香港旅行~旧正月に旅をするべきか
今回の香港行きは思いつきと勢いに任せて決めた強行スケジュールだった。香港行きが頭に浮かんで以降は仕事もそこそこに、暇さえあれば香港についての情報を漁っていた。それというのも、この時期の香港は旧正月真っ只中。いわば正月休暇の日本同様の状況で、あらゆるモノ・コトが通常とは異なる動きをしているはずだが、そのイレギュラーな状況についての十分な情報が得られず、香港行きを決定するのに多少の迷いがあったのである。
ガイドブックも、ネット上のブログも、香港在住の知人に聞いても、「この時期の観光はおすすめしない」というばかり。誰も香港に行きたいこの気持ちを後押ししてくれない。香港への熱い気持ちは宙ぶらりんである。
すっかり困ってしまったので、この時期の旅行をお勧めしない理由(および不安点)を、この時期だからこそ行くべき(個人的)理由と比較してみることにした。
まずは、お勧めしない理由。
理由① 日本の正月同様あらゆる店が休業中である。また観光スポットも同様に休館しているところが多い。
理由② ホテル代、航空券が高騰している。また予約が取りにくい状況である。
理由③ 環境が通常と異なるので、バス、タクシー、電車など交通インフラやその他の環境がある程度整っているか不安。
次に、行くべき(特にこの時期に行くべき)理由
理由①旧正月のパレードが開催される(有料席は購入しなかったので鑑賞できるかは不明)
理由②正月の花火が開催される(ただしきちんと鑑賞できるかは不明)
理由③彩虹邸の取り壊しが決定した(ただし若干の猶予あり)
行くべき理由はどれも時期が限定されており、個人的に比重はかなり高め。
そこで、ポジティブな要素について考えてみた。
①休業が多いこと
今回は滞在時間が短く、また旅行の主な目的は写真撮影である。よって観光地が休みでも痛手が少ない。また私の場合は、一人旅だと食事に意識が回らないことが多く、食堂が開いていないことがあまり気にならない。
このポイントは個人差が大きいので自分の目的に合わせてよく吟味する必要がある。食べ歩き、観光地めぐりが旅の主な目的の場合、おそらくこの時期の渡航はやめるべきだろうと思う。実際あちこち休館、休業で外観だけを眺める、、、といった状況が多々あった。もしあなたが雰囲気を楽しんだり、写真撮影が趣味なら、この時期はきっと特別な写真を撮るチャンスがあるだろう。中国らしい正月飾りや花売り、イベントの装飾などがあちこちに見られた。市場でも正月飾りを売る店が多く、活気にあふれていた。
②時期限定のコスト高騰
今回の場合は行くべき主な理由が時期限定であるため、限定イベントに対する対価として諦め、なるべく余計なコストが抑えつつ、パーっと楽しむことにした。ただし本当にいろいろ高いのである程度旅費に余裕をもって、追加の出費に狼狽えないようにする心構えは必要。現地で出費を渋って事故にでも遭遇したら目も当てられないので結構重要である。私はエコ旅(かっこよく言った)が専門だが、普段からラグジュアリーな旅を専門とする方々にっとってはまったく無問題。高額だが5つ星ホテルなどは空室があった。
③通常と異なる市場状況
航空券を押さえるタイミングでは具体的な情報が不足していたが、日本の正月と香港の都会感を信じて諸々稼働していると想定。最悪タクシーはいるだろうから、コストが多めにかかることを想定して準備し、現地でなくても準備できること(SIMの用意や交通ICカード、両替など)は日本で準備して現地での負担を軽減することで解決。実際現地で交通規制や特別ルールがあったりしたので、時間には特に余裕をもって行動することが大切である。また不明点は片言でいいのでとにかく確認するようにすることが大事。現地の人も翻訳ツールなどでなんとなく回答してくれることが多い。
ということで、あれこれと思い悩んだ末、香港行きを決断した。出発日間近だったのでとりあえず航空券とホテルを確保し(費用は通常の2倍~くらい)、あとはなんとかなるさ!の精神で進めることにした。
ちなみに、ある程度のアジア渡航、居住経験があり、強行スケジュールに慣れており、英語が多少話せ、現地には最悪の場合助けを求めることができる知人がいるというアドバンテージありの境遇での決断である。初海外、若い女子の一人旅などはマシマシで危険が伴うので、旅行計画時は過剰なほどの熟考をお勧めする。一人旅は何が起こっても自己責任。楽しい旅行は万全の準備あってこそ、である。
いつもとは違う顔に出会えるイベント時期の旅行。何かと想定外も多いけれど、個人的には行って本当によかった。機会があればまたどこかのスペシャルな季節を旅してみたいと思う。