情報は広めない方がゲームで有利になれる?

こんにちは。紗英です。

今回は「対戦ゲームにおける情報の価値」、情報を広めることのデメリットについてのお話です。

今は誰もが情報発信ができる時代。
いろんな人が有益な情報を流し(中にはガセネタもあったりしますが)
ゲームについての知識を豊かにしてくれます。
ただ、よくよく考えてみたら発信側がデメリットを負うのではないかというのを今回の記事で考えていきます。


まずは事例の紹介。
先日更新した
ガンダム界における情報の広がり方と時代背景
の中でも軽く触れましたが、無印エクバのクアンタには立ち回りに大きく影響するバグがありました。

クアンタ2019_1024

-----------ここから次の点線までVSシリーズ知ってる人向け---------
知らない人に内容を説明しておくと
「バスターソード展開後、バスターソードを解除すると機動力が低下する」
という内容です。
開幕にバスターソードを展開してしまうと、シールドビット展開時に大きく機動力が下がるので、バスターソードを展開せずにずっと生時のクアンタで立ち回るのが稼動終盤は主流だったんですね。
ちなみにクアンタ解禁当初は逆に「バスターソードを付けると機動力が上がる」と勘違いされてきたので、稼動終盤とは逆に開幕はとりあえずバスターソード展開が主流だったんですね。
なので、稼動終盤に関わらず開幕はバスターソードを展開する人は
「開幕展開するやつは情弱wwwwww」と一部では嘲笑われることもあったんですね。
----------ここまでがVSシリーズプレイヤー向け----------------------

ゲームの中身を知らない人向けに
ここまで流れを整理すると
・最初はAだと思われてたのが実は違ってBだった。
・Bを知ってる人はAを知ってる人より断然有利だった

という状況がゲームの稼動終盤は生まれてたという話です。

問題はこの知識が広まったタイミング。
ここからは推測も含む部分になります。

全国大会時、一部のプレイヤーは知っていた

無印エクバの全国大会で優勝したのはクアンタを絡めたペア。
当時トップメタとしてはフルクロスという別の機体だったのですが、それを抑えての優勝。元々評価がかなり高かったクアンタではありますが、全国大会後に更に評価を上げていくことになりました。
全国大会当時のクアンタはまだバスターソード即展開が世間的には主流の時代。
ですが、当時の全国大会の動画を見てみると全く違う事が起こっていたのです。

決勝戦の動画。
1戦目は開幕しばらく経って展開。
2戦目はシルビを一回使った後にバスターソード展開
3戦目はバスターソードなし

こちらの動画の1試合目ではクアンタミラーが起こってますが、
両方とも一回シルビを展開してからバスターソードを展開しています。
ここで解説の黒日さんが「バスターソード展開中にシルビ展開するとバリアの発生が遅くなるからでしょうか」とコメントしてますね。(確かにその可能性もあります)

この二つの動画から分かるように、
当時のトップクラスの試合では「バスターソード即展開はしない」が主流だったようです。
まあ考えられる理由としてバグ以外にも
・ソードビットを使うため(一般的には使いにくい武装とされてました)
・シルビの発生を気にして
といった他の理由も考えられますし、プレイヤー本人達に話を聞いてるわけじゃないので真相は闇の中なんですが、
今回はこのあとの話をするために「本来の仕様を知っていたから」ということにしておきます。

このように全国大会に出場するような多くのプレイヤーの間では
「バスターソード展開後、バスターソードを解除すると機動力が低下する」
というのは周知の事実だったようですが、一般プレイヤーの間ではほぼ知られてない知識でした。
当時のしたらばが閉鎖されているのでログが確認できないんですが、当時の自分が気になって調べたところ、クアンタスレでこの話題はほぼほぼなし。全国大会終了後になってやっと出回り始めた情報でした。

情報を意図的に流していなかった可能性

ではなぜ一部のプレイヤーのみがこの話を知っていて、一般プレイヤーはこの情報を知らなかったのでしょうか。
当時はTwitterが主流ではなかった(以前の記事参照)ので拡散力がなかっただとかそういった要因もあると思うんですが、
今回は「自分を有利にするために情報を流さなかった」という説を唱えたいと思います。
前述の通りこの仕様は知っているのと知らないでは大きな差が生まれる情報です。ある意味では「他のプレイヤーに知られては困る情報」です。
なので、全国大会が終わって他の誰かが気づくまで黙ってた可能性があるんですね。
「広めなかったプレイヤーはズルい」ということを言いたいわけではありません。むしろ、情報戦を勝ち抜いたという意味では評価に値すると思います。
(ある意味ではこういう情報を仕入れられるコミュニティに属していることも含めて本人の実力と言えます)
こういったことからも勝つことを考えるのであれば相手を有利にさせる情報を広めない方がいい
ということです。
別界隈ではありますが、カードゲーム界では当然のように行われていることです。

ヴァンガード界隈の有名コテのツイートなんですが、
内容としては「勝ちたいなら相手に情報を提供するな」という事を言っています。
他にも知り合いだけで強いカードやコンボについて共有しておき、外には情報を出さない。何かしらの大会の時にそれを使って有利にプレイするといったこともごく普通に行われているようです。

ガンダムについても同様で本来であれば
相手を有利にする情報を広めなければ自分が相対的に有利になるはずです。
広まったことで、それを聞いた他のプレイヤーはそれに対しての対抗策を出してきたり、また他のプレイヤーに同じ事をされたり。
情報を広める事はゲームで勝つことだけを考えたら損にしかならない行動です。

ですが、現在はTwitterですぐに情報が拡散され、YouTubeでは有名コテが動画を出して情報を共有し~という流れができています。
これは本来の流れとは逆のはず。

今回はここまで。
次回はなぜこういうことが起こっているのか、
本当に情報を広めることにデメリットしかないのかを考えていきたいと思います。

Twitter:@sae_extremenews

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