『かいか』 ―― 人生で人は何度、花を咲かせることができるのか
2024年11月3日(日)、幕張メッセイベントホール。
神椿幕張戦線のDAY2、花譜による4th ONE-MAN LIVE「怪歌(再)」の公演がさっき終わったばかりで、その瞬間の感情を残しておこうと、パソコンと対峙しています。
この公演は、1月14日に代々木第一体育館で開催された「怪歌」の公演を再解釈し、再構築されたリビルディング公演。
代々木第一体育館の公演でなによりも観客を驚かせたのは、花譜の“もう1つの姿”として「廻花」がお披露目されたことだと思います。
その時の様子は、廻花自身の楽曲「かいか」のMVが「奥行きを持った記念写真」のような形で公開されています。
この瞬間、僕らにとって『かいか』という三文字は、様々な意味や感情が込められた、とても大きい三文字になりました。
『かいか』に込められた感情は、新しいことが始まる期待や高揚感、そして、その挑戦に挑む勇気。
もちろん前向きなものだけではなく、驚きや不安、もしかしたら恐怖だって入り混じった、誰もがその時すぐにはうまく言い表せない感情だったんじゃないかな、と思います。
今回の幕張戦線は、廻花の存在を知った上でのライブ。
「廻花」としての存在を理解することで脳みそがいっぱいいっぱいだった代々木決戦に比べ、彼女自身の音楽や、言葉、その言葉から描かれる情景をしっかりと噛みしめることができた公演になりました。
人生で人は何度、花を咲かせることができるのか
そのような中で、廻花としてのMCで繰り返される『かいか』という言葉に向き合うと、ふと「人生で人は何度、花を咲かせることができるのか」という問いを思い浮かべていました。
花譜さん自身も「花譜という名前をもらって、名前も顔もわからないあなたに出会えたこと。音楽を居場所にして、寄り添い合えたこと。」と話してるように、「花譜」という存在そのものが、一つの花が“開花”した瞬間だったのだと思います。
自分自身も過去を振り返ると、人生に絶望していたタイミングでTHINKR(当時ANSWR/2.5D)に拾ってもらった時や、独立して自分なりのチームを創りたくてCAMBRという会社を立ち上げた時、それぞれ一つ一つが何か“開花”した瞬間だったのかな、と今では思うのです。(まだまだ絶賛水やり中ですが!)
花を咲かせることができるのなら、それはもうドラマティックな人生
少し話は数ヶ月前に戻りますが、そんな花譜を擁する・KAMITSUBAKI STUDIOや、花譜に続き日本武道館公演が決定したDUSTCELLを擁する・ALLT STUDIOなど、次世代エンターテインメントにおける「新たなものづくり」を築くデザインファーム・THINKRのMBOが発表されました。
この発表では「50億の調達すげ〜!」に目が行きがちですが、個人的に衝撃的だったのは針谷さんがここを「本当のスタートライン」と言い放ったことです。
さらに「金は挑戦の為の手段であり、目標ではない」とも続けており、この発表の先に、本気で、人生をかけて、「背水の陣」とまで言い切って、モノづくりを続け、エンターテイメントで人の心を動かしていくという、確固たる決意とその舞台がようやく整ったという、大きな大きな宣言でした。
この時もまた、針谷さんにとって、THINKRにとって、大きな花が“開花”した瞬間であり、その大きな花がまわりだした瞬間だったのだと思います。
カンザキくんもそうですが、THINKRから独立した人のその後を応援してくれて、今でも良い関係を築けていることを「会社の良さ」として、仲間であるとしてくれる。
それだけでもありがたいのに、僕らが信じている「正しく合理的ではないモノづくり」が今の世の中をこれほどまで切り開き、人々をこんなにも感動させている。
そんな永遠に追いつきそうにない目標として常に先導してくれて、とてつもない刺激的な毎日を与えてくれて、僕らにとってはもうめいっぱいのドラマティックな人生を送らせてもらっています。
こんなカッコいい大人は、そうそういないです。ほんまに。
人それぞれがもつ、それぞれの『かいか』
話を幕張戦線に戻しますが、廻花として発せられた最後のMCでは、過去の葛藤や、今純粋に抱いている気持ち、そして愛溢れる想いが、とても端麗な言葉で紡がれていました。
14歳だった少女が少し大人になって「廻花」として放たれる言葉は、より等身大に近く、一言一言があまりにも美しい言葉たちでした。
そんなメッセージの後に披露された最後の楽曲「かいか」は、廻花さん自身が作詞・作曲をしています。
「かいか」という曲を通して感じたのは、“孤独な「少年少女」達の半径5メートルの世界に起こる優しい革命”は実はもう既に起きていて。
優しい革命が起きた「廻花」という存在の、さらに半径5メートルの世界にいる「少年少女」たちへと伝播していて。
あぁそうか、今まさに、少しずつでもゆっくりでも、世界を変えている最中なんだと。
そんなことを想いながら最後のMCや曲を聴いてたら、なんかもう色々ぐちゃぐちゃになって涙腺が爆発し、「感情そのもの」になっていた自分がいました。
これはあくまでも僕の人生と照らし合わせて、僕にとっての『かいか』とはなにか、ではありましたが、創る人、観測者、あらゆる人すべてに『かいか』の受け取り方があるはずです。
むしろどういったものでも、それぞれの『かいか』があってよくて、『かいか』からなにかを想うこと、なにかを感じること、それら全てに意味があるんだと思います。
それぞれが『かいか』した花が、伝播して、世界を変えていく。
そんな未来、とても素敵じゃないですか。
とりま、みんな見てくれ「神椿幕張戦線」
そんな感じで、誰に頼まれるわけでもなく、備忘録にしては膨大で片思いのラブレターのようなテキストになってしまいました。
とりあえず最高の2日間だった幕張メッセで開催された「神椿幕張戦線」は有料ですが配信で見れるんで、みんな見てくれよな!の気持ちです。
元気をもらって、おれたちの花を開花させて、まわりだしていくぞ!!!!!