2024/07/27 学生

あと半月もすれば32歳の誕生日を迎えるというのに、いまだに寝ている最中に「学校いつからだっけ?」と思うことがある。年に数回だが。
「部活って行かなくていいんだっけ?あれもう一人は行ってたような気がする」これは夢も見る。高校時代のサッカー部のマネージャー業のことである。同級生が引退するまでいたし、卒業式にはお礼のDVDもらっているというのに。
「そういえば大学行かなきゃ」もある。一年生の夏休み以降全く行っていなかったし、19歳の時で中退してるというのに。ちなみに学校に行く夢というのは"学び直しが必要な時期"らしい。
今日は「夏休みじゃん、彼氏欲しい」だった。起きて、あっ私結婚してるし夏休みとか関係なかったわーと我に返る。浮気したいとか別の男と付き合いたいという気持ちはさらさらない。
「見込みの無い片想いなんて意味ないし、そんなに強い気持ちで好きで居る必要ない、だから彼氏欲しー。けど今夏休みじゃん。うわーどーしよー。でも夏休みほど彼氏欲しいよ〜。」
これが本日の一連の感情である。十代の女子か。十代に戻りたい、やり直したいとは思わないのだが、自分が思っている以上に遺恨は深いのだろう。彼氏が欲しいと思うのは、学生時代の自分に。学生らしいお付き合いをしてみたかった。今更どうにもならないのだが。

自分の気持ちさえあれば良かった。だから嫌われている相手をいつまでも好きだったりもした。相手が好きというよりも、自分の好意の強さに酔っていた。ぽや〜とした好き、でお付き合いが始まった時は二ヶ月ほどで別れたが、いつも自分の思考の話ばかりして相手をおざなりにした。
私に娘が居たら自分の恋愛の話もするだろうし、是が非でも学生時代のうちに彼氏ができるよう食事管理をしたり、眉を整えさせメイクも教え、脱毛も行かせるだろう。もしかすると服も買ってしまうかもしれない。年頃の娘に鬱陶しがられる自分の姿が容易に想像できる。度が過ぎれば毒親と化す。

当時は後悔のないように、自分らしくと、若さを消費していたように思うが、私が本当に欲しかったのはありふれた思い出やあどけない恋人で、願いが叶わないことを個性的に過ごすことで誤魔化していたのかもしれない。ここで"かもしれない"と断言しないのは、過去の自分が己を救うため守るために選んだ生き方を否定したくはないからである。ファッションに限って言えば今見てもあの頃の自分しか似合わないもので可愛かったし。

恋愛だけでなく諸々も思い返すと幼かったなと感じるが、その分精神を疲弊させるほど自分の思考を突き詰めたし、そのおかげで生きて世界を感じとるだけで私の人生は満ちていると感じられる心を得られた。それでいいではないか。だからもう、自分が学生であるかのような寝惚けや夢は終わってほしいのだ。

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