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男が好きになれないゲイ
私は16歳から29歳になる今まで
自身のセクシャリティについてゲイを自認して生きてきたのですが
最近、自分がゲイであるという枠組みを手放すことにしました
だからと言ってストレート(女性を好きになる)という話ではなく…
自分自身にセクシャリティを当てはめるのを辞めた、というのが正しいです。
私は生まれつきゲイだった訳ではなく
元はストレートでしたが
16歳の時に男性と関係を持ってから
恋愛対象のスイッチが男性に切り替わり
ゲイとしての道を歩む様になりました
それから、若いうちに経験を積んでおこうと
いろいろな出会いを得て人並みに恋愛を経験してはみたものの
ゲイの世界で経験を積めば積むほど"男性に対して感情が冷めていく"感覚を覚えました。
事実として、ゲイの世界では"ヤリモク"と呼ばれる体目当ての人が多く目立ってしまい
真面目な心の繋がりを重視した出会いを求める人が少ないように感じられる世界なのですが
14年ゲイとして生きてきて、何となく
そういった人が多い理由がわかった気がします
それは
"相手に人間性を求める事を諦めている"のではないかという事。
浮気をするのはゲイの世界に限った話ではなく、男女の恋愛においてもある事ですが
私も草の根を分けて見つけ出した「こんなに誠実で紳士な人は見たことがない」という印象を覚えた人であっても
最終的に浮気をするという事実を知って、びっくりしました。
そして同じ様な体験談をいろいろな人から聞くたびに
「あ、もしかしてゲイの世界にヤリモクが多いのは、元は真面目に出会いを探していた人達がことごとく人間不信に落ち入り、誠実な関係を築く事を諦めたからなのでは」という推測に辿り着きました。
また、私自身
付き合いはじめは気持ちが薄かったのに
時間と共に相手に情が湧いて真剣に好きになり
大恋愛に発展するというパターンはあったのですが
冷静に過去を振り返った時に
"人間として尊敬できる男性に1人も出会った事がない"
"ゲイであるのに、男性の内面を好きになれた試しが無い"
という事に気づいてしまいました
女性の事を性的対象として見ることは無いのですが
今までの人生を振り返ってみた時に
一緒に時間を共有していて心から楽しいと感じられるのも、人としてリスペクトできるのも、全員女性の友達でした。
男性の"外見"は好きになれるけど
男性の"中身"は全く好きになれない
女性の"外見"は興味がないけど
女性の"内面"はとっても好きになれる
このチグハグな状態を俯瞰して見た時に
自分をゲイというカテゴリに当てはめて良いのか疑問に感じるようになりました
ただ、一つ確実に感じたのは
自分から"ゲイ"という看板を外したら
"ゲイの恋愛市場から離脱できて気持ちが軽くなる"であろうという事
ゲイ=男性の恋人を作る という固定意識が自分には酷くしんどい事であると感じた時に
ゲイという看板を自ら外して
一緒に居て楽しい時間を共有できる人の事を人間として尊敬して、人間として好きでいよう。という結論に達しました。
セクシャリティがある事で、どこか恋愛市場に並べられている感覚があるから
"恋愛をしなければいけない"という気持ちになってしまう
セクシャリティなど自分に設けなければ、相手がどんな性別であれ、ただ一緒に居て楽しく心が穏やかでいれる関係を大切にしていれば良いんだというシンプルな考えを持つことができると思いました。
多様性やLGBTQといった言葉が徐々に広まり、理解を深めている一方で
私はLGBTQというラベルを自分に貼り続けなくても良いんだ、という気付きが
同じような気持ちを抱える人の気持ちを軽くするキッカケになればと思い、今回noteで共有させていただく事にしました。
自分の生き方を見つめ直したことで、これからも新しい発見や変化があるかもしれません。その時にはまたnoteで共有していきたいと思います。
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