【読了】親王殿下のパティシエール2
結構前に読み終わってたのですが、noteに書き込む時間が無かったので……。
1巻の終わりで、牛乳やバターを取り寄せることが出来たのと、仮のオーブンを仮設する話で終わりました。
これで2巻からマリーの作るお菓子の幅が広がったわけですが……。
永麟が自宅に帰ってきたということで、下働きの人たちが新たに雇い入れられました。
マリーが務める部署も例外ではなく、新たに”王厨師”という職人が加わります。腕前は”高厨師”の次席、2番目に上手いわけで、彼がやってきたことにより、和気あいあいしていたマリーの職場はギスギスします。
まず、今まで王厨師の立場にいたマリーの先輩”燕児”が一つ降格します。マリーは誰が新しく入ろうが、”フランス菓子”を清の皇族に振舞うという役割があり、立場がなんら変わらないため、神経質になった燕児と一度、衝突してしまうわけです。
マリーは段々と中華菓子作りに慣れてきましたが、餡を練ったり、餅に胡桃などを混ぜる力作業は苦戦します。そこを「女だから」と突かれるわけです。
1巻でも描かれていましたが、清は男性優位な社会、フランスは頑張れば女性でも進出(自立)できる社会なので、マリーは性別で判断されることを嫌います。嫌な所を突かれたらそりゃ喧嘩になります。
それに王厨師はマリーに陰湿ないじめをします。
マリーを空気のように扱い、直接指示を送らず、かといって自分の望む通りにしなければ激怒するという、パワーハラスメントですね。
上司である高厨師に女性であるマリーが働いている理由は聞かされている者の、王厨師がパワハラをするのは、女が厨房に立って働いているのが気に食わないから。
上司にパワハラを受け、先輩に八つ当たりを受け……。
マリーがイライラするのは当然ですね。
時代は違えど、現代にもある問題が本編で繰り広げられ、一般OLは読んでいて胃が痛くなりました。
マリーは、王厨師は何故自分のことを毛嫌いするのだろうと考えます。
一番に思いつくのは「女だから」ですね。
理由はもう一つあり、それは教会に行ってアミヨーに愚痴を話している時に教えてくれました。
ネタバレしすぎるのもあれなので、気になるかたは詳細は本編で読んでもらいたいですが、簡単に言えば”清の価値観”と”清の常識”です。フランス人には分かんねえよ!!って時代背景なので、理不尽ですねえ。
まあ、2巻は王厨師トラブルメーカーなんで、次のトラブルも彼発信で始まり、マリーに大被害が及びます。
【アーモンド騒動】と章タイトルにあるのですが、まさにその通りなわけで……。ここを転機にマリーは反省し、悔い改めるわけで。
ここでも、清の常識がマリーに立ちはだかります。
あの時代でアーモンド持ち出すと大変なことになるんだなって勉強になりました。
序盤は王厨師が来たことによって職場の空気がぶち壊されてしまうので、読んでいて気分が悪くなりました。
2巻は後半から良くなってゆきます。
まず、マリーが成長することですね。
アミヨーに清の常識が書かれた本を借りて勉強を始めたり、永麟の妹”和公”が指導に入ります。
和公の登場により、複雑な皇族の人間関係も少しずつ明らかになってゆきます。次巻で掘り下げられるであろう内容も出てきたので、続きが楽しみですね!