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劇団おぼんろ第20回本公演、パダラマ・ジュグラマに参加して

劇団おぼんろ第20回本公演、パダラマ・ジュグラマ。
おぼんろは観客の事を参加者と呼び、観劇する事を参加するといいます。

この情勢の中、おぼんろ、客演の語り部の皆さん、スタッフの方々のおかげで全公演見届ける事が出来た事が奇跡だったと感謝しています。

現在私は訳あって仕事を休職中です。
その立場で公演に参加することを迷いましたが「一生のうち、時間の融通がきき、全公演参加することが出来るのはこの先ないのではないか…」と考えミックスキャストで毎回公演が変わるという事も興味があり相まって、全公演参加することを決めました。

普段はあまりツイートもしないし、感想をブログに書いたりもしませんが、今回は私が生きた一生のうちの1週間を他の参加者の方とマチソワ間や公演後に語った解釈も含め記録したいなと思いました。

14公演分、毎日分を今書いて行くのは文字数的にやべぇ事になりそうなので書くか書かないかは後で考えるとして、今は全体的に思った事を書こうと思います。

まず、私がおぼんろと出会ったのは「かげつみのツミ」が初参加でそれから過去作品を映像で見た形になります。
なので、初演のパダラマ・ジュグラマは映像でしか見たことありませんでした。
過去作で一番最初に見たという刷り込みのせいなのかわかりませんが、映像と音楽がとても綺麗、過去作で一番好きかもしれない。と思い入れもあります。
と、言いつつもそこまで見尽くしてるわけでもなく、シネミュの時に改めて、好きだ…と思いました。

初日を迎えて、証明、音楽、語り部全てが揃った時、あぁ、おぼんろだ・・・と少し体に力が入った事を覚えています。
弁士タイムからの横断幕のタイトルコール。
これは、過去作の円盤を見ていた時から思っていた事だけど、タイトルを言うめぐさん、人差し指を天に突き上げ世界一楽しそうで大好き過ぎる。
あのめぐさんを見るだけで泣けてくる。

前後しますが、物語の初めからの話をすれば、2日目から始まったライトが降りてくる演出。
青いライトで侵入者を探すサーチライト、上がっていくことで幕が上がるみたいな意味をしていたんだろうけど、鉄骨でお芝居が見えなくなってしまって残念だなぁと思っていたら(アンケートにさっさと書いて見にくい!って送信してすみません)すぐに、見やすくなって、それで千秋楽までいったし、なんならきつねズのアドリブまで引き出すなんて、流石だなぁって思いました。

リンリンの熱唱シーンは3匹の表情を見る日とリンリンを見る日を作るものの、どっちも見たいんだよ!!目が足りん!!ってなるのが恒例でした。

ニワトリズとキツネズが二手に分かれて対に話が進んで行くシーンも毎回「どっちを見れば…」となっていました。

鳥肌が止まらないシーンがあって、工場長とタックのシーン。
「あなたはだれですか?」の所からのライティング、音楽、間が完璧すぎて、タックの「僕は僕でいたくなくて…」のセリフに続くところ。14回鳥肌がたった。
結局そこの伏線回収のシーンも14回鳥肌たっています。
あの場面は全てが凄いと個人的には思っていて、音楽で言えば、ギターのテクニック的な事は専門家ではないので知ったかで話をするけど、(そもそもギターでは無いかもしれん)グリスからのアルペジオ(と思っている)の感じが記憶がリバースしてるように感じる。グリス(ぎゅーんって音がしぼれる感じ)がダイヤルを捻っているようなイメージで、記憶を思い出すシーンでもグリスが入っているので記憶のダイヤルが回っているイメージがあり、めちゃんこ好きです。(これは私の勝手な解釈ですが・・・)
ライトも記憶を忘れている時は緑と青の同系色なのに、思い出した時、緑と紫っての反対色で不穏すぎる。
照明の阿部さんが拓馬さんのお母様に「上等な照明ね」と言われて「上等な物語ですから当てるだけで上等になります」と返したというツイートを拝見しました。
照明のLICHT-ERさん、康志さんの音楽、拓馬さんの脚本・演出、語り部のお芝居、全てが上等すぎて鳥肌が止まらない、お気に入りのシーンです。


初日しかなかったけど、サイコーに好きなシーンがあって、とみしょートシリモの時、タックがめんどりの真似して「私たちはコンテナに乗せられてゆくのぉぉぉぉ」とか、言ってるシーンで「そいつ、喋り方ムカつくな」って言ってとっておきの情報を教える時に「信じるかどうかは話を聞いてからにします」とタックがさっきまでのめんどりの言い方をすると「それ、お前だったのか!」とトシリモが言ったところです。
とみしょートシリモの時はそのシーンを期待し残り7日間「今日もなかった…」と言って少し残念だったけど楽しかった。

楽しいシーンの終盤として、リンリンがあそこからあそこまでのめんどりは今日出荷されるというのをトシリモにいって、その対象の座席だと、「あ、今日出荷される…」って思っていました。
そして、そのあとの最初の地獄。「畜生、惨めだ…。チクショー!!」のトシリモのセリフに「あー、私トシリモを惨めにさせてしまった…。ごめんー!」とか思いつつ(集中して見ろ!)とみしょーさん、八神さんの迫真のお芝居に心臓がギュッとなり涙する日もあったのです。
ちなみに、くぅがさんから「あそこのシーン、ドンドンドンってするところ、手はグー派ですか?パー派ですか?」と聞かれて、音的にグーかな?って思ったけどくぅがさんから言われた言葉で「はー!なるほどー!」ってなりました。
この事は本人が書くだろうから、読んでる方も考えてみてください。

これまでは印象深いシーンを上げましたが、ここからは私がお芝居を通して勝手に解釈した事です。つまり、考察や妄想のお話になります。

拓馬さんが以前ツイートしていた中に養鶏場の記事があった。↓
https://twitter.com/takumaobonro/status/1205411161375510528?s=21

この時は、現実を受け止めるのが嫌で記事をスルーした。
瑠璃さんに「過去にこんなツイート上げてたよね」って教えて貰って、ちゃんと読まねば…と思い少し長い記事だったけど読みました。
この記事も踏まえて考察をします。
リアルな話からすれば、採卵鶏と鶏肉用の養鶏は元々違うのだけど、物語の中で世界に自然の食べ物を送り出す唯一の工場がカイダムなので採卵鶏兼鶏肉だったのだろうと思います。

まず、タックとキツネズが出会うところ、「お腹がすいたなー」とタックが言うところ。
キツネズが後ろで話している時、タックがずっと手のひらを見ていて、何であれ見とるんや?って思ってずっとわからないままでした。リアル記事によると、劣悪な環境で密集して育っているため、しせき皮膚炎と言う化膿性炎症で足の裏がただれて、火傷したみたいに真っ黒になるらしい。
「それを気にしてタックは手を眺めとるんか?くそっ!しんどい!」と思っていたら、2/19のソワレのパダジュグタイムズの4コマで赤ずきん、もといタクずきんがトシリモの爪の大きさに憧れるっていうのが描かれていて、「え?もしかして、爪の大きさに憧れてたの?」って思いつつも、なぜか千穐楽も大千穐楽のめぐさんと拓馬さんが「どうも」って初めて握手したやりとりで「あ、こいつ、初めて他人に触れたんだ。そして、自分とは違う手とか、初めて触れる感覚に不思議ー?って思ってたん?」てやっと気づいたと言う…。真意は分かりませんが…

次は毎日のマチソワ間、観劇後のご飯時間で議論になったやつ。
「リンリンがオスだという事にジュンバは気づいているか」
物語から言えば、オスの姿だと殺されるからメスの格好をしている。
でも、人間から見れば、雄鶏と雌鳥の区別はつくのです。
リアル思考でいけば、ジュンバが気づかないわけはないと。現に名前も呼ぶし、抱えていた袋の存在も知っています。ただ、「そいつが探している雌鳥が見当たらない」と言うセリフがあるのでぶっちゃけどうなんだろうな。とは思います。
私的には「気づいている」と思います。

リンリンについてはいろいろ考察があります。
鶏は出荷されて行くので、数を減らさない為に有精卵が必要となり、その為のオスは数匹でいいと言われているそうです。
でもさっ!!リンリンには工場長への愛は一途でいてほしいから、その為に残されたオスだとは思いたく無い!って私の中の少ない乙女の部分が叫んでいるので、その事は考えないようにしました(笑)まぁ、現実でそうであったとしたら、リンリンは自分の立場をわきまえるのでメスの格好はしてなかっただろうと思います。(逆にスパダリ発揮してハーレム作ってそう)
リンリンがメスの格好をしなくてはいけなかったのはきっとその中に紛れ込んでしまったからかなと思います。
ちょいちょいリアルな話を突っ込みますが、ひよこのオスメスの選別は難しいと聞きます。
間違って「メス」と選別されてしまったのではないかと。
オスは生まれてすぐぶっ殺される(リンリン風)と言う事を考えれば、ある意味その境遇をすり抜けたラッキーひよこだったリンリン。ジュンバの「私を失望させるな」と言うセリフは他の鶏たちには言いません。リンリンだけに言うので、ジュンバはタックと同様リンリンにも希望を抱いていたのだと思いました。そういう意味でジュンバはリンリンを認識、しかも強く認識していると思います。
自分は格が違う…間違いなく運命をすり抜けているという点からはそうだと思います。

ラストからの話。
ラストのシーンは何度見ても心臓がバクバク言って心を持っていかれるシーンです。
私の好きなあのジュンバとタックのシーンぐらい音楽、照明、お芝居が全て完璧。
タックの笑顔と最後キラキラする照明が未来は明るい!と思わせてくれる。
がっ!しかし!!
私たちは冒頭で語り部に聴かされているのです。「小さな生き物ならば外の空気を吸うだけで命を落としてしまうようなこの世界」と…。現にリンリンはメグメの一撃が決定打になったかもしれませんが、空気汚染で咳き込んでいました。

私達は生きている事がハッピーエンドだと思ってしまう。
だけど、誰かの夢がかなった所で何もかもいかない世界なので、生きている方が辛いと考えると、タックの夢のかなったすぐにトシリモとメグメは脳天ぶち抜かれる。でも、誰かの夢が叶うという2人の夢は叶う。タックもどんどんどん様に助けて貰って外の世界に出るという夢は叶います。タックが実際に外の世界を見てどう思ったかは分かりませんが、個人的にはちゃんと世界は美しいと思ったと思いたい。月明かりに星降る夜…。しかし、空気汚染でその景色を見ながら死んでいく。リンリンの夢がかなった時に卵の殻をぶちまけるというのも、キツネズによってら叶えられてるので、「あぁ、もうみんなの夢叶ってこれ以上苦しまず、生まれ変わりは別の世界線で幸せに暮してくれ!」と思ってます。

結局地獄を見続けるのはエゴで動物を犠牲にしている人間だけ…というのを見せつけられるな…と私なりの考察をしています。
後味悪いですが…

ミックスキャストで語り部さんの事も書きたかったのですが、それはまたかけたらいいなって思います。

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