CoCo債について個人的まとめ その1
2月上旬の雇用統計などで利下げ時期が遠のいたのでさらなる債券投資に迷っていたものの、ここでお宝ポジションを仕込んで長期保有を目指してみようという気持ちが固まりつつあります。
金利低下のピークでの債券売却を目指すとして2年ぐらいの保有期間を見込んだとして、半年~1年利下げが遅くなると売却もその分後ろにずれるので、如何にも無駄な感じがします。
しかし長期の金利収入を目指し、また株式しかない自分のポートフォリオのさらなる分散を図るということであれば、金利低下のピークが1年程度の先伸ばしがあったとしても、大したことはないように思えます。
そんなわけでCoCo債とハイブリッド証券、債券ETFの1497と2621を買っていきたいのですが、ハイブリッド証券やCoCo債について良くわからないことばかりだったので調べたことをまとめました。
※投資はご自分の判断で。筆者は年間20万~30万円ほどしか投資してません。
CoCo債(偶発転換社債)
リーマンショックで銀行が政府により救済されたが、それは納税者の負担で野放図にリターンを追求した銀行や投資家を救う図式になった。これを反省して新たな規制が始まった。(バーゼルIII)
CoCo債は銀行の自己資本比率が一定以下になったら、普通株式に転換や債券の元本削減が起きて投資家は損をする仕組みになっている。当然、銀行の破綻よりも先に普通株式への転換等が発生する。
銀行はCoCo債を自己資本としてカウントすることができる。CoCo債は、銀行の資本カテゴリTier1の中の、AT1債というカテゴリである。
こういった仕組みで、投資家にも高い利回りに応じた適切なリスクを背負わせることを目標にしている。
上位銘柄 ※月次レポートより
ファンドの上位銘柄をみると欧州の大手銀行が並ぶ。一方、米銀は優先株や優先証券を発行するのでCoCo債ファンドには出てこない。
ピムコ世界金融ハイブリッド証券戦略ファンド
(毎月決算型・通貨プレミアム)
サンタンデール(西) ラボバンク※(蘭) エルステ・グループ(墺) カイシャバンク(西) ソシエテ・ジェネラル(仏) BNPパリバ(仏) ロイズ(英) ネーションワイド・ ビルディング・ソサエティー※(英) インテーザ・サンパオロ(伊) HSBC(英)
※は優先証券
グローバルCoCo債ファンド 円ヘッジコース
ウニクレディト(伊) BNPパリバ(仏) UBS(スイス) ING(蘭) スコットランド王立銀行(英) ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(西) ロイズ(英) サンタンデール(西) インテーザ・サンパオロ(伊)
CoCo債の雰囲気をつかむために
銀行への債券投資は、どんな環境なのか調べてみた。
2022年2月 アライアンス・バーンスタインのレポートhttps://www.alliancebernstein.co.jp/knowledge/archives/627
利払いを見送りの実例
銀行破綻時の債券の取扱の実例
銀行が危機的状況になったときにCoCo債がどう扱われるか事例を探してみたところ、新生証券が欧州の銀行のAT1債やCoCo債についてレポートしているのを見つけた。(先にも触れた通りCoCo債はAT1債のうちの一つであるので参考になると思う)
http://www.shinsei-sec.co.jp/pdf/SSNote279-20170609.pdf
http://www.shinsei-sec.co.jp/pdf/SSNote280-20170621.pdf
http://www.shinsei-sec.co.jp/pdf/SSNote303-20171215.pdf
※上記リンクはhttp接続になっていて環境によってはアクセスできない方もおられるかと思います。ご了承ください。
上記実例では、破綻したBanco Popularがサンタンデール銀行に吸収される事例が示されている。AT1債は全損となっていて高利回りのリスクが顕在した。この時の吸収先サンタンデール銀行はCoCo債ファンドの上位銘柄に名前が見える。
リーマンショックの反省が破綻処理に反映されているのがわかる。
さらにつづく
CoCo債について個人的まとめ その2