英会話講師から見た「伸びる人と伸びない人の違い」
英会話講師を22年以上やっている中で、同じ教え方をしても英語学習者の伸び率にに大きな差が出ることを実感しています。
教える側から見た英会話が伸びる人と伸びない人の違いを書いてみますので、英語学習の参考にしていただけると幸いです。
取り上げる学習者のレベルですが、上級者はすでに英会話ができるのでここでは省き、主に初級と中級学習者について書いてみますね。
まず、意外に伸び率に関係してくるのが学習者の性格的な傾向です。
結論を先に言うと、素直な人ほど伸びます!
理由は「素直だから」笑。
えっじゃあ自分は意地っぱりだから素質がないんだ…と思わないで下さい。素直な性格でなくとも、そのことを認識してポイントを抑えて学習すればOKです。
伸びる人
それぞれ具体的に説明します。
文をきっちり考える前に口が開く人
つまり考え過ぎない人。
間違えを恐れずに、これでいいのかな?と思いながらもともかく色々言ってみる人は伸びます。
発音が伝わらなかったり、文法が正確でなかったり、単語のいい間違えなど、たくさんの間違いをしてトライアンドエラーの中でステップアップするのが語学だからです。
自分の英語に自信がないと心理的に難しいかもしれませんが、頭の中で文章を完全に組み立ててから英語を口にするのは時間の無駄です。
まず主語 + 動詞でスタートを切って、そこから後を続けるということを意識してみてください。
間違えることを恥ずかしがらず、ともかく伝えたいという熱意から、どんどん英語を口に出してみるチャレンジ精神のある人は間違いなく伸びます。
鬼のように音読を実行する人
私が強調したいのが音読の重要性です。ひたすら音読に専念する人は必ず伸びると断言できます!
単語やフレーズ、文法を習っても、その部分だけのぶつ切りの知識だけだと実際の会話で使えないですよね。
まとまった文章を声に出して何度も読むことで、単語と単語の間をつないでいる前置詞などが考えなくても自然に出てくる様になるんです。
生徒さんで、レッスンで使ったショートストーリーを毎晩寝る前に10回音読することを日課にした女性は爆伸びし、TOEIC800点を達成しました。
「ほとんどの〜」は英語で most ~ または almost all ~ ですが、almost ~ だと思っている人が多いです。ほとんどの日本人、と言いたくて almost Japanese と言ってしまうわけですが、これだと「限りなく日本人に近いけど完全には日本人ではない人」みたいな感じなっちゃいます。笑
音読をよくするようになると、自分で almost Japanese と言った時や、聞いた時に何だかしっくりこないヘンな感じがする様になります。この英語の勘を養うのに音読はもってこいだと思います。
自分でイニシアチブを握る人
オンラインレッスンを受けるとか、英会話スクールに通うとか、Youtube 動画を見るとか、英語の勉強方法は様々ですが、受け身でないことが上達のポイントです。
新しい表現が出てきたら様々な使い方や例文を見てみる、自分で例文を作ってみる、疑問に思ったことは自分でまず調べる、その上で詳しい人に聞いてみる、など与えられることをただやるのではなく、自分から積極的に働きかける人は伸びます。
英会話の生徒さんで、ご自分の趣味のイギリスドラマを視聴して、わからない部分をリストアップして調べ、その上でレッスン時に質問されていた女性は、例外なく上達しました。
ブレずに続ける人
言うまでもないですが、語学は簡単には上達しません。丹念に時間をかけて勉強し、気がつくと少し階段を上がっていて、それまでわからなかった英語が聞こえる様になったり、自分の思いを伝えられる様になったり、と本当に亀の歩みです。
少しやって結果が出ないと挫折するメンタリティでは到底マスターできないので、長期戦で構えることは絶対に必要。
教えている生徒さんでも、スタート時のレベルは別々でも、正しい方法でコツコツ辞めずに続ける人は必ず成果が出ています。英会話習得に、継続は一番大事なことの一つです。
自分できちんと調べる人
これって実は重要です。英語を勉強していると新しい単語やフレーズがどんどん出てきますよね。その場で意味を聞いたり、パッと辞書を見て意味が分かったつもりになって、すぐ次に行っていませんか。
そこで出てきた文脈の中でちらっと意味がわかったくらいでは、応用が効きません。使いこなせるようにならないと意味がないんです。ここで今後の語彙力に大きく差がつきます。
新しく出てきた単語やフレーズは、必ず使い方や例文を調べて、簡単なセンテンスを丸ごと覚えましょう。できればその単語やフレーズを使って自分で例文を作ってみると更に定着しますよ。
伸びない人
プライドが高い人
プライドが高いというのは、この場合、間違った英語を直された場合にきちんと向き合わないことです。
例えば、初級者に多い間違えで「驚いた」 というのを I surprised. だと思っている人がかなりいます。正しくは be 動詞 + surprised なので I was surprised. だと直された場合、「 あっ、was」とだけ付け加えて、サラッと流してしまい次を急ぐような感じです。
ここできちんと be 動詞 + surprised をメモして I was surprised. とフルセンテンスで言い直すことで頭に入り、次回同じ間違えをしにくくなるんですね。つまり間違えはどんどんするべきなんです。その分英語の正確さが増すことになるので。
なので、間違えを正されて恥ずかしいという気持ちは捨てた方がいいです。
いちいち「あぁ頭ではわかっているのに…」などと言い訳せずに、自分をさらけ出せる人の方が伸びます。
自己の英語レベルの認識が足りない人
相当の基礎力がないのにいきなり英語で社会問題を勉強したい、TEDのスピーチで勉強したい、映画を題材に勉強したい etc.と言う人がいますが、英会話の習得が目的の場合、お勧めしません。
生きた英語から学ぶのは確かに面白いですが、生きた表現や実践的な英語は基礎があって初めて身に付くものなので、土台になる基礎がしっかりしていない段階で難しい内容に挑戦しても地盤の緩い土地に家を建てている様なもの。
きちんとした英語力を身につけたいならば、先ずは基礎固めをやるべきです。
単語やフレーズだけを覚えても、人とのやり取りの中できちんとした文で使えなければ本当の実力がついたことにはならないですよね。
文法の細かいことに拘りすぎる人
これは受験戦争を勝ち抜いて、有名大学などを出ている人に見られる傾向なのですが、英語の全てのパーツを文法用語でわからないと先に進めないなど、理屈に激しくこだわる人は、英会話はなかなか伸びないです。
せっかく基礎力があるのにもったいない!
昔、働いていた渋谷の英会話学校で、私のプライベートレッスンを受けていた省庁勤務の男性がいました。語彙力もあり基本的な文法などバッチリ理解されていたので、あとは英語をどんどん口に出す練習を積んで慣れるだけという段階だったのですが、毎回これでもかというほど文法をほじくり返し、そちらに時間を取られ思うように進みませんでした。
もちろん大まかな文法的理解は必要ですが、ある程度基礎力があるのであれば、○○詞の○○的用法 云々というところまで細かく分析したり、このフレーズの前置詞は何故 of でなくて to なのだろうなどと考えあぐねているよりは、そういう英語表現として丸ごと覚えて口頭練習する方がずっと身に付きます。
ブロークン英語のまま低飛行を続ける人
ブロークン英語のまま何とか英語環境の中でやってこれている人は、かなり意識して正確な英語を習得しようとしないと上達が難しいです。理由は簡単で、それでサバイバルできてしまうから。
ブロークンでも伝えられる、コミュニケーションが取れるというのは素晴らしい第一歩ですが、そこからレベルアップするには、やはり基礎をしっかりやり直す必要があります。
例えば、会話の中で相手に「もっと早く言ってくれればよかったのに」と言いたいときに、should + have + 過去分詞や、I wish S + had + 過去分詞の使い方を知っていればサッと You should have told me earlier. とか I wish you had told me earlier. と出てくるはずです。
この助動詞の過去を使った could/should/might + have + 過去分詞の使い方をマスターすると表現できる範囲がグンと広がるんですね。
なので、ブロークン英語でやってきた人はそのことをしっかり認識し、文法書をおさらいするなどして、単語の羅列ではない正確な文章で言えるようフォーカスするべきです。
英会話習得に時間をかけない人
当たり前の話ですが、英会話レッスンのとき以外に勉強しない人はなかなか伸びません。これも大事なポイントです。レッスンを受けている時間以外で、どれだけ英語に触れるかが伸び率に大きく影響します。
スカイプレッスンの生徒さんで、毎回テキストの予習と復習を丁寧にやっている生徒さんがいるのですが、習ったことが定着していっています。
考えてみると、週1の英会話レッスンを受けているとしたら、1週間168時間中のたった1時間ですよね。これでは上達に時間がかかり過ぎます。
時間がなければ少なくとも復習はきちんとしないと、せっかく学習したことがどんどん抜けてしまってもったいないです。
語学は時間をかければかけるだけ出来るようになるのは当然ですが、裏を返せば、ほとんど時間を割いていない状態で上達は期待できないということです。
以上、英語が伸びる人と伸びない人のポイント10点を挙げてみました。何か当てはまる部分はありましたか?
今後、英語に関する記事を執筆していきますのでよろしくお願いします。
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