ICL? IPCL? 何が違うの?【眼科専門医が解説】
ICLとIPCLの違いについて:専門医が解説
こんにちは、日本眼科学会認定眼科専門医のDr.LIGHTです。
近視の治療をお考え方の中には、「ICL」や「IPCL」といった言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
これらは、近視や乱視を矯正するための視力矯正手術に用いられる特別なレンズに関するものです。名前が似ているこの2種類の眼内レンズ,どちらを選べばいいのかお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、眼科専門医の視点から、ICL(Implantable Collamer Lens)とIPCL(Implantable Phakic Contact Lens)の違いについて、わかりやすく解説します。
ICLとIPCLの共通点
まずは、ICLとIPCLに共通する特徴について見てみましょう。
眼内に挿入するレンズ
どちらも、角膜と水晶体の間(虹彩の後ろ)に挿入する眼内レンズです。レーシックとは異なり、角膜を削らずに視力を矯正する方法です。
世界中で約1億人がレーシックを受けていますが、角膜が薄い約10%の患者にはICLやIPCLが推奨されます。
さらに、角膜を削る必要がないため、手術後のドライアイの発症率が10%以下と低いことも利点です。
取り外し可能
これらのレンズは永久的に装着することを目的としていますが、必要に応じて取り外すことが可能です。例えば、視力の変化や新たな治療法が必要になった場合に対応できます。
約20年間の使用実績がある中で、取り外しが必要となったケースは全体の5%未満と報告されています。
適応条件
角膜が薄い方や、レーシックに適さない度数の強い近視・乱視を持つ方に適しています。
例えば、-10D以上の強度近視や5D以上の乱視にも適応可能です。
手術可能な年齢は18歳以上が基本ですが、安定した視力が求められるため、20歳以降が理想的とされています。
これらの共通点があるため、ICLもIPCLも安全性や利便性が高く、多くの患者さんに適応可能な治療法とされています。
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