TOKYO2020

ちょっぴり虚しいなと思う時、いつでもわたしはご満悦なところがある。
そんな人間だから。それこそが自分らしいような気がして。
思考がふんわりして何にも制限されない自分がにょきにょき。いくらでも悲しくなったり楽しくなったりしていい。
自由は、空と同じように、表情を変える。それは美しくも虚ろだ。
虚ろだと感じるのは、それらが自然のままだから、何も残さないから。そして自分がその対極に位置するから。わたしは人工物なのだなと気付く。なにかしらカタチでありたい。意味がほしい。情けない。
東京みたいだね。
そう、田舎から上京してきたわりに、『東京』に憧れや夢や期待がない。しっくりくる。東京と名のつくものは大袈裟に感じるし、『東京』っていうフィルターは本来の東京とはかけ離れていると感じる。美化、とまでは表現しきれないけれど、ちょっと、笑っちゃうところがある。
昔は違った。『東京』とついている小説や曲にハズレはないと思っていたし、駄作にしてはいけないネーミングだと思っていた。
東京?ただの灰色な街だ。ハッタリだ。京都、なんていうとちょっと茶色に橙がかったイメージがあるが、東京なんて、灰色だ。どこまでいっても。
くすんだ街。虚ろな街。
人の産む自然。人工物だらけの景色でも、どれひとつ生きていないものはない。
ゆらつく東京。

でも、この場所は、わたしにぴったりだ。きっとみんなも。あなたにも。

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