白樺派のすごさ/もしyoutuberだったら
白樺派の人たちは、自分たちが階級の上に居るということに皆大小あれど苦しんでいるということ。そのすごさ。
馬鹿お坊ちゃんって現代に一定数いるじゃないですか。親の才覚を自分のものと勘違いしてやりたい放題の。当時もそりゃあ居ただろうけど、彼らは違う。公家や官僚や実業家の家に生まれ、学習院の教育を受け、桁違いの資産を持っているくせに、階級なんてなくなれば良い、と思っている。志賀は父と対立したし、有島は北海道の土地を開放したし、武者小路は階級のないユートピア「新しき村」を創った。
それは勿論背景には、今より明確化されていた当時の日本社会の階級格差問題と、プロ文の台頭がある。彼らの理想は現実味がないとたびたび非難されるけれど、彼らは自己を世間に晒しながら誠実に社会と向き合って行動に移したインフルエンサーだった。文壇に影響を与えた、志賀は小説の神様とまで言われた。文芸で生きていった。そのことは十分な功績なのではないのですか。それでもまだ「小説なんて書いてどうするんだ」とか言うんですか?絶対にこれは志賀の、みんなのトラウマだよね。小説なんて?音楽なんて?舞踊なんて?稼げないからダメ?神にでもなったおつもり?
受験生が文学史の冊子を暗記して、白樺派という名前を覚える。フーン、武者小路。変な名前。なんとなく興味が出た何十人かがググる。へえ、新しき村。そのことだけでも世界は変わる。何度でも言おう、受験生たち、彼らが凄いのは、上流階級に居ながら階級のない理想の世界を目指し、文学と生き方で示していったインフルエンサーだということなのですよ。死んでもなお、残しれくれた記録があるお陰で現代の我々にまでインフルエンスしている。有島武郎の「宣言一つ」とか読んでください。小説じゃないけど。でも何もこれは白樺派に限ったことでなく、文学者というのは広く言えば全員そういうことです。
白樺派がyoutubeをやってくれたらバズるよ。でも志賀とかバズったことにキレそう。「馬鹿げてるね。気に入らない。」とか言って、「この態度は流石にない…」ってすぐ炎上するよ。有島はコメ欄の誹謗中傷に誰よりも病むし、木下利玄が即興歌詠みとかして、スペシャルゲスト高村光太郎は彫刻する様子とか見せてくれる。「豪華ですね!!!!」「やはりお父様の作品に似ていらっしゃいますね。」「意外な喋り方www」とか言って。はあ、文豪のyoutuber妄想だけして生きていきたいな