンスは凄まじく
まだ当日、日本に上陸する前だった無名の「パワーパフガールズ」にいち早く注目し、海外からグッズを大量に取り寄せ
パワーパフガールズグッズを見に纏いながら雑誌のインタビューに応じ
グッズに囲まれたピンナップを撮影し
バブルスのぬいぐるみを抱きながらカウントダウンTVで「angel song -イヴの鐘-」を歌い上げるなど
猛烈にパワーパフガールズへのラブコールを日本人で誰よりも早く送っていた
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その結果、2001年にテレビ東京で放映が始まる際にはオープニングテーマのタイアップをブリグリが勝ち取り、Tommyの影響でパワーパフガールズが日本に浸透したと言っても過言ではなかった。
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⚫︎Tommy february6の登場
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そして同年、バンド活動から離れ突如ソロデビューを果たす。
そのプロジェクトが「Tommy february6」だ
ブリリアントグリーンで見せていた鬱屈とした暗い雰囲気から一変し
ちょい根暗なアメリカン スクールガールを彷彿とさせる出で立ちに、不釣り合いなチアガールたちをバックダンサーに従えて
双極性障害とアルコール中毒と、二重人格(後のTommy heavenly6)の三重苦を抱えながら
80年代のユーロビートやエレクトロサウンドに乗せて夢みがちな乙女の心情を無表情でダルそうに歌い上げるという
ぶっとんだキャラ設定で世の中に強烈なインパクトを残した。
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Tommy february6のデビュー曲であり
ファーストシングルの「EVERYDAY AT THE BUS STOP」は今では一般的であるCD+DVDのセット販売が音楽業界で初めて行われた作品であり
続くセカンドシングル「♥KISS♥ ONE MORE TIME」では
当時の最新型電子ペットAIBOをバックダンサーに起用し、曲の中にAIBOをコントロールするための周波数の音を収録して
AIBOの前で曲を再生するとAIBOがそれを受信し曲に合わせて踊る仕掛けを組み入れ
翌年の2002年にファーストアルバムをリリースするとオリコンチャート1位を獲得し、国内で20万枚以上を売り上げ
バンドだけでなくソロプロジェクトとしても大成功を収めた。
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その後もサンリオのキキララとのコラボ
藤井隆への楽曲提供とプロデュース
「劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 烈空の訪問者デオキシス」の主題歌担当からのピカチュウコラボ
アニメ「paradise Kiss」の主題歌担当
ブライスドールとのコラボなど
可愛いものとTommyは積極的にコラボレーションやタイアップを重ねその世界観を世間にアプローチしてきた。
(中には可愛いとは真逆のデトロイト・メタル・シティのトリビュートアルバムに参加するなど、異色のコラボまで)
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ジャケット
⚫︎Tommy heavenly6の始動
Tommy february6がファーストアルバムをリリースした翌年の2003年からは
ブライトサイドのTommy february6の別人格といえる位置付けの
ダークサイドとしてTommy heavenly6を始動させる
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小悪魔的なメイクにゴシック&パンク要素を取り入れたスタイルとロック、メタル調の音楽で
Tommy february6と正反対になる世界観を表現し
映画「下妻物語」の主題歌をはじめ
アニメ「銀魂」「ソウルイーター」のオープニングテーマや
「ガンダム00」や「バクマン」のエンディングテーマなど
数々のタイアップを勝ち取りヒット曲を世に送り出した。
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また、2006年当時はまだ日本でほとんど知名度がなかったハロウィン文化に着目し
ハロウィンの10月31日にちなんで10分31秒におよぶ超大作シングル「Lollipop Candy♥BAD♥girl」を発表
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その後もTommy february6とTommy heavenly6の同時クレジットでハロウィンアルバムを2枚リリースし
2012年にはHYDEを中心に結成されたバンドHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAにも
Tommy february6とTommy heavenly6の一人二役で参加しているなど
「日本にハロウィンを持ち込んだのはTommy」と囁かれるほど音楽業界の中で1番ハロウィンに情熱を注ぎ、ハロウィン楽曲を多数発表してきた人物として知られる。
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Tommy february6とTommy heavenly6
また、2005年リリースのNANAのトリビュートアルバムや
2014年発売の美少女戦士セーラームーン20周年記念トリビュートアルバムにもTommy heavenly6として参加し
多くのアニメに関わる楽曲作品を作り上げてきた。
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PAPER MOON
⚫︎Tommyの絶妙なセレクトセンス
上記のようにTommyは
パワーパフガールズ、サンリオ、ポケモン、セーラームーン、矢沢あい作品、ブライス、キューピー(たらこ)など
可愛いの代表とも言える名だたるタイトルと
徹底的にコラボレーションをしてきた事で
自身のカワイイカルチャーの先駆者とも言えるブランディングに成功し、その認知度を広げてきた
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MVに登場する february6に扮した
たらこキューピー 通称:たらフェブ
さらに銀魂やソウルイーターといった、少年漫画の主題歌もヒットを飛ばした事で、海外でも根強い人気を誇る事になり
平成に様々な爪痕を残した結果
昨今のリバイバルブームで、当時を掘り下げた時にその存在感に注目が集まる事になったのだと思う。
そして現代に改めて、彼女の音楽、ファッション、MVを見返した時に
どれをとっても、一寸の隙もないくらい
世界観にこだわりをもって表現していた事が
当時よりも鮮明に浮き彫りになるのがわかる
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例えば、Tommy february6を"ガーリー"
Tommy heavenly6を"ゴス"と表現するのは簡単だけれど
ミュージックビデオや当時の写真などをよく分析すると
一つ一つの小物やアイテム、服などは決して可愛過ぎるロリータ服でも尖りすぎたゴスパンクスタイルでもない
個々のアイテムはとてもカジュアルなのに、彼女の絶妙なセレクトセンスによりTommy february6の甘くてかわいい世界観とTommy heavenly6のダークでゴシックな世界観が作り上げられているのがわかる。
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"カワイイ"という概念は
イコール"ダサい"とか"子供っぽい"に
結びつけられやすい紙一重な部分があるものだけれど
Tommyほど絶妙な匙加減で"カワイイ"と"オシャレ"を表立させ
さらに"甘い"と"辛い"を巧みに操る事ができる表現者は他にいないだろう。
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Unlimited Sky / Tommy heavenly6
⚫︎february6/heavenly6、海外と日本国内での認知度と評価
川瀬智子再評価の流れの中で
話題に上がりやすいのはやはりfebruary6の方である。
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日本では現35歳あたりから40代にあたる層が
"Tommy february6直撃世代"に当たり、february6派の方が多く見受けられ
あまりheavenly6の名が語られる機会は少ない
そのため"heavenly6派"の人間は少ない印象なのだが
比較的少ないように見えるTommy heavenly6派というのは主に現25歳〜30代前半世代であり
ヘヴンリー派がTommyを知ったキッカケは
やはり「銀魂」か「ソウルイーター」である
アニメの途中で流れる主題歌のCMで
ミュージッククリップが15秒ほど流れるのを見て
「なんか怖いメイクしたお姉さんが日本刀持って歌ってる」
「オズの魔法使いのドロシーがキャンディ片手に歌ってる」というイメージから入った人が
その初見のインパクトに魅せられてheavenly6派になっていると思われる(筆者はまさにコレである)
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ただ実際にはfebruary6派、heavenly6派以前に
2つのプロジェクトが同一人物のものである事が
結びついていない層もいまだに存在し
「pray」と「PAPER MOON」は知ってるし歌えるけどTommy heavenly6は知らないという人も日本には多い。
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その理由はTommy february6がデビュー当時
"HEY!HEY!HEY!"や"Matthew's Best Hit TV"
"ミュージックステーション"などに何度も繰り返し出演していたのに対し
Tommy heavenly6としてメディアに出る機会が
"カウントダウンTV"と単発の"音楽戦士"
"笑っていいとも"くらいしか無かったのもあると思われる。
やはりメディア露出の数が認知度の差を大きく分けたのは否めない
ただ、海外では逆にTommy heavenly6がかなりの人気を誇っているらしく
Spotifyのリスナー数はheavenly6の方が february6よりも4万人近く多かったり
YouTubeの楽曲再生数もブリグリ、フェブラリー、ヘヴンリー3つのプロジェクトの中で
heavenly6のPrayが1番多く1751万回再生を記録している。
また、Voicify.ai(現在は「Jammable」)という
イギリス発のAIを使って音楽カバーを作成できるプラットフォームでは
Tommy heavenly6のAIだけが何故か開発され存在しており
heavenly6に様々な音楽をカバーさせる事が可能になっているなど
海外では日本以上にheavenly6ファンが多い印象を受ける。
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海外でのTommyの人気楽曲はそれぞれ
february6が「lonely in gorgeous」
heavenly6が「pray」
という感じ(現状)だが
日本の場合はセールス順に近く
february6が「EVERYDAY AT THE BUS STOP」
heavenly6は下妻物語効果で「Hey my friend」という感じがする。
やはり海外の方がアニメ文化に影響されTommyを好きになる印象は強い。
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⚫︎最近のTommyの動き
Tommyが最後に楽曲をリリースしたのは2018年の配信限定シングル
february6の「CUPCAKE ANGELS」と
heavenly6の「ICE CREAM DEVILS」だ
この2曲は何故かWikipediaにすら掲載されておらず、あまり知られていないのだが
iTunes Storeからダウンロード可能である。
この2タイトルは
TommyがプロデュースしているMILKFED.とのコラボアパレルラインのブランド名
「CUPCAKE ICE CREAM.」からそれぞれfebruary6のCUPCAKEチーム とheavenly6のICE CREAMチームのテーマソングという位置付けらしい。
自身のプロデュースするアパレルブランドの楽曲を作ってしまうのがなんともTommyらしい可愛い戦略だと思う。
あれから6年、新曲はリリースされておらず
Tommy自身も表舞台やSNSにも顔を出す気配が無いが
実は密かに水面下ではTommyを感じる動きがあったのだ
1つはアイドルへの作詞定期だ
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スターダストプロモーション所属の
アイドルグループ「ukka(うっか)」が
2022年11月に発売したメジャーデビューミニアルバムに
なんとTommy february6が作詞提供している。
これは今までTommyが他のアーティストへしてきた楽曲提供と少し異なり
作曲が夫の奥田俊作ではない
そこがファンとしては気になる点だが
Tommyがukkaに作詞を提供した「killer Lips」という曲は
やはり聴いてみるとTommy february6の世界観を感じ取れるものになっており
奥田俊作以外の人間が作曲した曲であっても
詞だけでTommy february6に染める事ができる事を知って感動した。
Tommyは自身のSNSでもこの件について告知や触れる事は一切せず
ファンは音楽ナタリーなどのメディアの報道でこの件を知ったのだが
どんなカタチであれ、Tommyが筆をとり詞を書いたという事実が2022年に知れただけでファンにとっては大きな希望となった。
また、さらにコレは本人はおろかニュースサイトにも報じられていないのだが
今年の8月(というかつい先月)
いままでSpotifyやApple Musicに無かったTommyのディスコグラフィーが究極追加されたのだ
本人やレーベルはもちろんこの件を把握しているハズなので
各種音楽ストリーミングサービスやYouTubeなどで再生回数やリスナーの数が本人のやる気を動かす動機になるかもしれないと考えると
ファンとしては1人でも多く布教して再生数と認知度を広め
本人が「しゃーねー、カムバックすっか」と思ってくれるように再評価の流れをさらに加速させたい気持ちだ。
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⚫︎おわりに
いつかまたTommyが私達の前に姿を現してくれる日を強く願って
勢いのままに記事を書いてしまいましたが
最後までこの記事を読んで下さった方へ
お時間を割いていただいた事にお礼を申し上げると共に
ついでなので川瀬智子再評価の焚き火に燃料を投下するつもりで
感想や一言を添えるようなカタチでこの記事をシェアしていただけたら嬉しいなと思います。
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