香港旅行記:予期せず彩虹邸を再訪する~グッバイ・アゲイン彩虹邸
香港に行ったのに、ぼんやりしているうちに間もなく1か月が経とうとしている。すでに記憶は薄れつつあり、これでは日記の意味がない…ということになりかねないので、早めに備忘録を書いておこう。
少し前のことになるが、今年はすでに一度、2月に香港を訪れている。
その時に熱望していた彩虹邸を訪問した。あの時は到着したのが昼をまわろうかという頃で、すでに陽は高く上り初夏のように暑い日だった。旧正月初日だというのに多くの人が思い思いに写真を撮ったり動画を撮影したりしていたが、そのほとんどは香港以外から来た外国人のようだった。さすがに人を避けて撮影するのは難しく、ほとんどの写真に人物が写りこんでいた記憶がある。その時の日記はこちら。彩虹邸の説明も簡単に記してあります。
そんな彩虹邸訪問を友人に話したところ、「ぜひ行きたい、絶対に観たい」と言ったから驚いた。なにせ友人は”映え”とは常に距離を置く、リアル全開・飾り気ゼロ人間なのである。しかも写真も興味がないと来た。それなのになぜ彩虹邸を見たいのか。意外に思い本人に聞いたところ、”インスタでよく見るから”という、ある意味最上級にシンプルで”らしい”答えが返ってきた。そんなわけで、一度は別れを告げたあの彩虹邸に、再びやってきたのである。
前回の反省から今回は朝早めに訪問した。さすがに観光客の姿はほぼなく、ヤングなボーイズが一組、控えめに写真を取り合っているだけ。他には居住者と思しき方々が思い思いに朝のひとコマを楽しんでいた。お散歩するおばあちゃんと付き添いの女性、健康のためか、ラジオから爆音を響かせウォーキングするおばさま、公園を私有地然と活用し洗濯物を干しまくる奥さまと、まさにカラフル、多種多様。これぞリアル香港、リアルライフである。
半年ほどの間に常設のバスケットゴールは壊れたのだろうか、板が取り外され、枠だけが鎮座する姿に。また中国建国75周年を祝う幕が設置されており、休暇ムード満載である。時の流れはひそかに、しかし決して止まることなく着実に進んでいるのを実感した。こうして彩虹邸も取り壊されるその日まで少しずつ姿を変えながら進んでいくのだろう。一度見て満足と思っていたが、こうして撤去までの様々な姿を、折に触れて記録できれば良いなと思った。
暑さは少し和らいできたもののまだまだ強い日差しが照り付ける香港で、汗を流しながら公園に咲いたハイビスカスっぽい花(おそらくブッソウゲという花だ)越しに見る虹色のアパートは、なんだか実物より明るく、活き活きとしているように見えた。