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『言語ジャック』、音楽にジャックされる!篠田昌伸作曲、「創る会」演奏

久しぶりに日本へ帰ったら、嬉しいサプライズが待っていました。僕の詩集『言語ジャック』と『日本語の虜囚』に収められた7編の詩を、現代音楽の作曲家にしてピアニストでもある篠田昌伸さんが合唱曲にしてくださったのです。初演はさる2017年1月15日、Hakuju Hallにて、第25回「創る会」合唱団の演奏。

こちらが演奏風景を伝える「創る会」のホームページです。http://www1.odn.ne.jp/~clh68390/tsukurukai.html

こちらは篠田昌伸さんのホームページ。
https://ballad-filter.jimdo.com/

そのこと自体は当然事前にご連絡をいただいていたのですが、今回ついにその音源をCDでいただき、楽譜やライナーノートまで送っていただいたのです。

演奏時間は50分超、楽譜のページ数は62ページの大作です。なにしろ「新伊呂波歌」だけでも「あ」から「ん」まで五十音をひとつひとつ最初の音に持ってきたいろは歌を50首すべてに曲をつけてくださっているのですから。

ほかにも「新幹線・車内案内」だとか、母音と子音の戯れの「魚の変奏」、有名な詩作品から名詞だけを抜き出した「名詞で読む世界の名詩」など、とびきり変テコな作品を狙い撃ちするかのような過激で挑発的な選び方。

さっそく実家でCDを聴きました。集中の一篇「声 vs 文字」のなかで「声」は「文字」に向かって

<ひとりで見栄きってなよ、ずっとそこで
あたしこれから風といっしょに空へ踊りにいくんだから>

と憎まれ口を叩くのですが、まさにそんな感じ。言葉が文字から解放されて中空でぶつかり合い、もつれ合い、ひとつに溶けて……。「ことばうた」の静かな調べがひととき耳の裏でなり続けていました。

篠田さん、そして「創る会」の皆さん、素晴らしい音楽をありがとうございました!

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