鼻が無いキャラクターの魅力
これも癖の一種なのでしょうか
私が好きになるキャラクターには
ある共通点があります。
それは"鼻が無い"事です。
幼少期から可愛いキャラクターが大好きで
様々なキャラを見てきました
少しだけ自分の好きなキャラクターのルーツを辿ってみます。
○ やんちゃるモンちゃ(NHK教育テレビ)
私が"鼻が無いキャラクター"に最初に惹かれたのは、1999年「おかあさんといっしょ」内で放映されていた「やんちゃるモンちゃ」でした。
普段は優しい"モンちゃ"が、とあるスイッチが入るとイタズラ好きの悪い子に変身する設定のアニメです。
サルのようなキャラクターデザインであり、クリクリした目がなんともキュート。
幼少期の私はその可愛さにテレビの前で釘付けになって見ていました
そしてなんと言っても"鼻が無い"シンプルなデザインのため、小さい子でも真似して描けるデザインであったと思います。
○ どーもくん(NHK)
こちらも1998年から誕生したNHKのマスコットキャラです
小さい頃、私はお爺ちゃんによく代々木のNHKスタジオパークに連れて行ってもらう事が多く
どーもくんが大好きでした
幼稚園でよくどーもくんのお面や絵を描いていた記憶があります
どーもくんは、キバの生えた大きな口と小さな目、茶色い体という「可愛くなりにくい」要素を持ちながらも、鼻が無いことで不思議な愛らしさを放っています。
○パワーパフガールズ(カートゥーンネットワーク)
私の人生でこれほどまで愛する作品は無いと言って良いほど、人生を捧げたアニメ
「パワーパフガールズ」はもはや"鼻が無い"キャラクターの世界的代表格と言えるのではないでしょうか
PPGのデザインは鼻も無ければ指もない、その代わり大きな目と低い頭身が特徴的です。
私は最初にパワーパフガールズを見た当時、まだ幼稚園児で、アニメも見たことが無い時に二子玉川にあるショッピングモールの輸入雑貨屋さんで3人のトーキングドールと対面しました
上記に書いた「やんちゃるモンちゃ」とデザインが似ていた事もあり
頭と目が大きく、鼻がないデザインに一目でノックアウトされてしまいました。
PPGは2001年に日本に初上陸した際にもかなりのインパクトがありましたが
たぶん1997年(パイロット版は1995年)本国アメリカでも誕生した時に衝撃が走ったのではないでしょうか
何故なら海外アニメのキャラクターの多くは必ずと言っていいほど鼻があるからです
アメリカでそれ以前に鼻の無いキャラクターと言えば
1954年からM&M'S®ミルクチョコレートのキャラクターとしてTVコマーシャルに登場したスポークスキャンディや
1963年に創作されたスマイリーフェイス
1970年代にマクドナルドのイメージキャラクターとして追加されたドナルドの仲間たち(マクドナルドファミリー)などがあります。
いずれも、鼻が無いデザインが可愛らしく目をひきますね
この様に、コマーシャルのキャラや
ディズニー映画「ふしぎの国のアリス」のヤングオイスターなど
記号的でちょい役的なポジションでは、徐々に鼻の無いキャラクターデザインが浸透していったように思えますが
それからパワーパフガールズやサウスパークなどの登場により
鼻が無いキャラクターが、スクリーンで主役を張るようになり、90年代から2000年代にかけて次世代の可愛らしさの象徴として定着していったように感じます。
パワーパフガールズは、原作者クレイグ・マクラッケンが日本のアニメの要素に強くインスパイアされて作った作品だと語っています。
考えてみると、日本の国民的アニメでも
「ちびまる子ちゃん」や「クレヨンしんちゃん」など鼻が無いですよね
その後に続くファミリーアニメの「あたしンち」も。
日本は世界の中でも"鼻が無いキャラクター大国"と言えるのではないでしょうか
個人的見解になりますが、日本で鼻が無いキャラムーブメントの火付け役になったのは
1970年代に誕生したサンリオの"キキララ(リトルツインスターズ)"なのではないかと考えています。
キキララのデザインは、それまでキティちゃんやマイメロディのような「鼻はあるけど口はない」の逆を行くデザインですよね
よく、私の親世代からは「キキララの誕生は衝撃的で、みんな夢中になる可愛さだった」という話を聞きます。
そこから1980年代になると、チアリーチャムやマロンクリームも誕生し、日本のファンシーキャラクターは鼻が無いデザインが主流になっていったように思えます。
80年代から90年代の、今で言う昭和レトロ〜平成レトロのキャラクター雑貨は、とくに鼻が無いデザインが多く目立ちます。
その波は2000年代にも引き継がれ
女児向け雑貨等を中心に平成の日本において鼻が無いキャラクターはもはやマストとなります
主な平成の鼻が無いキャラクター
・井上トロ
・ピポサル
・ぴちょんくん
・しずくちゃん
・ぷくぷくあわわちゃん
・なっとうちゃん
・ベリエ(メゾピアノ)
・中村くん(エンジェルブルー)
・アヤンキー(松浦亜弥)
・LOVE(大塚愛)
・たまごっち
・ミルモでポン!
・ミニモニ。(初期キャラデザ)
・みかんぼうや
・あまぐりちゃん
・まりもこちゃん
・ティッシュさん
・おるちゅばんえびちゅ
・ハムスター倶楽部
・ちびギャラリー
・フロッグスタイル
・グ〜チョコランタン
・チーズ一家
・うさるさん
・全力ウサギ
・やわらか戦車
・モリゾーとキッコロ
・アスキーアート(2ch AA)
・ゆっくり霊夢&ゆっくり魔理沙等……
このような、さまざまな"鼻の無いキャラクター"に触れてきた私が、現在イラストレーターとしてキャラクターを生み出す側になった今
やっぱり"鼻が無い"という条件は自分の中でキャラクターデザインのデフォルトとなっています
何故こんなにも、鼻が無いキャラクターが可愛いと思うのか
それは、やはり鼻というパーツが顔の中心に位置するため、どうしても目立つ部分であるからこそ
そこに主張を持たせない事で目の大きさや顔のフォルムなどに意識が向くからではないかと思います。
キャラクターのデザイナーさんが、皆実際にそこまで計算されているかはわかりませんが
少なくともメンヘラチャンの描き手である自分はそう分析しています。
実際、人間も鼻というのは1番コンプレックスを抱きやすい部分であるので
癒しを求めるキャラクターには、そのコンプレックスを刺激しない存在である方がより癒し効果が高い為
鼻がそもそも無い方が安心して愛でる事ができるのではないかと考えています。
鼻が無いキャラクターが好きな理由を語ってみましたが、皆様が好きなキャラクターにも、もしかしたら同じ共通点があるかもしれません。
ぜひ、お気に入りのキャラクターについてコメント欄や記事のシェア等で教えてくださると嬉しいです。