衝撃の鯛めし
私はそんなにグルメではなくて
胃袋を満たせれば何でもいいとさえ思っている節がある。
なので、行列の店には絶対並ばない。
こんなに行列ができるなんて、絶対美味しい店やん!ってゆう期待値により上がったハードルをこえるだけでも大変なのに、さらにこの待ち時間がマイナスになるのに、勝てそうにない。
だからといって、すいているお店のくせに、努力を怠っているような店は許せない。
この見極めはとても難しく、外観で判断するのは不可能に近い。
昨秋のこと
客もいなくて、ショーケースに並んだ食べ物も見栄えが良くなく、スタッフの対応もそんなにという、入る前から圧倒的劣勢のお店に行った。
というのも、ただ一点とても強いプラスの要素があったから。
そう、海のすぐ近くで、海鮮系のお店。
これはもう、他色々ダメでも味さえ良ければ勝ちの判定貰えるっしょってことで
ショーケースに並んだ鯛めしと思しきパックを指差し購入。
外のプラッチックの椅子に腰掛け食すことにした。
完全勝利を確信しつつ、最悪でも引き分けだろうと思いながら、ご飯を口に運んだ矢先、気づいた時にはもう負けていた。
衝撃の味だった。
これは鯛めしなのか?
想像を絶した。悪い意味で。
調理法としては、薄く切った鯛に酢をバシャバシャとかけただけのお手軽レシピ。
調味料は酢のみ。
ちなみに、「愛情」みたいな精神的調味料も一切入ってなかった。
多分、使用されている酢は「バイオレン酢」だと思う。
これほどまでに狂気を感じた料理は無い。
私は生まれて初めて料理から、憎しみとか、妬みや嫉みみたいな負の感情を受け取った。
これは、いいのか?
こんな商売成り立つのか?
それでも存続しているということは、鯛飯以外がめちゃうまなのかもしれない。
そう思うと、また行かなければならない。必然的にリピやん。また食べに行きます。いつか。