アメリカの家庭事情
今までアメリカに数回訪れ、ホームステイをし
初めて会う人と交流して話を聞いていると
日本人より自分の家庭事情をあっけらかんに
話す方が多いため、驚かされることも多かった。
それと同時に、日本人はそういった家庭の話を自らする人は少ないため(特に複雑な方だと余計に)
皆言わないだけでそういう人も日本には多いはず
色んなことを想定してお話しないとなと思った記憶がある。
牧師さんのお家
私がミシガン時代にホームステイしたお家は牧師さんのお家で、そこはとても夫婦仲がよく
子どもも4人いらっしゃった。
お母さんは料理が苦手で、代わりにお父さんが手作り料理を作ってくれた記憶がある。
そのお母さんが、アメリカはほんとに離婚したり再婚したり多いから家庭環境ぐちゃぐちゃな方がマジで多いんよ
みたいなことを言っていた。
牧師さんだから、色々な方の悩みを聞いたりしているため、その類の話は沢山聞いているのであろう。
余談ではあるが、私も毎週日曜日は一緒に彼らの経営している教会へ駆り出されていたのだが、
礼拝が終わったフリータイムの時間に、牧師のお母さんの元へ駆け寄った女性がいた。
彼女はとても号泣しながらお話ししていて、私は何事かと横目で眺めていた。
家に帰ってから話を聞くと
その女性はひとり娘がおり、別の州で暮らしていたそうだ。
恐らく大学生か大学院生と言っていた
その娘と連絡が取れず、何か起きたのではと心配していた矢先に警察から連絡があったそう。
なんと交通事故に遭ってしまい、運悪く車通りがあまりない場所で木に衝突し亡くなってしまったそう。
恐らく居眠りしてしまい事故を起こしてしまったのではないかと。
車通りがない場所だったので、発見されるのに2日かかったそうでそのお話をされていた。
教会にいると本当に色んな人が来て、色んな話を聞くのそして、神のご加護があるように祈るのよと。教えてくれた
養子の話
ミシガンのホストファミリーの知り合いのご家庭の話
その一家は熱心なクリスチャン
そして母・父・娘・息子3人 そこに中国からの養子で女の子2人迎えていたご家庭だった。
小学生だった養子の1人が言ってたことが
恐らく何気なく発したことなんだろうが、
印象に残っている
そこの両親は2人とも白人
離婚・再婚もされていないため、養子の子以外はもちろん白人
中国からの養子のCちゃんが
よく家族で買い物行ったりすると、他の人が
親はどこ?とか留学生預かってるの?って親やきょうだいに聞いてくるときがあるの
でも私はいつも”違う〜私はここの家族の一員なのに”ってもどかしく思うんだよね
見た目が違うからって聞いてくるのめんどくさい
って笑いながら話していたが、慣れるまで大変だっただろうしうんざりなんだろうなと思ってしまった
いくら多様化しているアメリカでも
聞いてくる人はいるもんだ
どこの国も変わらないじゃんと思った
恐らく都会だと言われないであろうが、田舎の方だったので余計に
Cちゃんは本当に強い子だなと思ったし、
養子とはいえご家族の愛情をたくさんもらっているんだろうなと思った
また、別の老夫婦も日本人の養子を男女2人受け入れていて、娘さんと会う機会がありお話ししたが
彼女は私は日本人なんだけど、小さい頃からアメリカだから日本語は分からないのとおっしゃっていた。
日本では養子縁組は全然一般的ではないし、受け入れた方とお会いしたことはない(お話ししてないだけで、周りにいるかもだが)アメリカではとても一般的なこと。
そしてみんなその事を隠さずに、受け入れており誇らしげにお話ししていたことが印象的だった。
離婚・再婚当たり前
日本でも今でこそシングルマザーだったり、再婚は一般的になっているが
アメリカでは遥かに前からそれが一般的であった
私の最初のホストファミリーもその内の1組
マザーとファザーの年齢が10歳以上離れていて、
マザーは初婚
ファザーは2回目の結婚
ファザーと前妻の間には子供がいる
そのファザーの子供が結婚して子どもを授かり
その子どもを両親がお仕事の時はマザーが面倒をみるという感じ
実際に血の繋がりはないんだけど、マザーは子どもが大好きで元々Nannyをしていたため喜んで面倒をみていた
ちなみにマザーは自分は子どもを産めないから
代わりに義理の孫や他の子供に愛情たっぷり注いでいるって言ってた
酷い家庭環境
これは今回フロリダでお世話になったおばさんのお話
両親が彼女が中学生くらいの時に離婚し、
お父さんかお母さんどちらに着いていくか兄弟で決めなさいと言われたそう
そんなのどっちについていったらいいかなんて、
子どもに分かるわけないと当時とても困惑したと言っていた
とりあえずお母さんと暮らす事にしたそうだが、別々で暮らしていてもお父さんとは会っていたみたい。
お父さんは、デートが好きで離婚後様々な人とデートしていたらしい
その後、お父さんが再婚しおばさんはその再婚相手が心の底から苦手だったそう
そんなとき
再婚相手の連れ子と再婚相手とお父さんが
ドライブ中事故に巻き込まれて全員亡くなってしまったそう。
相手は居眠り運転で、突っ込んできたそうだ。
その後20代の頃に、彼女のお母さんは自分のお母さんの介護のためイギリスへ
(彼女のお母さんはイギリス人)
この頃何かメンタルの病気を抱えていたっぽいお母さん
その後自分のお母さんが亡くなると蒸発して消えてしまったそう
それからおばさんは、お母さんには会えていない
会いたくても会えないし、居場所が分からないんだって
スコットランドあたりにいるのではないのかという情報しか分からない
父を亡くし、母もどこかへ行ってしまい、家族が弟しかいなくなってしまったおばさん
母方の親戚が両親のいない彼女や弟に
すごく良くしてくれて、気にかけてくれているそう
それがあって本当に救われたと
私より酷い人生の人は中々いないと私に語ってくれた。
確かにおばさんはとても優しいが心に闇を抱えていそうだなと思っていた。
私も自分の両親が離婚し、母方に付き再婚していて複雑な気持ちだったことを話したら、おばさんの辛いであろう過去を話してくれた。
日本では私もこの事をあまり他人には話したことがないし、話すのはあまりよくないと思っていた。
おばさんのこの話を聞いて、
私はずっとコンプレックスだった両親のことが、今でも自分の足枷になっている事に気づいた
何かしら不安定だったり、摂食障害に陥ったり
全ては幼少期起きたこの出来事がいまだに自分の中で消化できずにいて
今まで吐き出せずに無理してフタをしていのではないかと
やはり幼少期の親子関係は後々響いてくるんだなと改めて思った
おばさんの話を受けて、私はまずは自分の気持ちを母に伝えて過去のことについてケリをつけないと前を向けないのではないかと思い
母と向き合うきっかけになった。
おばさんとのこの会話は
私の人生を変えるきっかけとなりとても感謝している。
アメリカには本当に色んな家庭があって、
もちろん両親に恵まれている方もいるけど、それ以上に複雑な家庭がある
そういうお話を聞くと、自分も幼少期大変だったけど、私と同じような人もいるんだと勇気をもらえるし、家族の形って本人達がそれで納得していれば様々でいいんだなと改めて実感させられる。
そして何より大事なのは、その事実を受け入れて向き合うこと。
日本ではこういう会話は滅多にできない。
相手にひかれてしまったり、重い話と受け止められてしまいがち
でも絶対に私のように吐き出せずに悩んでいる方やそのまま大人になって辛い思いをされている方がいるはず。
とりあえず、偏見をなくして家庭環境で人をジャッジするような事をなくしていきたい。
そしてもう少しみんなオープンに話せるようになると、
少しでも気持ちが楽になる人もいるのになと思う。
アメリカでは日本の普通が普通でないことが当たり前
みんな苦しくても向き合って受け入れて生きている人も多く、考えさせられることが日本にいる時以上に多くて勉強になる。
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